<V>

 

 

〔すると、その道中〕

 

 

ゼ:フゥ〜〜ン、そのアダナ・・・・ってヤツが、あんたのパーティのリーダー格なんだ。

  しかも、そいつはリッチーだ・・・と。

 

タ:ああ、だが・・・今はご覧の通り、かつての仲間もバラけちまってな、パーティと呼べる状態じゃあない・・・と、言うわけさ。

ゼ:へぇ―――。  ん?おや??あれは・・・

 

 

〔ゼクス、どうやら自分達の前方より、人影がこちらに近付いてくるのを発見したようです。

すると・・・・それは・・・・〕

 

 

タ:ぅん?なんだ?あの・・・魔術師風の女は・・・。

 

ゼ:・・・・・・・カテ・・・・・・。

 

タ:(うん?) なんだって?

ゼ:いや・・・・なんでもない・・・。

 

魔:(おや?あれは・・・)  あの・・・ちょっと、あなた達に、一つモノを尋ねたいのだけど。

 

タ:なんだ。

 

魔:この辺りに、腕の立つ剣士ばかりを襲っている者の存在を聞いてきたのだけど・・・・

  それは、あなた達の事?

 

ゼ:へ・・・・っ、分かっちゃあいねぇな、オバさんはよう・・・。

魔:ナニ・・・?(ピク)

 

ゼ:そぉンなヤツならさ、とっくにオレの師匠がヤっちまった・・・・って、こう言ってんのさ。

 

タ:ンな・・・お、おい、あれはお前がやったことじゃあないか。

ゼ:へへっ、まあ・・・・黙ってな・・・って。

 

 

魔:そう・・・。 それよりキサマ、いま私の事をオバさんだと?#

 

ゼ:あぁ〜〜あ、そうさ? どぉ〜ンなに若作りしてても、年はごまかしきれねぇ〜〜よなあぁ?!  なぁ?!おい!

 

魔:(ギリギリ・・・)  ・・・・・その言葉、改めて後悔させてくれる・・・。

出でよ!わが魔杖、『イクセリオン』!

 

ゼ:へへヘ・・・ッ、後はたのンましたぜ、師匠。

タ:エ?な、ナニ?後はオレにまかす・・・って言うのか?(そ、それに・・・師匠だと??)

 

ゼ:あぁ〜そうさ、不出来な弟子の尻拭いをする・・・ッつーのも、師のするこったろ? たのンましたぜ。

 

タ:ンな・・・お、おい!

 

魔:ナニをごちゃごちゃと!! お前達には、逃げる余裕など与えはしない!!  くらえ!!

プラズマ・ストライク!!

 

タ:く・・・っ!(いきなりか!!) ならば・・・出ろ! 丙子椒林 !       そらっ!

ぽいっ!

 

☆−バチバチ−☆

 

 

魔:(ナニ?!とっさに創造した剣を投げて、避雷針代わりにするなんて・・・)

 

タ:術や、技の出た後には隙ができる・・・もらったぜ!おぉりやぁぁ!!

魔:うお・・っ!(こ・・・っ、この技!!)

 

 

〔見事な機転で、ピンチを脱するタルタロス。

そして、あまつさえ反撃を仕掛けるものの、その拳は虚しく空を切ってしまったのです。

なぜなら、魔術師の女も、とっさにテレポートしたから・・・。〕

 

 

タ:く・・・っ、逃げられたか・・・。

 

ゼ:(ほほ〜〜、あいつ中々にできるじゃあないか・・・伊達に、ラー・レイの継承者は名乗ってない・・・ってか)

  ま、次の動作までに・・・・ってのは、愛嬌ってなところのようだしな。

 

魔:(ツッ――――) フ・・・・ン、成る程、これはこれは・・・中々どうして、できるじゃないの。

  私の術をかわした上に、一撃を加えるなんて・・・。(フフ・・・・)

 

  そのお返しとして、我が力の突端を垣間見せてあげましょう・・・。

オン・ダキニ・ナコサトラ・キャンティ・ソワカ

 

タ:ンな・・・あ、あれは・・・ヱルムの・・・??

 

魔:喰らうがよい。

降魔乾坤陣!

 

 

〔その女魔術師が発動させたそれは、ヱルムが得意とする、巫道のそれであり、いままでにも、多くの魔物を折伏させてきたものだったのです。

そして、タルタロス自身も、その術の恐ろしさを知っているだけに・・・身体が硬直してしまっていたのです。

 

しかし、そんなところに・・・〕

 

パッシィィ―――――ン!

 

 

タ:ンな・・・お、お前・・・

 

ゼ:へヘ・・・ッ、ここまでのようだな、相棒。

  に、しても・・・あいつの、あれを出されちゃあ、まづは助からねぇからな・・・。

 

  それよりも、こっから先は、このオレが相手をさせてもらうぜぇ。

 

魔:・・・・・見くびるな、小娘が。

ゼ:そいつは・・・・どうかなぁ?

 

魔:ぬかせ!!

ビューロー・エンパイアス・グリマー・グロス

<不浄なる大地の力よ、彼の者に罰を与えよ>

 

カルネージ・デストラクション!

 

 

タ:(あ・・・ッ、あれは・・・・ジョカリーヌさんの・・・!)

 

ゼ:ハ・・・っ!お次は、そう来なすったかい! でもなぁ、もうすでにお前のパターンは、読んでるんだよ!!

 

シュン・・・

シュン!

 

魔:ハ・・・ッ!!し、瞬間移動!!

 

ゼ:おせえぇ!!喰らいなッっ!!

絶空斥力断!!

 

 

タ:や、やったか・・・?

ゼ:いや・・・・残念だが、そうじゃあねぇ・・・。

  へへ・・・・さすがだなあ、あんたも、すでに、このオレの手の内を読んでやがった・・・。

 

魔:それは・・・こちらとて同じ事よ、  ゼクス  。

ゼ:あんたもな・・・  ヘカテ  。

 

タ:ンな・・・え?? お、お前ら・・・・ひょっとして、知り合いか??

 

 

へ:(ンブッ!プ・・・ッ!!) プ・・・フフフ・・・・・。

ゼ:ンな・・・なんだよっ!! ナニが・・・そんなに可笑しいんだよ!

 

へ:んだ・・・だあって・・・(クププ・・・) あ、あなたの・・・その・・・・(ヒッヒッ) 今の姿見てたら・・・・急に・・・・(ククク・・・・)

  ご、ご免なさい??!   ア―――ッハッハッハ!!

 

ゼ:ング・・・グッ!! し、仕方ねぇだろ?! こっちへのリンク急いでたら、こうなっちまってたんだからよっ!!

  そ、そんなに笑うこたぁないだろがよっ!#

 

へ:(ヒッヒッ・・・)ご・・・ご免・・・(クックックッ・・・)なさい・・・。

  ハァ―――ッハッハッハ!! あ、あ〜〜〜お、お腹が痛い・・・

 

ゼ:んに・・・にゃろぉ〜〜〜う、人事(ひとごと)だと思いやがってぇ〜〜! こっちは泣きたいぐらいだってぇのによう!!(グシ・・・)

 

へ:(プ フフフ・・・) ま、まぁ・・・コレで、さっき私の事を、オバさん呼ばわりした事は、帳消しにしといてあげるわね??

 

ゼ:帳消しどころか、こっちが大損ピ――だよッ。(ぷぅ)

へ:まあまあ、ふくれっ面も、可愛らしいわよ〜〜?  ゼ・ク・ス・・・・ちゃんッ♡

  ぷあーっはっはっは!!

 

ゼ:くっ・・・くっそおぉぉ〜〜〜っ! こんなことなら、わざわざ手加減なんかすんじゃあなかったぜ・・・・。

 

 

へ:そ、それより・・・(ンブッ!・・・クックックッ・・・・)

ゼ:いいからさぁ・・・吹きながら喋るの、よしてくんない?

 

へ:ご、ご免なさい・・・・あなたのその姿見てたら、直視できなくて・・・・(ぷ ぷ ぷ)

ゼ:チェ・・・ッ。

 

 

へ:(き、気を・・・取り直して・・・)  それより、他の方達とは・・・?

 

ゼ:あんたと一緒。 オレも、最初はあいつらと合流しようか・・・と、思ってたけど、案外てこずっちまってさ。

  で、その間に、この騒動の事を聞きつけてさ、んで・・・こいつ、タルタロスと一緒になった・・・・と、言うわけさ。

 

タ:お初に・・・・お目にかかる・・・。

 

へ:成る程・・・・そう、そういうことなのね・・・。

ゼ:あぁ・・・。

 

へ:ねえ、あなた・・・。 その剣技、ラー・レイを大切にして下さいね。

  その技の源流は、あの人の・・・・作ったものだから・・・。

 

タ:あの人? 知っているのか、この流儀の開祖を。

へ:いづれ・・・分かることです。  では、私は、もう少しばかり、心当たりを探ってみますので、またその時にお会いしましょう。

  では・・・・。(ブウゥゥン・・・・)

 

ゼ:ああ・・・。

 

  さて、それじゃあ、オレ達も、一路目指すとしましょうか?師匠。

 

タ:なぁ・・・。

ゼ:うん?どした・・・。

 

タ:まだ・・・オレみたいな、半端者が、 師 なんて柄じゃあないと思うんだけどもなぁ・・・。

  それに・・・技のキレのほうも、どっちか・・・ッつ――と、お前のほうが上だ。

  だから・・・その・・・・立場、逆じゃあないかと思うんだが・・・。

 

ゼ:へッ・・・遠慮するこたぁねぇよ。 あんただって、中々のもんじゃあないか、それによ・・・

タ:それに・・・?

 

ゼ:いや・・・・なんでもねぇ。

 

 

〔危うく、 自分だってそうじゃあない と言いそうになるゼクス。

それもそのはず、タルタロスの操る剣技 ラー・レイ は、その元をたどると、自分の編み出していた 羅・零 に、行き着くわけであり。

 

だからといって・・・その開祖が、今はこんな少女の形(なり)をしているとも言えず・・・。

 

その申し開きに窮してしまったからに、他ならなかったのです。〕

 

 

 

 

 

―――了―――

 

 

 

 

 

 

あと