<参>
(でも・・・今回の、それは・・・・白いご飯に、お味噌汁、そしてお漬物に、ジャガイモの煮物・・・・と、
まことにシンプルながらも、お味のほうは バッチグー!☆ な、ものを頂いていたのであります。
さて――――自分も、ようやく食べ終わり、お片づけをするために、食器を台所に持ってきた――――
その、彼女の目に飛び込んできた モノ とは・・・・?)
お:さてと・・・・洗物でもしましょうか・・・・(って) あら?な、なんでしょうか?この釜・・・
(そう――――そこには、使い古された、 鉄の釜 が一つ―――)
お:(この釜――――) 確か・・・・あの時(精神が入れ替わった時)にも、あったような―――
あの人・・・・お風呂から上がったら、聞いてみましょうか。
(そして、ステラが、風呂から上がったところへ――――)
ス:はぁ〜〜―――実にいい風呂でやんしたねぇ〜〜♪
(って)・・・・ありゃ、ど―――したんでやんす? ひぃちゃん、また眉間にシワヨセちって・・・・
お:(シワヨセだけ、余計ですわよ・・・)
それより、わたくし、以前より一つ聞きたい事があったんです―――
ス:ふぅ〜〜ん、で?
お:この・・・・今日のご飯、一体ナニで炊かれたのです?
以前に―――あなたと、わたくしは、精神が入れ替わった時がございましたけど・・・
あの時は、炊飯器もなくて、真に、往生したのですよ?
ス:でも・・・・喰うには困らなかったんでしょ?
お:え?ま・・・まあ・・・近くのコンビニで、お弁当を買い求めましたから・・・(仕方なく・・・)
ス:はぁぁ〜〜〜ん・・・・ど―――りで・・・ゴミ袋の弁当の空箱と、お店の店長、妙にワシに色目つこてたの、これで合点がいったわけだ・・・・
お:(はあ?) あの・・・それより、答えて頂けません?
今日のお夕飯、ご飯が出てましたけど・・・新しく、炊飯器お買い求めになったのでしょう?
ス:炊飯器・・・ねぇ〜――――ま、ようござんしょ・・・・。
(と・・・、ここでステラ、台所に行き、とあるモノを持ってきたのです。 それは、なんと、あの・・・・)
お:あ・・・あの・・・それは!!?(あの、鉄の釜??)
ス:そうでやんすよ、晴れ・褻(け)を問わず、ワシんとこでは、飯の類は、全てこれで炊いてんの。
それに、この飯炊き釜は、よう使い込まれてるんでやんすからねぇ。
お:そ・・・そう・・・。
で、でも、こんなのより、炊飯器のほうが、ずっと便利でありませんこと?
それに・・・・こっちのほうが、不便・不自由ですわよ・・・・絶対。
ス:不便?不自由?? なして、そりゃまた・・・
お:だ、だってそうでしょう?? 火加減とか、吹き零(こぼ)れないよう、ずっとこれに付きっ切りで・・・
それに比べ、炊飯器でしたら、ボタン一つで、五分かそこらで出来ますのよ??
ス:はぁ〜〜――――ケチやねぇ、ひぃちゃん。
お:(は・・・) はああ゛?!# け、けち・・・って、あ―――た、そりゃいったい、どぉういう!##
それに、ケチって言われるのでしたら、こっちの釜のほうが、よほどケチではありませんコトっ?!!#
ス:まぁ―――まぁ―――そない目くじらたていでも・・・そいよか、明日の朝も早いんですけぃね、早めに風呂入って、寝てくだせぇ。
喧嘩なら、また後日に、ゆ――――っくりとでけますけぇ・・・・・ ふぁ〜〜〜〜あ・・・ ふんじゃ、おやしみ〜〜。
お:ふぅん・・・ぬ怒怒゛!!# ンもうっ!# なんなんですか!あの言い方!## こんなんだから――――
・・・・明日・・・瀬戸様に、直訴して、外してもらうよう、言わなければッ!!#
(なぁ〜〜にが腹立だしい・・・って、折角自分が、いい方法を教えてやったのに、
それを、無下にも、“ケチ”と言われたのが、そ――と―――に、頭に来たようでして・・・・
それはともかく、一夜明けた次の日――――)
お:(すぅ〜〜――――) うっ・・・うぅ〜〜・・・・ん・・・・(むにゅむにゅ・・・)
・・・・・・はっ!!(と、時計!!) は・・・・(なぁンだ・・・・まだ7時・・・) は・・・・ぁ・・・・・(すぅぅ・・・・)
・・・・・え゛っ?!(がばっ!!) え・・・え゛え゛え゛っ??!し・・・7時ぃ??!
あぁ・・・・っ、い、いけない・・・・どうしましょう!!(わたわた・・・)
お・・・・おかしいですわね・・・ね、寝る前に、ちゃんと6時30分に、セットしておいたはずなのに・・・(あせあせ)
あぁ・・・・ッ!ど、どうも申し訳ごじゃいませぇぇ〜〜ン! ネ、寝坊してしまい・・・(あ・・・)
お・・・起きて・・・・いらしたのです・・・ね?
ス:・・・・遅かったね、ほれ・・・さっさと、顔洗ってきな。
お:あ・・・は、はい・・・。
ど・・・どうも・・・わ、わたくしとも、あろう者が・・・壊れた目覚まし、持ってきてしまったみたいで・・・・
ス:ああ――――あれね・・・・ワシが、寝る前に、止めといたの。
お:は・・・はああ゛?! な、なんで、そおゆう事をすんですのっ?!
ス:ああ、一つ言い忘れといたけど・・・うちは、目覚まし不許可だから。
お:へ―――?ど・・・どして・・・
ス:だぁいたいねぇ、そんなもんで、目が覚めた日にゃ、おィさん、一ん日キゲンが、悪りいっしから。
それにねぇ、このアパートに住み着いてんの、ワシだけじゃないっしから。
他の人のメーワク・・・っちゅうもんを、考えてもらわんと――――。
お:は・・・あ・・・ わ、分かりました・・・。
ス:そぃよか、早うせんと、遅刻しますでよ? こちとら、ひぃちゃん起きるの、待ってたんだから・・・
お:あ・・・は、はい・・・どうも済みません・・・・・。
(おひぃさん、お寝坊した手前もあるので、ここは大人しく、ステラの言う事に従って、洗顔と、着替えを済まし、食膳へ・・・・
すると―――そこには――――)
お:(は・・・あ・・・あ―――)
ス:そいじゃ、頂きましょ―――。
―――今日のお献立<朝>―――
○しろご飯
○お味噌汁
○お漬物
○味付け海苔
(そう・・・そこには、おひぃさんが、いつも自分で作っているものと、そう、代わりのないものが・・・
でも――――)
お:・・・・・・。(ゴク・・・リ)
ス:(ぅん・・・?) ど―――かしたんですかぃ? まさか、食欲ねえんじゃ・・・
お:い・・・いえ、違います。
あの・・・その・・・なんといいますか・・・その―――つ、つい見とれてしまいましたの・・・
ス:・・・・・・。
お:この―――朝のお献立―――いつも、わたくしが作って食べているものと、そう代わり映えがしない・・・っていうのに・・・
そ、それなのに・・・こちらの方が・・・お漬物のきゅうりが・・・お味噌汁が・・・
それに、何より、この白いご飯が・・・・! キラキラと・・・・輝いているんですもの・・・
ス:ふぅぅ〜〜〜ん、どうでもいいっスけど、早う食べんと、遅刻しますでよ。
お:あ・・・ど、どうも済みません・・・。 では・・・頂きます・・・・(ぱくっ)
んんん・・・・・
お い ち ぃ ぃ 〜 〜 〜 〜 っ !!
こぉの・・・ご飯の炊き加減に、お漬物のきゅうりの、相性ときたら!! ・・・・・。(じゅる・・・)そぉれに、このお味噌汁も!!!
あの・・・お代わりいただけますぅ・・・・?
ス:へぃへぃ。
お:あぁ――――っ、ご飯が、こんなにおいしいだけで・・・なぁんて、倖せなんでしょ・・・あたくち・・・。(んぐんぐ)
お米の良し悪しだけでは、とてもこうはなりませんよねぇ? さぞや炊き方のほ・・・・(ハッッ!!)
ス:――――そ、ようやくお気づきになりやしたかい。
ひぃちゃんが、昨日言ってたところの、―――“不自由”で“ケチ臭い”“不便”な、あの『飯炊き釜』で、炊いただけ―――なんすよ。
スイッチ・ポン―――☆ で、炊ける便利さと・・・釜に付きっ切りの不自由―――贅沢なのは、どっちなんでやんしょかねぇ――――
お:・・・・・。
(まさに、グゥの音の出なかった・・・とは、この事のようで。
そして、このとき、大女将である瀬戸さんが、“この男のトコに泊まりこめ”といった、その真意も、ようやくにして分かったようであります。)
―――了―――