<捌>
(その翌朝・・・、ひとしきり泣き、そして泣き疲れたのか、泪の痕(あと)もそのままに、ギルドに寝付いてしまった、コみゅちゃんの姿が見えます。
そして、外は・・・梅雨の間の、僅かな晴れ間が・・・顔を覗かせているようです・・・。)
コ:(う、・・・う〜〜ん・・・)あ・・・っ、あたし・・・眠っちゃってたんだ・・・。
ゴメンね、ミィ・・・。(くしくし)
婀:おお、コみゅ殿。 どうやらお目覚めのようですな?
コ:えっ?!あ・・・っ、婀陀那さん・・・。
あの・・・昨日からここに?
婀:うむ、流石にお主を一人にしては、帰れなかったでのう・・・。
コ:どうも・・・済みませんみゅ。
婀:何、コみゅ殿が謝られる事、ではありませぬよ。
それより、お気の毒じゃったな? 女禍様には、女禍様なりのお考えがあったとはいえ・・・。
コ:分かってますみゅ・・・。
でも・・・本当に、これでよかったかと、今でも思うんですみゅ。
婀:・・・・・・・・。
(やはり・・・この判断は、幼いコみゅにとっては、まだまだ無理があったようです。
しかし・・・丁度ここで・・・)
J:おっはよ〜〜ごぜぇまぁ〜〜ッす!
コ:あ・・・っ、Jokaさま。
婀:Joka殿・・・・。
J:おっ!ちょ〜どいいとこに、お二人揃っていたみたいだぁ〜〜にゃ。
っつーよりか、チミらここにお泊りしたんにゃ?
婀:えっ?!は・・・はい、そうでありますが・・・?
J:ふぅ〜〜ン、そっか・・・んじゃま、行きましょか?
婀:・・・・・どこへ??
J:どこへ・・・って、そりゃ〜〜あの仔の供養あげに。
コ:え・・・・っ、あの仔・・・って、ミィの??!
J:ウン・・・・やっぱしね? あたしも、悪い事しちったかなぁ・・・って、反省したんにゃそよ。
(そう、Jokaさん、少しは大人気(おとなげ)ないと思い、それと・・・コみゅのためを思って、あの仔猫の塚を造るようです。
では、一体どこへ・・・? それは・・・彼女の・・・・コみゅ自身の社、『最上稲荷神社』に・・・・。)
コ:あ・・・・っ!ミィの・・・・お墓。
J:これで・・・こんなんで、許してもらおうとは思ってないけど・・・。
とりあえずは、これでカンベンしといてよ・・・ね?
コ:・・・・・・はい、女禍様・・・・。
婀:・・・・・。(フッ)
(そして、彼女達三人は、この仔猫に向け、静かに手を合わせたそうです・・・・。)
この・・・・
哀しき雨音は・・・
誰が爲に流した
泪の雨か・・・
余人には
与り知る事の
出来ないもの・・・
だったようです・・・。
――――了――――