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(そして、その日の夕刻・・・・)

少女:あ・・・・、あの・・・、どうしても行ってしまわれるのですか・・・・?

ア:うん?あぁ、それに、私がここにいるとロクでもないことが起こってしまうからな・・・。

  早々に立ち去らせてもらうよ・・・。

  それじゃ・・・・。

少女:・・・・・・・・・って・・・・。

ア:うんっ?!何か言ったかい?

少女:あの・・・、私も連れて行ってもらえないでしょうか!?父も幼くして亡くし、そして・・・、母も今はもう・・・・。

  私・・・、わた・・・・、一人でいることに耐えられそうもない・・・・。

  だから、一緒に連れて行ってもらえませんか??!

ア:・・・、ううっ!(シュイ・・・ン)

ソ:・・・・、道は・・・、険しく長い、その間に、お前が倒れようとも、ワシは歩むを止めんぞ・・・・。

  それでもよいのか・・・・・。

少女:はい・・・、結構です・・・・。

  こんな私の為に、あなた方がご迷惑になるようでしたら・・・、その時は、そちらから切り捨てて頂いても、一向に構いません・・・・。

ソ:(ほう・・・・。)

少女:ですから・・・、ですから、ずっとお側にいさせて下さいっ!お願いします!!

ソ:返すぞ・・・アダナ・・・(シュイ・・・・・ン)

ア:・・・・、そこまでの決意だったなら、もう何も言わずにいよう・・・・。

少女:あ、有り難うございます!!

ア:ただし、この道は、君が想っているより、厳しく辛い道・・・、引き返すなら今のうちだよ・・・・。

少女:い・・・いいえ!もう自分の心に決めた事です・・・・、変えられません!!よろしくお願いします!!!

 

(しかし、この時、アルディナからの返事はなく、ただ黙って歩を進めるだけである・・・・。)

少女:あ・・・・・。(しゅん・・・)

ア:何をしている、もう陽が暮れる・・・、陽が完全に落ちて、宵闇が迫ってくる間に、峠を越さないと・・・。

少女:あ・・・・有り難うございます。

  あの・・・、私、エリアと申し上げます、これからもどうかよろしくお願いします!

ア:私は・・・、“アルディナ=フォン=ガラティーナ・・・、アダナでいいよ、それからもう一人・・・・(シュイ・・・ン)

ソ:ワシは“ソロン”だ・・・・よろしくな、小娘・・・・。

エ:はいっ!よろしくお願いいたしますっ!!

 

(そして・・・、夕暮れの黄昏の中、三人は、同じ道を歩み始めた・・・・。)

―――了―――

 



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