<X>

 

 

〔いや、しかし―――? そんなことよりも、このご老体、いきなり――― それも、突然――――

拡声器なるモノを取り出し・・・・〕

 

 

ロ:私はぁ〜〜――― 私をぉ〜〜―――― 追放したぁ〜〜―――― 学会にぃぃ〜〜――――

  復しゅうして・・・ やるんだあぁぁ〜〜〜―――――あ!!

わんわん!≧

 

ア:(きぃぃ―――・・・ン) な・・・なんだぁ?こいつわ・・・いきなり、ヘンテコなもん、取り出しやがって・・・・

ヱ:(きぃぃ―――・・・ン) ん・・・・もぅ、うるさいったら・・・・も少しで、鼓膜が破れるとこだったじゃないの??!

 

ア:そ・・・それより、=復しゅう=・・・って、どうして“讐”の字が、平仮名なわけぇ?

ヱ:(あ・・・あへて、そこをツッコまなくても・・・― ―ll;;)

  いや・・・そうではなくて、=復讐=って、何に恨みを抱いて・・・

 

ロ:よくぞ聞いてくださった!お嬢さん方!!(だうるる〜〜)

 

ア:お゛・・・っ?!(たじ・・) な、なんだい?いきなり・・・泪目で・・・

ヱ:(ひ・・・引きますわ・・・)

 

ロ:折角ぅ〜〜―――・・・折角、世の為、人の為になる事よ・・・と、開発してきたモノが、総てジョセフのヤツのお蔭で・・・・

 

ア:――――・・・は?? ジョセフ――― って、あんた、あのヒゲジジィの事、知ってんのかい?

ロ:いや、知ってるも何も、あいつとは、“学院”の同期生で、しかもいっつも一緒につるんで、悪さばっかし しておったし―――・・・

 

ヱ:は・・・前長老様と、同期生―――・・・なんですか・・・

 

ロ:いっやぁぁ〜〜なっつかしいのぉぉ〜〜・・・あれは、いつの日じゃったか―――・・・

 

  赴任してきたばっかりの、ジョカリーヌ先生を、わしが当時をして、発明した『カエル発射装置』で、泣かしてしまったのは、よひ思ひ出・・・・

 

ヱ:は―――・・・はあぁあ?!! じ・・・ジョカリーヌ“先生”・・・って・・・

  おぢぃさん!! あ―――た、ジョカリーヌ様の事、知ってるんじゃないの゛っ!!

 

ア:い・・・いや・・・それよりも、ジョカりんが、カエル苦手―――なのって、そぉゆぅ事があったからなのか??

 

ロ:いや、知ってるも何も、ジョカリーヌ先生、わしらの担任じゃったし?

  それに、その悪戯、考え出したのは、ジョセフのヤツじゃったし――――・・・・

 

ヱ:は――――・・・わ、私達でさえ、前長老様の事、“様”付けなのに・・・それを“タメ口”デスカ・・・

 

ア:し、しかし・・・あんのヒゲジジィもやるぢゃないか〜〜―――。

  するってぇことは・・・・ジョカりんを最初に泣かしたのは、あいつだったのか・・・・今度コツ教えてもらお

 

ヱ:(ヘンな事、考えてんぢゃないわよ―――・・・)

 

 

ロ:そ――――・・・そういえば・・・

 

ア:は――――?

ヱ:な、なに――?

 

ロ:あん時・・・怒られたの、実行犯のわしだけで・・・計画犯のあやつめは、しらばっくれて、わしを助けようともせんかった―――・・・

 

  む―――・・・むうぅ・・・段々思い出してきたぞぅ〜〜・・・

  あの時、あいつは、泣き出した先生の下に、いち早く駆け寄り・・・いち早くわしを指差して、『やったのはこいつです――!』

  ―――と、総ての罪をわしになすりつけおったのぢゃ・・・・・

 

ア:(な―――・・・なんだか知んないけど・・・・)

ヱ:(言わなくてもいいような事・・・なんじゃない??)

 

 

ロ:んむうぅぅ〜〜〜―――!# ゆっ・・・ゆるッさんっ!##

  思い出してきたら、段々と腹が立ってきたぞいっ!! あいつめに―――・・・コレを一発ぶち喰らわしてやらにゃあ、わしの気がすまんぞいっ!##

 

 

〔な―――なんと?? 次々と明かされる、過去のエピソードに、アダナとヱルム、一様に目を丸くするのですが―――・・・

 

その、回顧録を思い出すに当たり、積年の恨みというべきものまでをも、思い出してしまったゼルゲンハイム博士・・・

すると、この時、博士の手には、彼自身の手で生み出されたであろう、恐るべき物体が―――!!〕

 

 

―――ジャキン――――ッ ☆―――

 

 

ア:(う゛え゛っ?!!) ちょ―――ちょいと? じぃさん?? こ・・・これ―――って・・・

ヱ:(あわわ・・・)た、大砲――― バズーカー砲でわないデスカ・・・・

 

ア:お・・・おいおい!ちょっと待てって!! こりゃ・・・ちょっと、ヤリ過ぎなんぢゃあないのかい??

ヱ:そ―――・・・ぇえ〜〜そうですよ!!

それに、第一、ジョカリーヌ様が、『先生』の時代―――って・・・そんな昔の事、時効じゃないの??

 

ロ:ナニをぉう?! あやつの肩を・・・・そんなにまで持つとは・・・・

  ナルホド、そうか・・・・・

 

ア:ヘ――――?

ヱ:ハイ―――?

 

ロ:お主ら・・・やはり、学会の回し者じゃな?!!

  ぬぅわらばっ!! 喰らえぇ――――いっ! 復しゅう劇の幕開けは、お主らの 血 で、書き初めぢゃあぁ゛〜〜〜!

 

ア:え゛っ――― え゛え゛え゛〜〜〜〜っ??? ちょ・・・ちょいと待て―――って!!?

ヱ:な・・・なんで、どして、こぉゆう展開になるんですかぁ〜〜〜??

 

ロ:問答無用―――!! 喰らえぇ〜〜い!

=集束ビーム砲=

カチ―――ッ☆

 

ア:う・・・うわッ! バ、バカっ―――! よせって!!

ヱ:(ひぃえぇ〜〜〜・・・)

 

 

〔なんと――― その恐るべき物体の正体というのは、地面に据え付けているような砲身ではなく・・・

人一人が抱えて運べるような、携帯式の砲身・・・つまるところ、バズーカー砲だったのです。

 

この憂慮すべき事に、一様の驚きをなし、バカな真似はやめるよう、説得を試みるのですが―――・・・

 

ここで何を勘違いをしたのか、このゼルゲンハイム博士―――

自分を諌める、この二人の行為を、 ジョセフ=前長老 を、庇い立てるものと勘違いし、最初にこの二人を血祭りにあげようとするのです――――・・・・〕

 

ヴヴン・・・ヴヴン・・・〜〜〜

 

が??!

 

 

ア:あ・・・・あれ?? ど、どうなっちまったんだい?

ヴヴン・・・ヴヴン・・・〜〜〜

ヱ:ま・・・まだ生きてる?? ・・・と、いうことは・・・不発だったの??

ヴヴン・・・ヴヴン・・・〜〜〜

 

 

〔いや・・・・不発・・・って、“ビーム砲”といえば、『光化学兵器』であって、“ミサイル”のような『火器』でわないので・・・・

 

で・・・も?? なんだか・・・それにしては、様子が ヘン ですよねぇ??〕

 

 

ヴヴン・・・ヴヴン・・・〜〜〜

ロ:――――・・・ンっ? おかしいのぅ・・・目詰まりでも起こし―――・・・・

ヴヴン〜〜〜 ヴヴゥ〜〜〜ン・・・・

 

ロ:・・・・・。(ゴソゴソ・・・)

 

ア:(ぅん? ナニやってんだ? このジィさん・・・)

ヱ:(つ・・・机に・・・お布団まで出して―――?)

 

 

ロ:おお゛〜〜〜やはりそうぢゃ・・・コレは、つい先頃失くしたとばかり思っておった、『遠赤外線発生装置』ぢゃないか―――・・・・

 

ずっコケ――――

 

 

ロ:ん゛〜〜〜?! どうしたね・・・おぢょうさん方・・・

まぁ・・・こっちに来て、お入んなさい・・・・お茶でも出しましょうわいの・・・・(よっこらせ―――と・・・)

 

 

ア:こ―――・・・こぉんのぉ〜〜・・・・な、中々・・・手強ひようじゃあないかよ・・・このおやぢ・・・

ヱ:は―――・・・話の切り替えしが早いというか・・・なんというか・・・・

  (し、しかも・・・先程の、マッドなサイエンティストのような顔つきから・・・一転して好々爺的な顔・・・だ、なんて・・・)

 

  こっちが、ついてけそうにないわ―――・・・(げんなり)

 

 

〔な、なんと―――! このとき、博士が手にしていたモノとは――――!

かの、破壊兵器―――・・・何ぞではなく、地球に優しい(?)

=遠赤外線発生装置=

だったようであります。(これで、寒い冬も安心ぢゃ≧ゼルゲンハイム)

 

この事実を知るに及び、本気で相手をしていた、アダナとヱルムの両名は、まったくもって、怒る気力も うせうせ になってしまったようです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

>>