<その・・・後日談>

 

 

ある日の 蜆亭 ・・・・にて

 

 

配:ちはーッす!お荷物届きましたんで、ハンコお願いしまーッす。

 

瀬:(ここ(蜆亭)の女将、名を・・・  瀬戸亜沙華 ・・・よぅくこの名を覚えといて下さい。)

  はいはい、あら・・・何かしら?これ・・・。  あっ、ドーモ、ご苦労さん(ぽんっ!)

 

配:まいど、どうもー!

 

 

瀬:(どうも〜〜) ふぅ〜〜ん・・・誰からのなの?これ。  ん??森野家・・・?

  う゛〜〜ん・・・・あの人が私を抱きこもうって事は考えられないし・・・・もしかして、婀陀那ちゃん?? ・・・に、してはちょっと大きすぎるようだし・・・

  しかも、ワレモノ注意だもんねぇ・・・。 ま、うだうだ考えててもしゃあないか、開けてみましょう・・・。

 

 

(ここの御大、瀬戸亜沙華、この大きな荷をいぶかしんでみるも、この送り主は、森野家となっているし、『ビッグ3』の一つではあるので、

別段怨みの線(つまりは嫌がらせ)ではなかろうと踏み、この箱の封を開けてみることにしたのです。

すると、そこには・・・?)

 

パ  カ ・ ・ ・ ・

 

瀬:(おおっ!) まあぁ・・・こ、これは・・・・古信楽の水桶!!?

・・・・・・・・・・・・。(くんくん)

    ・・・・・・・・・・・。(コンコン)

    ・・・・・・・・・・・。(ペタペタ)

・・・・・・・・・・・・。(んじぃぃ)

 

瀬:ま・・・間違いない・・・・ホンモンだわ、これ・・・。(キラキラ) でも・・・・あれ?だったらこんなご大層なもの・・・・森野の誰が・・・?

ふぅ〜〜ん・・・これはちょいと調べてみる必要がありそうよねぇぇ・・・。(にんまり)

 

 

(そ〜〜う、なんと、この御仁の元に送られてきたのは、本編での、あの『みろく堂』の、水桶だったのです。

でも、瀬戸さんもさるもの、よもや紛(まが)い物では?と、思い色々試してはみたのですが、どうやらこれは紛れもなき 真物 だったようです。

 

それゆえか、半分は大喜びするものの、もう半分は心当たりのない善意に、どことなく思案顔のようで、ご自分のところの情報部を動かせるようです。

そして・・・?)

 

 

瀬:へぇ〜〜これ、あの『みろく堂』の・・・?

静:(神楽坂静音:瀬戸直属の情報部員、別名『静かなる女』・・・。)

・・・・・・はい。

 

瀬:で、それを森野の公主が購入した・・・と?しかもロハで。

静:・・・・・・・・はい。

 

瀬:ふぅぅ〜〜ん・・・・(ぷっかぁ〜〜)(←煙管(きせる)をふかしておりまつ)

 

ス・・・・・

コ――ン!                         コ――ン!

ぽと                               じゅぅぅ・・・

 

瀬:あの子・・・どういう魂胆か知らないけど・・・一応聞いて見る必要がありそうよねぇぇ。(ニヤリ)

 

 

(なんと・・・・物の数分と経たないうちに、その出所(でどころ)から、あの時婀陀那(ステラ)が購入した・・・ということまで突き止めたようです。

そして・・・・?)

 

プルルルル・・・・・プルルルル・・・・

 

婀:はい、もしもし森野であり・・・・(ぅげっ!!) せ・・・・っ、瀬戸・・・・様・・・。

 

瀬:あぁ〜〜ら、ご無沙汰振りねぇ、公主婀陀那さん。

 

婀:(う゛っ!! この・・・・丁寧な物言い・・・何か裏があるな??) あ、あの・・・何の御用でございましょうか?

 

瀬:(あら、この子・・・・妙に余所余所しいわねぇ。) ええ・・・・ちょっとね・・・今日届いたブツの件なんだけども・・・・

 

婀:(今日?届いた・・・・ブツ??)  ・・・・・・ああ、あの件(くだん)の水桶にございますか・・・・それが・・・何か?

 

瀬:あなたねぇ―――――

婀:(ギクッ!) は・・・・はい・・・?

 

瀬:随分いい目を持ってるじゃあなぁい?と、思ってね・・・・いまお礼してるとこなのよ。

婀:(え・・・・?!)い、いえ!それには及びませぬよ。 ただ、妾は社主殿と一緒に・・・・

 

瀬:ええっ?!!私が聞いているのには、あなた、柾木さんと一緒に『みろく』に入ってたそうじゃないの・・・・

 

婀:(ドッ・ギッ・クゥゥッ!!)

  あ・・・・・っ、あぁ・・・い、いえ・・・・ですから・・・わ、妾達は社主殿の意向を受けて、姐上と一緒に『みろく』に行ったまででして・・・・

 

瀬:ふぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん

 

婀:(いっ、いかんっ!!ヒッジョ〜〜にまずいッ! 敵は完全にこちらを疑ってかかっておる・・・・・!!)

 

瀬:あっ・・・そう、じゃあ、これ、あの子の見立て・・・と、言うことで良いわけなのね?

 

婀:へっ?!えっ??! あ・・・・え、ええ、そう・・・・そうでありますよ、全くもって驍様もモノを見る目が・・・・

瀬:フゥ〜〜ン、やっぱし、あんた達の会社の責任者・・・って、杜下の坊やの事だったんだ・・・。

 

婀:へっっ??!(^フ^ll;;) (は・・・・ぁ・・・・し、しまった!!つ、ついうっかり・・・つられてしもうたぁぁ〜〜ッ!!)

  あっ・・・あの・・・せ、瀬戸様??

 

瀬:どうもありがと♡ 貴重な情報、あなたから直接聞いて、今回のこの善意、誰からのものなのか、ようやくはっきりしたわ・・・じゃネ――。(ガチャリ)

 

婀:・・・・・・。(゜ロ゜ll;;)  も・・・・申し訳ありませぬぅぅ〜〜・・・驍様。(ガクリ)

 

 

(なんともまぁ・・・婀陀那さん、痛くもない腹を探られまくり、つい、うっかり、とても重要な事をペロッ・・・と喋ってしまったみたいです。

 

そして、数週間が経ち・・・ステラのアパートに、一通の郵便物(しかも宛名送り先一切なし・・・・(゜゜;;)が届いたようで・・・)

 

 

ス:(オヤ・・・・)  ふぅぅ〜〜ん・・・なんじゃろかね?これ・・・・なんも書いてない真っ白な封筒・・・・って・・・。(ペリ)

 

・・・・・・・・。 こ・・・・っ、この筆跡・・・鬼からでわないデスか・・・・・って、しかも、真っ白で、ワシんとこに直(ちょく)で入ってて・・・・

  これ開けちまったってこたぁ・・・・・ワシに蜆に来いって事ですかい??

 

・・・・まあ・・・・別段ヤマしい事ァしてるわけじゃあないんだし・・・・行ってみますか。

 

 

(ステラ・・・まんまと、瀬戸の弄した策にはまっちゃったみたいでして・・・・。

でも・・・まぁ・・・自分悪いコトなんかしてないわけだし、気にしなぁ〜い、気にしない!  と、いうことで、一路蜆亭へ・・・。)

 

<菊の間にて・・・>

 

(なんと・・・ここの総責任者『女将』瀬戸自らが、ステラにお酌をしているよーデス。)

 

 

瀬:ささ・・・・まぁ一献・・・。(カチャ・・・)

ス:(おととと・・・) あーども。(クイッ!)  かぁ〜〜っ!!いいっス! まっこと 銘酒大吟醸『灘桜』わッ!!

 

瀬:ふふ〜〜ん・・・これ、君に・・・ってコトで、わざわざ取り寄せてあげたのよぉん?♡

 

ス:えっ??!あーいゃあーそら―悪いっすねぇ?瀬戸さん。(クイッ!)

・・・で?ワシに・・・だけこんなおもてなしすんの・・・って、どうゅう了見から・・・っすかぁ?

 

瀬:うっうぅ〜〜ン♡きま〜ってるぢゃあなぁいのッ!! あなたはゆくゆくは、杜下の御当主様。

  やもすれば、ここの大事な大お得意様にもなるんだからねぇぇ〜〜?(ぅいーんくっ〜♡)

 

ス:はぁ〜〜ん・・・でもデスねぇ・・・瀬戸さん・・・ワシぁ、あの家継ぐ気はさらさら・・・

 

瀬:あぁ・・・っと、ほらほらクイッといって!クイッと!!(カチャ・・・)

 

ス:おっとと・・・・(じゅる・・・) ぱほぉぁ〜〜・・・ん゛〜〜いいっス!!

 

 

瀬:ところでねぇぇ・・・あの水桶の事なんだけどさぁー・・・。

ス:へぇ・・・水・・・桶っすかァ?(ぃックッ!)

 

瀬:アレ・・・・君のお見立て・・・なんでしょう?

ス:え?へぇっ??!  あ〜〜〜あ〜〜〜まぁ、そうでっしよねぇぇ・・・・。(ひぃっク!)

  んなタイソーなもの・・・蔵で朽ちてちゃ〜〜かはいそーとおもひッ! この・・・ステラ様がッ!!お救いした・・・ってワケでさぁよ・・・・っと。(グビ)

 

瀬:ふぅぅ〜〜ん・・・やっぱりねぇぇ・・・。  ありがと、お礼を言わさせてもらうわ。

ス:でへへっ・・・いいんすよ、別に・・・。

  変なヤツの手アカ、目アカがついちまって穢れるよか・・・ここでつこてもらえた方が、あいつにとっても、いっちいいもんじゃあないかねぇ・・・

と、思っちったりなんかして〜〜!(グイッ!)  ぷっひゃあぁ〜〜!

 

 

瀬:フフフ、じゃあさ・・・せめてものお礼・・・・って事で、この瀬戸が出来る事・・・ってないもんかしら??

ス:ひゃひゃ・・・瀬戸しゃん、そんなに律儀にならいでも・・・・(うィッくっ!)

 

瀬:いいから、させて頂けない?

 

ス:ん゛―――――あ゛―――――――・・・・そいやぁ、今ワシらが入ってるビルありまっしよねぇ・・・。(グイッ!)

  あすこ・・・もう築40年くらい経つ・・・・っつってるから、傷みがヒデーって他のもんからの苦情があるんですわ・・・(ひっくッ!)

 

瀬:へぇぇ〜〜〜〜。(ニヤ・・・)

 

ス:そこで・・・っすね?(グビッ!) どこかしら・・・・・の、業者に任せよーって話が持ち上がったんすけど・・・・(グビッ!)

  見積もってもらったら、これがまたえらいとられるらしくってねぇ・・・その話、ポシャッた事もありましたっけねぇ・・・。(ぃッくっ!)

 

瀬:ふぅぅ〜〜〜ん・・・・そう・・・・そうだったの・・・。  あら、もう切れちゃったみたいね??

 

  お――い!ちょいとー!お静さぁーん!  ここ、もう一升・・・・いや二升ほど追加してぇ〜〜?!!

  さぁ〜〜て・・・今夜は、二人してガンガン!とことん!飲(や)りまくりましょ〜〜う・・・・ねっ??!♡

 

 

(なんとも・・・・好物の日本酒が入って、気分が良くなってるせいなのか・・・・次から次へと、この男も話さなくてもいいような事を、喋ってしまったようでつ。

 

・・・に、しても・・・この女将――瀬戸。 お酒勧めるの上手いっしよねぇぇ〜〜。(変なトコ感心するなって??(^^;;)ごもっとも・・・(― ―;;)

この後・・・・なんか大変な事に、ならなけりゃいいんですけどもねぇ?(^^;;)

 

 

 

 

 

 

 

――――了――――

 

 

 

 

 

 

 

あと