<肆>

 

ナ:おいっ! 警察だ!!  そこのお前! 大人しくしろ!!

サ:な・・・ッ、ナオ! お前・・・どーして??

 

ナ:・・・・誰かは知らんが、数時間前に、匿名名義で

 『教会が悪魔に襲われる!!』 って通報してきたヤツがいたらしくってな・・・・。

  初めは取り合わなかったんだが・・・、

先程この地域に磁場の異常が認められる・・・って、科捜から連絡が入ってきちまって・・・

  それでここに来た・・・・ってんだが・・・・。

どーなっちまってんだ?  こりゃ・・・・半端じゃないじゃないか・・・。

 

婀:(“匿名”・・・“名義”?  まさか・・・! 女禍様!!?)

 

 

サ:ちっ・・・・まぁいい、とりあえず・・・・・仕掛けるぞ!!

臾:わーかってまっさ!!

ナ:くっ! しょうがねぇ!!

 

マ:言っておくが・・・・報酬は出んぞ・・・。

 

サ:バカヤロウ! 向こうからお出ましになってンのに、ほっとく手があるかよ!!

マ:まっ、好きにするんだな、私は手を出さんよ・・・。

サ:勝手にしろいっ!!(チッ!)

 

お:あなた・・・本当に“元締め”・・・いえ、『セイバー』と呼ばれていたんですの?

マ:うん? まぁ・・・“元”だがね・・・。

 

お:そうですか・・・わたくしは、はっきり言ってあなたを見損ないましたわ。

  婀陀那ちゃん、Jokaちゃん、ステラさん、わたくしたちも加勢に参りますわよ??

婀:ははっ! 姐上の仰せのままに!!

J:らじゃ〜〜

ス:い゛い゛〜〜ワシ、痛いの苦手なんよね〜〜。

 

コ:あたしも頑張るみゅんっ!(ふんっ!)

お:コみゅちゃん、あなたは乃亜ちゃんを護ってあげてね?

コ:はいみゅんッ!

 

サ:スマねぇな! お前ら!!

ス:なぁ〜〜に、困ったときはお互い様よ。

 

ト:フッフッフッ、うつけどもが・・・ワレの真の姿を見て恐怖するがいいわ!

ズオオォォォ!!

 

J:うっひゃぁ〜〜ん、なんて巨っかい(でっかい)にゃそか!!

 

ナ:へッ!ただでかけりゃいいってなもんじゃないぜっ?!

  喰らいなッ! 『爆裂弾』!!             な・・・っ?! い、いない・・・

 

サ:あぶねぇ! ナオ! 後ろだ!!                                       ナ:な・・・なにっ?!

ト:うわっはっは! 遅いわぁ!!

ドカァッ!

 

ナ:うぐわぁっ!!

サ:おのれぇ〜〜ッ! 出ろ! 『魔忌利』!!       喰らえ〜〜ッ!  『忌怨斬』!!

ブオオォォン!

  なに・・・・(しまった・・・)か、影・・・。

ト:ふはは! ぬるいわ!!

ガシッ!     ドガシャアッ!!

サ:ぐわぁぁッ!

 

臾:あっ・・・! ドン! アミさん!!

  くぉのぉ〜〜!!  『焔魔焦熱拳』!!   よっしゃ! やったでー?!

 

お:(はッ! 臾魅さんの背後の影が二つ・・・??!)

 いけません! 臾魅さん、油断をしては・・・!! (間に合う??)

 

臾:え・・っ?! なんや・・・・・・?(はっ!!)  (と、殺られる・・・)

ト:フはは! 後ろががら空きだ! 死ねいっ!

バチイィィン・・・・パリ・・・パリッ・・・

  な・・・なにぃっ!?

 

お:うっ・・・くッ!(い、一応間に合ったけれど・・・)

臾:あっ・・・ひぃさん、いつも・・・すんまヘン!

お:い、いいのですよ・・・。 で、でも・・・抑えるのが精一杯なんて・・・・。

 

婀:姐上・・・お辛いようなら、妾が力を貸して差し上げましょう・・・。

お:婀陀那ちゃん・・・ありがとう・・・。

婀:いいえ、この程度の事、お安い事でございますよ。 それでは、参りますぞ!!

お:はいっ!!

 

 

 

マ:(ほぅ・・・あの二人、封印術が使えるのか・・・) で、あの男の方は・・・?

  おや・・・あの男のあの位置・・・成る程、殿(しんがり)と言う事か・・・。   ふむ・・・。

 

 

 

J:いっくぞぉぉ〜〜〜ッ! そォれッ!          『昇華連撃』!

  う゛〜〜ん・・・手応えぜぇんっぜんないんだよなぁ・・・。

ト:当たり前だ!! お前のようなチビスケの、なまくら剣法が効くはずもなかろうっ!!

J:うっにゃぁ〜〜〜ン! チビすけいうなーッ! ぷーっ!!

ト:バカメ! お前のようなの、いちいち相手にしてられるかぁっ!  退けェいっ!

バキィッ!

 

J:ああぁぁぁっ・・・

 

(Joka、体が小さく、体重も軽いせいか、教会に据えられているマリア像の袂まで弾き飛ばされる、そして・・・)

 

J:あうっ・・・・(ガク)

 

サ:あっ!! Joka!!                               お:Jokaちゃん!!    

臾:Jokaはんっ!                                    ナ:あ・・・・あいつ・・・・

コ:Jokaさぁ〜〜んっ!!

 

 

(頭の打ち所が悪かったのか、Jokaそのまま気を失ってしまいます。

ですが、その後すぐに乃亜ちゃんが、とある異常をいち早く察したのであります。)

 

乃:・・・・(ん?)あ・・・・あぁ・・・・。

コ:ん? どうしたみゅ? 乃亜・・・。

 

乃:・・・・お、おねぃちゃん・・・あれ・・。

コ:え? あ・・・ああ! マ、マリア様から・・・・ユーレイみゅ!!

 

 

(そう、その異常とは、マリア様から出てきた半透明の物体。

しかし、白くぼんやり・・・とではなく、像がぼやけた類の、

そう、例えるなら『立体映像』(ホロ・グラフィ)のような・・・)

 

サ:な・・・なんだと?

お:何です? これは・・・!!?

臾:うっわぁ〜〜なんかまたややっこしぃのが・・・。

 

(しかし、この半透明の物体、よく見れば、古代中国の皇帝の服に、頭には羽飾りの冠を頂いているようです。

そして、その物体の申すには・・・・)

 

婀:(女禍様・・・)

女:ふふふ・・・・お久しいですね、最後にあなたを見たのは5,000年ぐらい前・・・・だったかしら?

  肉体を失い、魂だけの存在となったあなたが、7年前に見つけた依り代の居心地はどう?  シホ=マクドガル・・・・。

  それより、昔どおり、こう呼んだほうがよろしいかしら・・・?

魔皇『ソロン』!!

 

お:(な、なんで・・・・すって・・・??!)

臾:(なんやて〜〜? 元締めが・・・あのソロン??!)

ナ:(な・・・・何を・・・・莫迦な事を・・・・)

サ:(7年前・・・・だと?)

 

マ:ふっ・・・・ふぁはははは! 何をいきなり言い出すかと思えば・・・。

  この私がおとぎ話に出てくる『魔皇 ソロン』だとは!!

 

  あぁ、おかしい! そうは思わんかね!?  それに、一体そんな証拠がどこにあるとでも?

 

臾:せやねんで? なしてうちらの元締めが、ソロンやらなあかんのん?

サ:・・・・・・・。

ナ:どうしたんだ? サヤ、何か気になる事でもあるのか?

 

サ:なぁ、ナオよ・・・、お前、忘れちまったのか? 7年前あいつが血だらけになって戻って来た時の事を・・・・。

ナ:あ、あの時か?!

 

サ:あぁ・・・、瀕死の重傷を負っていたはずのあいつが翌日には全快をしていた。

  このオレのような『ヴァンパイア』でもないのにな。  それに、何か妙な違和感があったのも事実だ。

  普段の一挙一動はそうでもないのに、何かが微妙に違っていたんだ・・・。

 

ナ:あっ・・・あぁ、そう・・・・だったな・・・・。

 

臾:へ? ビミョーって何ですのん? ひょっとして、ゼニゲバなとこでっか??

サ:いや、そいつは元からだったが、あの時から一層ひどくはなっていたなぁ・・・。

 

 

ト:ぬえぇぇい! ごちゃごちゃとうるさいわぁ!  そこのお前もだあぁ! 失せろ!

ブン・・・・             スゥ・・・

  な、なにぃ?!

 

女:ふふ・・・、何を驚いているのです?  精神体 に物理攻撃は無用!

 まさか、それを知らないあなたではありますまいに。

 

 

コ:Jokaさん! Jokaさん! 大丈夫みゅ??!(ゆさゆさ)

乃:・・・・大丈夫みぅ?・・・・。

 

ト:ふんっ! ならば、こいつらから先に始末してやるわぁ!!

 

 

(魔界の者トラヤヌスが向かった先には、コみゅと乃亜がいたのです。 が、しかし・・・)

 

婀:危ない! コみゅ殿! 乃亜殿!!

マ:何ィッ! (くわぁッ!)

ガッ!!

(目を見開くと共に、宙を掴むシホ=マクドガル、すると・・・トラヤヌスが宙に浮いたまま停止するという奇妙な状態になり・・・)

 

臾:ああっ! 開かん元締めの目が!!

ナ:(開いた・・・)な、何っ?!

サ:なんだ・・・・あの目は??!

 

 

女:ふふっ・・・、 “冥き眼に宿りし炎の瞳” とうとう見せてしまいましたね・・・あなたがあなたである唯一の証拠・・・・。

 

マ:(ジロ・・・)  むうんッ!

漆黒の闇に生まれし灼熱の槍よ、射て

『ファイアー・ランス』!

 

氷雪を束ねし白銀の刃よ、全てを切り刻め

『フロスト・ベイト』!

 

切り裂くものよ出でい

『スクリーミング・スレイヤー』!

 

地より出でし魂の裂動よ、雷となりて其を打ち滅ぼせ

『ローザース・ウィプス』!

 

其は忌むべきにして、偽印の使徒、漆黒の闇に還れ、招かれざる者よ

『セラフィック・ローサイト』!

 

(全76HIT中(^^;;A)

 

 

お:あ・・・・あぁ・・・あの・・・魔法の数々・・・・。

婀:全てが『古(いにしえ)の秘術』とは・・・、これが “セイバー” の実力?? それとも・・・・?

 

マ:無論・・・この者の実力だ。

  に、しても実にお久しいですな、女禍様。

 

私はてっきり神界で隠居されていると思っておりましたが・・・。

(そういいつつも、乃亜達に歩み寄るシホ)

 

女:私が・・・ここにいるのはほんの気まぐれでしかありません。

  それにしても変わりましたね・・・。

かつては魔界にその人ありといわれたあなたが・・・・。

 

マ:すまなかったね・・・怖い思いをしたかい?  よしよし、もう大丈夫だよ。

  ふ・・・っ、そのお話はいづれ、ゆっくりとする事にいたしましょう、では・・・・。

スッ・・・・

(ここでシホ、目をつむる)

 

女:ふふ・・・・そうですね、いづれまた・・・。

スッ・・・

(そういいつつ消える・・・)

 

 

マ:(・・・・そうか、アレがここに・・・)

 ・・・・・うんっ?! どうしたんだ? お前達。

  怪訝そうな顔に身構えたりしおって。

 

サ:お、お前・・・・本当に、あの『ソロン』なのか?

マ:あぁ、今見たとおりだが?

 

(ここで気を失っていたJoka目を醒ます)

J:うっ・・・う〜〜ん、あいたた・・・・しくじっちゃったなぁ・・・・。(ポリポリ)

  ありゃ? どしたにゃそか?!  皆さんでシホさん取り囲んで・・・・・って・・・・

あ゛〜〜〜っ!!

き・・・教会が・・・・メッ茶めちゃだ〜〜!!

 

乃:・・・・・・ホントみぅ・・。

臾:そーら、アレだけ凹にすりゃー当然やんなぁ?

 

マ:あ゛(ひゅ〜〜〜)

 

 

お:まぁ・・・自業自得というやつですよねぇ?

婀:それも、そうですなぁ・・・。

 

サ:しゃあねぇな。 ま、オレらも助かったって事だし、この事は不問にしといてやるよ。

ス:さてと、ほんじゃ帰って飯にでもするかね。

コ:さんせ〜〜い! みゅ

 

 

乃:・・・・・・頑張って・・・・元気を出してみぅ・・・・。(あ・・・灰になっちゃったみぅ)

マ:あ゛う゛

 

 

 

 

―――――了―――――

 

 

 

 

あと