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(そして、その夜)

女:やはり、動き出しましたね。                                                 驍:やれやれ、こっちは手術して疲れてるって言うのに。
女:それから、気になることが一つ・・・・                                       驍:なんだい、まだ何かあるのかい?

女:どうやら、潜り込んでいる者の他に、また別の“気”が感じられます。
驍:ふぅむ、それはワシもうすうす感じていた事だが、やはり別の何か・・・・なのですか?
女:今の所はそのような気配がします、どちらにせよ、警戒した方がいいか・・・と。
驍:やれやれ、こっちは動けるのは二人だというのにねぇ・・・・。

(丁度その頃、院内に、物音一つ立てずに進入する影が二つ)

?:侵入成功・・・・と、そちらはどうだ?(ザッ)                                 ?:問題あらしまヘンで (ザッ)

?:・・・・にしても、随分な数、放ちやがったな、アタシら二人で捌ききれるか?(ザッ)

?:へっ、どのみちザコばっかしやろ、質より量で対抗なんて、考え甘いわ、ドンのところへたどり着くまで全滅させたるわ(ザッ)

?:おい、臾魅、減らず口はそのくらいにしとけ、そっちに誰か向かってるぞ。(ザッ)
臾:そゆ、アミさんのとこにも一匹むこてはりますで、用心しや (ザッ)

ナ:・・・・だな、通信切るぞ(ピッ)                                              臾:・・・。(ピッ)  あんた、誰やねん、邪魔するとロクな事あらへんで。

女:そちらこそ何をしにここへ? ここは病人しか来る事の出来ないところよ? 化け物は速やかに立ち去りなさい。
臾:ハンッ! 化け物たぁ、言う事ひどいんやないか? こんな可愛いらしい臾魅ちゃん捕まえといて。

ま、どっちにしろ、お互い何を言うても無駄みたいやしなぁ、ほなら、力ずくで通させてもらいまっせ?!

(一方、この病院の別の場所では?)
ナ:あんた、“ステラバスター”と言うヤツかい? 噂は聞いてるよ。 今は無駄な争いはしたくない、そこを通してくれないか?
驍;残念だか、今のワシは“ステラバスター”じゃあない、人違いだ。

  それより、ここにきた理由をハッキリ言ってもらわんと、ここを通す事は出来んね。
ナ:どうあってもダメ・・・・だと? なら仕方がない。

スチャッ・・・

 

ナ:どいてもらおう。
驍:銃・・・・、それが君の得物か。

 

ビュウウウン・・・ビュウウゥゥン・・・

ナ:フン、剣で銃に対抗たぁ、ずいぶんと酔狂なマネだね。                         驍:ようく狙え、二発目はないからな。

(同じ頃、――臾魅vs女禍――)
臾:うおっ・・・・・と、(いちち・・・) 中々やりよんなぁ。                    女:その傷ではもう無理、ですよ。  大人しく引き下がりなさい。
臾:へっ、撤退勧告かいな、そらおおきに。  せやけどなぁ、この
“夜叉”の力を持つウチをなめとったらあきまへんで?!!

女:なにッ! “夜叉”だって!!? まさか・・・!!

臾:ハンッ! いまさらコーカイしても遅いわ!! いっくでぇ〜〜?

『熾焔拳』!
(本来なら炎をまとって攻撃する技なのだが?

出ないのは、彼女が未熟なせいか・・・?)

 

ガキィィィーン!

女:ふふ、これは失礼、どうやら人違いだったようですね、私はてっきりサヤさんを襲いにきた連中とばかり。
臾:ナニ?? ウチんとこのドンを知ってるゆうて・・・・どないなっとんのや??
女:成る程、サヤさんはあなた達を束ねる人だったんですね、こちらです。

(同じく、ナオミvs驍)

ドゥン!・・・・ドゥン・ドゥン!

ナ:く・・・っ、(なぜ当たらない、それにしても、こいつの動き、以前にどこかで・・・)

やるもんだねぇ、アタシの銃をここまでかわすなんざ、そうざらにはいないよ、あんた、一体なにもんだい?
驍:それは、こっちが聞きたいことだよ、一体全体何をしにここへ?

ナ:そいつを聞いてどうしようってんだい、あんたには関係のない事だね。                な、なにッ!?

(こいつ、初めて剣を構えた・・・それにこの剣の構え??)
驍:次、はずすと命はないからそう思え・・・・・

(と、そこへ、Jokaと臾魅到着)
臾:あっ! おぅ〜い! アミさん!! そいつ敵やあらしまへんで〜〜!! やめときーー!
ナ:なっ・・・臾魅! どうしたんだ!?? そいつは??

臾:いや〜、ウチら、どえらい勘違いしとったらしいわ。  あ、こっちはJokaっちゅー人でな? いや、強かったわ〜ホンマ。
J:初めまして、Jokaです、よろしくねっ
                              ナ:いや、こちらこそ・・・(? こんなヤツが、臾魅と互角に??)

J:それにしても、臾魅さんって言うんですかぁ、お強いですね〜、アタシ、ついてくのがやっとでしたよ〜。
臾:へへっ、まぁそない謙遜しなさんなって、そゆあんたかてそうとう強うおましたで? んで、そっちの方はどないやったんすか? アミさん
J:アミサン??へぇ〜〜、あなた、アミサンって言うんですかぁ

ナ:おぃ! 人の名前を勝手に略すな! アタシの名は、『ナオミ=アミテージ』ってんだ、よろしくな、んで、あんたは??

驍:ナオミ? 君は、ナオミというのか?                                    ひょっとして・・・・ナオちゃんかい?
ナ:あ? そっちで呼ばれるのは随分と久しいな。           そうだが・・・ひょっとして、あんた!!?

驍:そうだよ!! 小学校の頃一緒に遊んだ!!                       ナ:タケ坊か!!? いゃ、懐かしぃなぁ。 はぁ〜、そりゃ、道理で手強いわけだぜ。
驍:随分と変わったなぁ〜、一体向こうで何かあったんかい??                          ナ:うん? まぁ・・・・色々とな・・・・。

J:あれれッ!? 二人とも知り合いだったんですかぁ??

 

驍:うん? あぁ、小学校までね、でも、急に四年生の頃、ナオちゃん、米に行っちゃってさ。
ナ:あの時は仕方がなかったんだよ、親に逆らえる事なんて、出来なかったしさ。       臾:ちょいと、お二人さん、雰囲気出しとるヒマやあらしまヘンで。
驍:そのようだな・・・・                     ナ:まったく、数ばっかし揃えやがって。                          J:強行突破、ですね〜〜。

臾:『五火熾焔脚』!!           驍:天籟示現・奥技『津覇徽』!!             ナ:『空破弾』!!             J:『昇華連撃』!!

 

(それぞれの奥義を駆使し、敵を駆逐する四人、そして、サヤの病室の前まできたのだが。 そこにいたのは、“小ボス”クラスの敵が数匹)
驍:サヤの病室はこの先・・・・しまった!           あいつらは囮、足止め役だったってのか!!
ナ:ち・・・・っ、せこい手を使いやがる・・・・                                 J:サヤた〜〜〜〜ん!!  ええっ!!?

(すると、サヤの病室より、ドアごと吹っ飛ばされる男が・・・・・)

ドガシャアッ・・・!!

 

臾:ヒュ〜〜〜ッ、さっすが、ウチんとこのドンや・・・・                   サ:オレの寝込みを襲うなんざ、100年早ぇ〜んだよ、この三下がァ!!
驍:ふふ、ワシ等が心配するような余地なんぞなかったようだな

サ:うんっ!? 何だ、お前ら来てたのか。 それに、スーさんにJoka?

へっ・・・どうやら、あんたたちまでに余計な心配させちまったようだな、
  こっからはオレに任せといてもらおうか・・・・丁度、ノドも乾いてきたことだしな。

J:ダメッ! ダメだよ! サヤたん!! 確かにあいつら、化け物だけど・・・・、元々は人間なんだよ? 

だから・・・・血を飲んだりなんかしたら絶対ダメッ!!
サ:(Joka・・・・・) ふ・・・分かったよ、心配すんな、単なる冗談だよ・・・・だから安心しな。

ナ:(この女・・・・) でも、大丈夫なのか? サヤ・・・・・
サ:あんだぁ? てめーも心配性だな・・・・そんなにこのオレが信用できねぇってか・・・・あ?

ナ:い、いや・・・そういうわけじゃあないんだが・・・・
サ:へっ! だったらオレに任しとくんだな! 第一、こいつら相手じゃ、回復の稽古台にもなりゃあしねぇよ。

(そこへ、“中ボス”らしき男現れる)
サ:ようやく骨のありそうなヤツのお出ましかい。 へっ・・・・てめーらも物好きよなぁ、わざわざ狩られに来るたぁ。

臾:アミさん・・・・あいつ・・・・
ナ:うむ、“レベルB”か。          かなり出来るようだな・・・・・ひょっとするとまずいかも知れんぞ。

  とりあえず用意しとけ。

驍:一体どうしたって? 心配ないんじゃあないのかい??
ナ:ああ、あいつはな、血を定期的に摂らないと本性を現しちまうんだ。        それに、今日は、まだ一滴も飲ってないって言うしな。
驍:あぁ、確かに、血の方は出す一方で、一滴も摂っちゃあいないな。

ナ:な、なんだって!? それじゃあ・・・・あとわずかか?   おぃ! 臾魅、臨戦体制に入れ!!
驍:ちょ・・・・一体どうしたと??! あとわずか? 臨戦体制??
ナ:・・・あたしらがなぜ、ここに来たか、教えてやるよ。 実はな、あたしらは別にサヤを助ける為に、ここに来てるんじゃあないんだ。

驍:ま、まさか!!
ナ:そう、そのまさか、万が一、暴走したりした場合の抑え役と言ったところなのさ。
  それに、第一本性を露わにしたあいつはとんでもなく強くなるからな。

驍:そういう事だったか。 よし、そういう事ならこっちも協力を惜しまないよ、Joka!                        J:はいっ!
驍:聞いた通りだ、あいつを、サヤを止めるぞ!!                                                       J:合点しょーちのすけ!!
ナ:お・・・おィ、大丈夫なのか? こいつ・・・・

臾:アミさん、やっばいで?! ドンのやつ、リミッター切れたみたいや!!
ナ:ち・・・っ、思ったより早かったな。 よし! 臾魅、お前も封印のほう解け!!
臾:あいよっ! 言われるまでもねぇ!! 
『角鬼腕;炎』!! カンニンしとくれやっしゃ〜? ドンっ!!
J:(手甲?? あの人・・・私と対峙した時にはあんなの・・・・)                            驍:Jokaっ! よそ見をするんじゃない!!
サ:ぬ・・ヌ・ぬ・ヌアアアアアアアッ! フッ! フッ!

ドバキィッ!!

 

J:(す・凄い・・・・あっさりと相手を一撃で・・・・) あ゛っ! こっちに来た!! ふぇ〜〜〜ん!
臾:おいっ! ドンっ! ええ加減目を覚ましや!!  
『煉獄掌』!

ゲシッ!!

 

臾:あ・・・・っ、浅かったか??

サ:ぬうウうウウ・・・・(ギロッ) 誰ダァ・・・ギザマァ!                                   臾:んげぇっ! やぁーばぁっ!!
ナ:ちいっ! 

ドンッ!ドンッ!ドンッ!

サ:グウッ!! グぁ! がアっ!              ヌウゥゥ、オノレィ!
ナ:くそっ! 手がつけられん! 弾丸三発も入れて・・・なにッ!? (体内に入った弾を・・・・出しやがった?!)
驍:サヤっ!!     
天籟示現奥技『亜斬身』!!

ズシャズシャズシャズシャズシャッ!!

 

サ:グゥォオオ!  カはぁ!

シュルシュシュルシュルシュルシュル・・・・

 

驍:なにッ! 斬った矢先から傷口が塞がっていく??

  なんて回復力だ・・・。              なっ!! Joka! 危ないっ!!

J:・・・・もう、もう止めてよ! サヤたん・・・これ以上血が流れるの・・・・耐えられないよ・・・・
  代わりの血ならアタシがいっぱい、たくさんあげるからさぁ・・・ね? お願い。

ナ:な・・・・何て馬鹿なマネを!! おいっ!! そんな事をしたらあんたも吸血鬼化しちまうぞ!! 止めさせるんだ!!
J:ううん・・・・いいんだ・・・・ナオミさん、これもアタシの責任・・・さ、サヤたん?

ガブッ!!

 

J:うっ!!                                                                   サ:グぅぅぅぅ・・・ (ズル・ジュルルル・・・・)
ナ:ちっ、とうとうやっちまった。 おい、臾魅、二人とも始末するぞ。             臾:ちょい待ち、アミさん、ドンのヤツ様子おかしいで??

驍:やはり・・・・・・足りない血を補えば、どうにかなると思ったが。
ナ:なにッ?! でも、今、血を吸われたヤツ。                                   驍:あぁ、彼女なら大丈夫だよ、見てみな

ナ:ほ、本当だ・・・一体こりゃどういうことなんだ??                                驍:ま、とりあえずは、これで済んだってことさ

サ:うっ、うぅ・・・・(ハッ!) おいっ! Joka! しっかりしろ! あぁ、なんてことを・・・オレを元に戻すために・・・・すまねぇ。
J:き・・・気が付いたんだね。 サヤたん、これで大丈夫だよ・・・・へへ・・・アタシ・・・ちょ・・・・っと・・・・疲れ・・・・・・
サ:おいっ! Joka! 気をしっかり持て!! おいっ!

 

驍:暫くそっとしといてやれ・・・、疲れてるんだ・・・
サ:なんだと?? これが心配せずにいられるかってんだ!! こいつ・・・・オレを元に戻す為に血を吸われやがって・・・バカヤロウが・・・・・
驍:仕方ないよ。 彼女・・・・昨日、今日と走りっぱなしだったもんなぁ、疲れないほうが無理と言うもんさ。
  それに、見てみなよ、可愛い寝息立ててるじゃないか。
J:すぅ〜〜――すぅ〜〜――

 

ナ:こ、これは・・・・一体?? どういうこと?? (吸血鬼化しないなんて・・・)
驍:ま、見た通りの事だよ、余り深く考えない事だね、一晩明ければ、普通に戻っているよ。

 

 

 

 

 

 

 

(さて、激動の夜が明け)
お:ふ・・・・・あ〜ぁ・・・・、よく寝ましたわね。 あら、ステラさん、いつの間に??
ス:あぁ、昨晩ついたばっかでね。 それに、婀陀那っち、大事なくってよかったよ。
お:そうですのよ。 何でも、素晴らしく腕の立つ先生がいて下さって・・・・・・あら? そちらの方は・・・・

ナ:はっ! 県警本部、捜査一課の『ナオミ=アミテージ』と申します。 つかぬ事をお聞きしますが、こちらの方が、子供さんをお救い申し上げた方ですね。
  家族の方より、感謝の意が参っておりますので、それをお伝えに参上した次第でございます。                         それでは・・・・・。
お:あ・・・・これはどうも・・・(よかったわね、婀陀那ちゃん)

(そして、ナオミを見送るステラ・・・院内玄関口にて)
ス:しっかし・・・うまくごまかしたもんだよなぁ・・・・ “捜査一課”だなんて。
ナ:ふふっ、別にごまかしちゃあいないさ。 今、アタシは本当に県警の捜査一課の警部なんだ。
ス:へっえ〜〜、そなんだ。
ナ:ま、こんななりはしちゃあいるけど、また何かあったら連絡でもしてくれ、そんときゃ喜んで協力させてもらうから。
ス:悪いなぁ・・・・ナオちゃん。                                                    ナ:いいって事だよ、タケ坊・・・・

 

――了――

 

 




まえ                                         あと