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(しかし・・・・ここに思っても見なかった事態が・・・。

なんと、ヱルムが、人目もはばからずに、アダナに駆け寄り、抱きついてきたのです・・・!!

 

そして・・・・彼女の、その目からは、懐かしさ故か、泪が堰を切ったかのように、迸(ほとばし)りだしたのです。)

 

 

ア:(あ・・・・っ)ヱ、ヱルム??

 

ヱ:もう・・・っ!今までどこに行ってたのよっ! 700年前にいなくなったきりで・・・私・・・ホントに心配したんだからあっ!!(ボロボロ)

 

ア:・・・・ごめんよ、ヱルム。 でも、私も“リッチー”になっちまった以上は、あの人に負けないくらいにならなけりゃ・・・・と思ってな。

  それで・・・旅に出ようと思ったんだよ、今まで、心配かけてすまなかったな・・・。

 

 

ハ:(は・・・・あ・・・)ちょ、長老様が・・・・

見:泪を流して・・・?

見:しかも・・・・熱い抱擁を・・・・

見:もしかして・・・二人って、恋人同士?(←ダウトです(^^;;)

 

 

ヱ:(は・・・っ!)あっ・・・、ご、ごめんなさい! わ、私ったら・・・つい取り乱しちゃって・・・。

ア:いいんだよ、別に。 なんたって、お前は私の 最高の友 だもんなぁ?

 

ヱ:そうでしたね。(うふふ・・・)

 

 

ア:あっ!!そういやぁさ、うちんとこのエリア・・・・と、ジョカりんどうしてる?

ヱ:ああ、あの方達でしたら、あなたがいなくなった翌日から、『個人授業』と、称しまして・・・・

 

ア:いなくなっちゃったって? んじゃあタルタロスは?

ヱ:いわずもがな・・・です。

 

 

ア:そっかぁ・・・・皆バラけちまったか・・・。 それじゃあ随分と、淋しい想いをしたろうなぁ、ヱルム。

 

ヱ:それは・・・・あの子、エリアちゃんに言ってあげて下さい。

 

ア:そう・・・だったな。 でも、今はジョカりんと一緒にいるから、よしとすっか!

 

  それよりもだなァ!お前らだよ!お前ら!!

 

 

ハ:は?はぁ・・・。

 

 

ア:はぁ・・・。 じゃああるかよ!大体これはお前らのミッションなんだろがよっ!!

それをよりによって長老のこいつにやらせる・・・だなんて。 一体ミッションをなんだと思ってやがんだぁ?!

 

ん・・・・に、しても・・・よくまぁ、こんなので、今まで続けてこれたもんだよなぁ〜〜。

 

 

見:全くですよねぇ〜〜。(他人事(^^;;)

見:ホント、奇跡奇跡。(余所事(― ―;;)

見:困っちまったもんですよね〜?(・・・・女禍ちん?(^フ^;;A)

ハ:・・・・・?(反応なし(―x―;;)

 

ア:こんのヤロ〜〜共は・・・。(プルプル)

 

 

(すると、ここでどこから来たのか、一人の魔術師風の女性がこの6人に、近付いてきたようです。)

 

 

魔:・・・・・。(キョロキョロ) (どうやら・・・今まで争った形跡が認められるようだけど・・・・あら?あれは・・・)

 

 

ア:あんっ?!なんだ?あいつは。

ヱ:さぁ・・・・?

 

 

魔:ハンターが六名・・・・か、ひょっとしたら、と思ったのだけれど、あの方はいないようね。

 

ア:おい、ちょいと、あんた。 誰か人を探してんのかい?

魔:・・・・あなたには関係のないことよ、お邪魔したわね。

 

ア:関係ねぇ・・・。 って、そりゃどーゆぅ意味よ! 気に入らないね・・・それに、あんた・・・・ハンターじゃあないね・・・

 

魔:・・・・・・・。(ザッ)

 

 

(この魔術師の女、それには返答しようとせず、さっと踵(きびす)を返し、その場を立ち去るようです。)

 

 

ア:おい!ちょっと待てよ! なんだい・・・シカトかよ、ますますもって気に入らない・・・

  なら・・・・こっちにも考えってものがあるんだぜ・・・・(ギリ・・・)

 

ヱ:あっ!ちょっと!!アダナさん!?

 

ア:喰らいな・・・っ!

漆黒の闇より生まれいでし、灼熱の槍よ、射て

『ファイアー・ランス』!!

 

魔:ふぅん・・・“炎の槍”をここまで使いこなせるなんて、中々に出来るようね。

 

ス・・・・ッ

 

(するとこの女魔術師、懐より、 “紅蓮の宝珠” を取り出したのです。  すると・・・・?)

 

 

シュシュシュ・・・・・シュシュシュ・・・・ン・・・・

 

 

ア:な・・・っ、あ・・・っ! わ、私の術が・・・・

ヱ:総て・・・・あの紅い宝珠に取り込まれ・・・・た・・・・。

 

魔:うふふ・・・・残念。

ス・・・・

(アダナの術を取り込み終わると、その女魔術師、何をするでもなく、その宝珠を、また懐にしまいこんだのです。)

 

 

ア:くっそぉぉうっ! ならこれでどうだあぁ!

イン・ソール・マグナ・ネフティカ

“我が掌に宿りし紅き弾よ、契約に基づき、総てのものを焼き尽くせ”

『クリムゾン・フレィア』!

 

 

(今度はアダナ、以前には扱えても、制御しきれなかった『ハイ・エィンシェント』(古代語魔術)で挑んだのです。

(でも今度は、上手くいってるようです、成る程・・・700年間、伊達に旅をしていなかった・・・という事ですね。)

 

しかし・・・今度はその女魔術師、また懐よりあの宝珠を・・・・という風でもなく、なんと・・・・自らの前に丸い球体を創り出したのです。)

 

 

ジィ・・・・

パリパリ・・・・・          パ・・・リ・・・・

 

 

ヱ:(あ・・・・っ!あれは・・・) 気をつけてください、アダナさん・・・あれは オーブ です!!

ア:なにっ?! 

 

魔:ふふふ、いかにも・・・・。 それっ!

『クリムゾン・フレィア』!

 

ア:なぁ・・・・っ、あぁ・・・(なんてヤツだ・・・・今度は呪文を唱える事なく・・・・)

ヱ:お、同じ・・・・威力の球体で・・・・相殺ですか・・・。

 

 

魔:・・・・・成る程・・・・この程度ですか・・・。

ア:グ・・・ッ!!

 

魔:それに・・・もう手は出尽くしたようですね。 ならば、今度はこちらから参ります。

 

我が・・・・紅蓮の宝珠よ・・・・術の成就に力を貸したまえ・・・・

 

オルガ・オルゲ・デルペソム・ド・アルラ・ド・ガスパラライト・ペレイリヒア

“おお!我が偉大にして、至高なる熾緋なる炎よ、我が命に従いてその力をさし示せ”

『コロナ・エクスプロージョン』!

 

 

(女魔術師、目の前のオーブと、宝珠の持っているであろう力と併せて、突如として空間に発祥する、“熾緋なる炎”を創り出したのです。)

 

 

ア:ぅおっ!!こっ・・・・こいつ!!

 

ヱ:危ない!アダナさんっ!

氷原にあると存ずる水鏡の盾よ、総てのものを阻め

『ダンジグ』!

 

 

(しかしそれを、ヱルムがすかさず『氷の盾』で対抗し・・・その術もろとも、術者に弾き返したようです。

ところが・・・・?)

 

 

ア:へっ!どんなもんだい! ざまぁみ・・・・え??

ヱ:あっ・・・・あの炎を浴びても・・・平気・・・・?

 

 

魔:フフフ、まさか、これを『氷の盾』で返されようとは・・・・中々に面白い人達ね。

  それに、寄り道もここまで、また会う機会もあるでしょう・・・・・では・・・・

 

シュイィ・・・・・ン・・・・・ 

 

 

ア:消えた・・・消滅?

ヱ:・・・・・いえ、ここから遠ざかる意識を感じます。

 

ア:それじゃあ、『空間転移』?

ヱ:・・・・でしょう。

 

ア:しかし・・・・アレだけの炎を創り出せるのに・・・自ら退くなんて・・・

ヱ:ですね・・・。

 

 

ア:んまっ、ンな事より、早く古巣へ帰ろうぜ?!

ヱ:そうですね。

 

 

 

(いきなりアダナ達の前に現れ、同等・・・いや、それ以上の力を見せ付けたにもかかわらず、自ら身を退いた謎の女魔術師・・・。

 

この女の正体、それに目的とは、一体なんだったのでしょうか・・・・)

 

 

 

 

 

 

―――――了―――――

 

 

 

 

 

 

あと