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ヱ:(あ・・・ようやく来た・・・)

  全く・・・資料一つ持ってくるのに、どのくらい時間を掛けてるんですか・・・あんたは。

 

ア:・・・・・・・すんません・・・・。

 

ヱ:(ん?? やけに素直ねぇ?)

  まあ、それはともかく、持ってきたんでしょ?資料・・・・早く見せて頂戴?

 

ア:・・・・・・。

 

ヱ:(ん????)

  ねぇ? ちょいと?? ナニをしてんですか――― 早く―――― って、そういえば、やけに身軽よねぇ? 今のあんた・・・。

 

ア:あ゛〜〜〜―――すまんっ!これ、この通り・・・・(土下座)

 

ヱ:・・・・はい?

 

ア:あっ・・・・あのぉ〜〜な? いや・・・言い訳するわけじゃ、ないンだけっども・・・

ヱ:まっ・・・ましゃか・・・あんた・・・。(ワナワナ)

 

ア:ご・・・ゴメン、大事なもの、おじゃんぱぁ〜〜にしちまった・・・(なはは・・・)

ヱ:に・・・にゃンといふことをを゛・・・折角資料部の者達が、血涙を流して作ったモノを・・・・

  あんたってぇ人は、それを〜〜〜・・・(ピクピク・プルプル)

 

ア:ホンンっと、ゴメンっ――! でもな?ヱルム・・・これには、ガストール渓谷より深ぁぁ〜〜いワケが・・・

 

ヱ:・・・・・。##(怒り爆発まで、あと5秒 ^^;;)

 

ア:あっ・・・あのね? お前んとこのキリエが・・・そのぉぉ・・・・

 

ヱ:ましゃか・・・あんた、自分のやったことを、あの子の・・・他人のせいにするってワケねっ?!!#

 

ア:(だっはァぁ〜〜っ・・・)な・・・なぁ、ち、ちょいと聞いておくれってばよぅ!!

 

ヱ:見苦しい・・・ギャラハットさん!レオナールさん! 至急、このおバカを拘束!!

 

ギ:は・・・・。

レ:御意。

 

ア:えっ?てっ?? ちょ・・・ちょいと、待っておくれってばよ!!

  こ、拘束――― だ、なんて・・・ヤリすぎじゃあないのかい??

 

 

ヱ:だぁぁ〜〜〜ま・・・らぁぁ〜〜〜っ・・・・しぇえええい!##

  あんたねぇ・・・大事なモノを、おシャカにしただけでなく、その罪を他人に擦り付けようなんて魂胆・・・

 

  全くもって、潔くありませんっ! 少し頭を冷やしてらっしぇいっ!!#

 

ギ:さ―――― 来るんだ・・・

レ:大人しくしろ・・・・

 

ア:あ゛・・・・あっれぇぇ〜〜〜――――・・・・・

 

 

〔まんまと――― キリエの策略にはまり、アダナは、そのまま懲戒房へ―――・・・

 

 

それからしばらくして、奥の院のほうから、ジョカリーヌ様が、エリアとキリエの両名を伴って、長老室に来たようです。〕

 

 

ジ:少し――― お邪魔いたしますぞ。

 

ヱ:(あ・・・)これは、ジョカリーヌ様・・・。(ペコ)

 

エ:(あら?) どうかなさったのですか? ヱルムさん、顔色が優れませんよ?

キ:何を言ってるの?リントハイム・・・。

  ヱルム様はヴァンパイア、そのお方に対して“顔色が優れない”・・・だ、なんて、キツイ冗談もあったものではないわ?

 

エ:(悪かったわね―――・・・) それよりも・・・どうかなさったのです?

 

ヱ:い、いえ・・・・じ、実は―――

 

 

〔そこで、今しがた、アダナがやってしまった失敗談を、つぶさに彼女達に話すヱルム。

 

すると―――・・・・〕

 

 

ヱ:・・・・・と、いうことなんです。

 

ジ:(ふぅむ・・・・) 成る程、確かにアルディナに非があるようじゃな。

エ:でも・・・あの方らしからぬ、失敗ではありますよね―――・・・。

 

キ:あぁら、そぉぉ〜〜お? でぇも・・・あの人ったら、本当に、見事なコケっぷりでしたわよ―――?

 

エ:(・・・・なんですと?)

  ねぇ・・・リヒト、あなた、今、まるでそこにいたかのような、発言をなさいませんでした―――?

 

キ:えぇ〜〜――、いましたわよ? それに、あの人の、あの後のうろたえっぷり――― ったら・・・(うぷぷぷ・・・)

 

ヱ:(はああ??) ねえ―――、ちょっと?キリエちゃん?? それ・・・・って、どういう事なの??

 

 

エ:ちょっと―――リヒト、私、あなたの『狂獣』に、用があるのだけれど・・・

 

キ:(ギョクッ―――!)な・・・・なぁに? わ、私の『ヴェンティシュカ』に、御用がある・・・・だ、なんて・・・(や、やば・・・)

 

エ:あなたに―――・・・だと、しらばっくれるのが、非常に上手いですから?

  その“お供”に、直接聞くことにしてみるの・・・あなた、その時に、何を持っていたのか―――・・・・って。

 

ジ:(ん―――? “ナニを”・・・・)

ヱ:(“持っていたか―――・・・”ですってぇ??)

 

キ:え゛っ・・・えぇ〜〜〜っとぉ・・・・(たらぁぁ〜〜り・・・)

  あっ―――! そ、そうでしたわ?(ポム―――☆) 私、このあと、グラディウスと、お茶のお約束を・・・(あと・・・づさり・・・)

 

エ:お待ちなさい―――!(むんず!)

 

バタン――――☆!

 

キ:あっ―――!あぁっ!(じたばた) な、なにをするというの?リントハイム!

  私のスカートの裾を踏んづけるだなんて・・・・行かせて―――― 行かせて頂戴―――!!

 

エ:私は―――、ただ、ヴェンティシュカに、お話を伺いたいだけなの・・・・。

  それを、よりによって、そうなる前に『逃げ』を打とうだなんて・・・あからさまに怪しすぎね・・・・。

 

  あなたが、やらかした事、洗いざらい吐いてもらいますわよ―――・・・・。

 

キ:ひ―――・・・・非道ぅい!! あなた・・・私の事を疑うというのね?!!(ぽろぽろ・・・)

 

ヱ:(あ・・・・な、泪・・・) あ、あの・・・エリアちゃん?

 

 

エ:ねぇ―――・・・・リヒト・・・・いい加減、白々しいお芝居・・・・ヤメにしていただけないかしら!!#(ひょいっ!)

キ:あぁ――― な、なにをするの・・・

 

ヱ:(あっ・・・・それ・・・)め、目薬ぃ??!

 

 

エ:こーれは、何かしらぁ〜? キぃ〜リぃ〜エぇ〜〜!#

 

キ:あら・・・目薬ね。(しれぇ)

  そういえば、私――― ここのところ、ご本の読みすぎで、目が疲れてしまいまして・・・・(ふぅ)

 

エ:まぁぁ〜〜だ、この期に及んでも、しらばっくれるの・・・・あっ、そう。

  ちょいと、ヴェンティシュカ・・・・出てらっしゃい?

 

 

〔すると、そこからは、自分達以外の何者もいないはずなのに・・・・空間より出で来る者が・・・・

 

しかも、その全身を、クリスタルか、水晶で創り出されたかのような、透明無色の『巨大な魔獣』が・・・・

エリアの一言により出現したのです。

 

        も?

少し・・・・様子がおかしいですよ?〕

 

 

ヴ:きゅるるる・・・・・

 

ヱ:(う゛え゛っ?!!) こっ・・・・こ・こ・こ・・・これは???

ジ:いっ・・・いつのまに・・・

 

エ:(ふふ―――・・・) ビックリなされましたか? ジョカリーヌにヱルムさん。

  そう――― この子が、キリエの傍を付かず離れず存在している、“狂獣”と呼ばれている『ヴェンティシュカ』なのですよ・・・。

 

 

ジ:(これが、キリエ殿の―――・・・いや、しかし、これほどの魔物が、ここを徘徊しておると言うのか―――?)

 

ヱ:(それにしても――― 全身が、透明?? クリスタルか何かで出来ているというのかしら・・・)

  でも・・・なぜかしら、萎縮しているようにも見えるけど・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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