<V>
(そして・・・ここで、今回の一件を企てた張本人、ジョカリーヌが、その姿を見せたようです。)
ジ:ふふ・・・流石じゃのう、エルミナール殿。
それに、アルディナよ、妾は今回ほど、胸を打たれたことはなかった、お主を見直したぞ?
ア:え?!い、いやぁ・・・実を言うとな?
こいつ、キンチョーのあまり固まってんのか・・・・と思いきや、アレだったろう?
それで、ついつい口が出ちまってなぁ、出過ぎたマネを・・・と、今
悔やんでんとこなんだよ。
ジ:それは・・・・そうじゃな。
いや、なにのう、もしこの決議に従えぬ者が、暴動を起こすようであったのなら、
妾がそこで一喝を! と、思うておったところなのじゃよ。
ア:ええっ?!そ、それじゃあ、やっぱ余計な事だったかなぁ。
ジ:いや、別に気にはすることはありはせぬよ。
これで、いよいよここも、世代交代・・・・と、言う事かのぅ・・・。
ア:へっ?!そ、そいつは、どういう事だい?
コ:あの方達・・・あそこで何を話しているのかしら・・・?
ジ:(ふぅむ・・・) その前に。
これ、そなたらも、そんなところにおったのでは、聞き取りにくいであろう。
近う寄るがよい、これから大事なことを聞かせて遣わす。
(数千はいたハンター達が、半分以上も抜けたその場は、意外と広く感じられるため、
バラバラで聞いていた、タルタロスや、コーデリア、その他のハンター達を、聞かせ易い一点に・・・・
壇上近くに呼び寄せるジョカリーヌ、そして・・・・そこで彼女が発した事とは?!)
ジ:お主らも、知っているであろう、前長老の側に仕えていた者達の事を。
ア:あ?あぁ・・・確か、いつも偉そうにしてた・・・・・
ジ:そう、いつも長老の側に寄りて、手となり、足となり、助けていた者達の事じゃ。
前の・・・・坊主の時には、計八名おったから、妾は“八部衆”と、そう呼んでおったのじゃがな?
タ:(え・・・?)は、“八部衆”??
す、すると・・・では、あの伝説の武人達が、ここのブレーンだったのですか??
ジ:ほぅ、流石はタルタロス殿、その手の事は、お詳しいようじゃのぅ。
然様、その八名は、元は妾の腹心の者であったり、猛将だったりしたのじゃ。
ア:フ〜〜ン、で?そのお偉いさんがどうかしたのかい?
ジ:実はの・・・先日、その八名が、揃って辞表を提出したのじゃ。
コ:(え・・・)な、なんですって?? そ、それじゃあ、お父様が今日ここに来られなかったのは・・・・
ジ:・・・・そういえば、コーデリア殿、そなたの父も、また八部衆のお一人でありましたの。
然様か・・・娘のそなたにまで伏せておいたようじゃの。
これも・・・また、運命やも知れぬのぅ・・・・。
コ:(ど、どういう事??)
ジ:よいか、これより妾が、そなたらに話す重要な事とは、
長老の・・・・エルミナール殿を日向なり、日陰なり支え助けて頂く者達の事じゃ。
まず、その筆頭には・・・・ コーデリア=ルーク=ラヴェーリア!!
コ:(え・・・っ?!わ、私?? ア、アダナじゃあなくて???)
ジ:・・・・・いかがした?返事がないようじゃが・・・・。
コ:あ、は・・・はいっ! し、失礼しました・・・。
ジ:うむ、では次・・・・ オルテガ=レシ=シモン!!
オ:ハッッ!!
ジ:うむ・・・では次、
ギャラハット=ヴァン=アーブル ヴォグラフ=ア=ルカール レオナ―ル=ウォン=ザルフ
ギ:ハッ!
ヴ:ハッ!
レ:ハハッ!
ジ:・・・・以上の者達が、これからの、ここの柱となって頂く者達じゃ。
(そう・・・その時に呼ばれた者達は、計5名。
驚くべき事に、その中には、タルタロス、ましてや、アダナの名はなかったのです。)
コ:あ、あの・・・・お言葉ですが、ジョカリーヌ様?
ジ:うん?!なんでしょうかな?コーデリア殿。
コ:は・・・はい、私も、父同様、ここに重きを仕えさせて頂き・・・感謝の念もありません。
ですが・・・
ジ:タルタロス殿と・・・・アルディナの事・・・かえ?
コ:はい・・・・そうです。
ジ:成る程のう・・・、然は云えど、勘違いなされては困りますのう、コーデリア殿。
ただ仲が良い、同じパーティの者であったという理由のみで、
斯様(かよう)な重役を択ぶ(えらぶ)というのを妾は好まぬ。
公私は混合したくないのじゃ。
コ:(は・・・)そ、そのような深いお考えでしたとは・・・。
申し訳ございません、差し出がましい事を。
ジ:ふふ、いや構わぬよ。
それでは、各々方、一丸となりて、ここを守り通して下されよ。
バタン・・・
(ここで、ジョカリーヌ去る。
そして、壇上には、新長老のヱルムと、その側近達、“五人の支柱”<フィフスメント・ピラーズ>が・・・)
ヱ:(ジョカリーヌ様・・・・)
あの・・・何事も、至らない私ですが、これからは、一つ宜しくお願い致します。(ペコリ)
コ:あ・・・ああっ、や、止めて下さい、長老様。
ただでさえ、皆を差し置いて重要な役柄に着いたばかりで、心苦しいのに。
こ、こちらこそ、宜しくお願いします。
ヱ:いいのよ、コーディ。 あ・・・っ、アダナさん。
コ:(えっ?!アルディナ・・・?)
あ・・・、も、申し訳ありませんっ! 長老様の、一の親友である、あなたを差し置いて・・・・。
ア:よう、コーディ・・・お前、ジョカりんの、何を聞いてやがったんだ?
コ:え・・・・・っ??!
ア:あの人はよう、“公私混合は嫌だ・・・”っつったんだぜ?!
へ・・・・っ、まぁしかし、やってくれたよなぁ、ジョカりんも。
まぁ〜〜さか、こんなおもしれー事隠してやがった・・・・なんてな。
コ:あ・・・・あの、あなた、怒らないのです?
ア:はぁ??なんに対して?
コ:いえ・・・私は、てっきり、長老様のお側には、あなたが仕えるものとばかり・・・。
ア:はっ!ジョ〜〜ダンよしとくれよ! 私ぁ、今のままが一番いいのさ。
だいたいさぁ、さして偉くもないのに・・・ンな大それた役に就いてみろ、頭ン中、パンクしちまわぁ。
それによ、部屋ン中、閉じこもっての事務仕事なんか、私の性には合わんのよ・・・。
ヱ:そーれもそうですよね、しかもこういう管理職、遅刻癖のあるあなたには無理な話ですよ。
ア:むギっ! イッたいとこ突きやがってぇ〜〜。
おめー、長老なって、口のワルさ、レベルアップしたんじゃねぇ〜〜かぁ〜〜???
ヱ:でも・・・でも、本当は、感謝しきれないでいるのですよ・・・アダナさん。
私が、先程この壇上に、上がらさせて頂いた時、無数の白い視線に晒されて、言葉を失った時、
あなたのあの一言が私を救ってくれた・・・。
ア:え・・・っ、ええっ?! ま、まぁ・・・そんなんテレくせ〜〜事、言ってくれるなよ・・・・
なぁ?タルタロス?
タ:えっ??! あっ・・・ああ、そうだな。
それよりどうだ? これから、ヱルム新長老様の就任を祝って、エギドナでパーっと、やらないか?
ア:おっ!それい〜〜ねぇ〜〜〜。
ヱ:タ・・・っ、タルタロス様ぁ??!
タ:いいじゃあないかよ、今日はヱルムの為の、祝杯なんだからさ!!
コ:それも・・・・そうですよね。
それに、就任当初から、気を張り詰めすぎると、中々体が持ちませんですよ? 長老様。
ヱ:コ、コーディ〜〜あなたまで・・・。
オ:それに、ここのハンター達も、いつもの1/4になっちゃった事だし、
今更ジタバタしてても始まりませんよ。
ギ:それに、我ら5人の結束を強める上での、絶好の機会のようだしな。
ヴ:しかし・・・ある程度は自制はしておかないと、
どこぞの誰かのように、大失態やらかしかねんからなぁ。
ア:お〜〜い、ヴォグラフ、なにこっち見てやがんだ??
レ:ふふ、言われてそういう反応とるとなると、
少なからず、心当たりがあるようですね、アルディナ。
ア:む、グ・・・・ッ、チッキしょ〜〜言いたい事、言いやがってぇ〜〜。
オ:まぁ、なんにせよ、オレ達は今、ここから始まったばかりだからな。
今回ぐらいは羽目をはずしてもいいと思うんだが?
そこのところはどうかい?リーダー。
コ:え・・・っ??リ、リーダー・・・って、私ィ??
レ:あなた以外に誰がいるというんですか。
コ:え・・・あはは、よ、よろしくお願いしますぅ・・・。
ヱ:と、ところで
ですねぇ。 今回の親睦会・・・・一体誰がその費用を??
ア:まぁ・・・そりゃトーゼン・・・。(ジロ)
ヱ:え゛っ?!わ、私ィ??
ア:だぁよなぁ〜〜? なんてったって、今、こン中で一番のお偉いさん・・・ってのは、お前しかいねえこったし。
ヱ:し、しょんなぁぁ〜〜。
(ち、長老になるというのも・・・・良し悪しだわね・・・・)
(なんと、話はとんとん拍子に進んでいき、うやむやのうちに、今回の『親睦会』という名目の飲み会、
その全費用は、新長老になった、ヱルム持ちだというのです。
(しかし、ヱルムは生来、アルコールの類は苦手でして・・・(第三話参照の事・・・)そんな彼女が、今回の費用、全部自分持ち・・・だなんて、少し可哀想ですね?)
そんな中、エギドナにて・・・・)
エ:あっ!いらっしゃいませぇ〜〜!
(・・・・って、あら?)き、今日はこんなに沢山なんですかぁ?
ア:ああ、そうだよ、エリア。
何しろ、今日という日は、こいつが、ここの長老になった、ハレの日だかんなぁ。
エ:へえ〜〜、そうだったんですか、おめでとうございます、ヱルムさん。(ニッコリ)
ヱ:はは・・・・ありがとう・・・エリアちゃん・・・。
でもねぇ・・・今日、全部私持ちなのよ・・・。(なはは・・・)
エ:あっ・・・あれ??(^^;;)
ヱ・・・・ヱルムさん、元気ないようですが・・・・・どうされたんですか??
ア:いッやぁ〜〜〜気にするこたぁないよ、エリア。
今日は、一番のお偉いさんの許可もあるこったし、ジャンジャンばかすか 持ってこぉ〜〜〜い!!!
エ:あ・・・っ、はは・・・・そ、そういう事でしたか・・・。(ヱルムさん、お気の毒・・・(-フ-;;)
ヱ:ち、ちょいとねぇ!あんたも、ちっとは遠慮ぐらいしなさいよおっ!!(〒フ〒)
ア:いやぁ〜〜ムリムリ! 他人の金で飲み食いすんのが、いっちばんうめぇ〜〜ンだからさぁぁ!!
あ〜〜このトリアシ極じょオ!!
ヱ:ふ・・・む・・・・ググゥぅ・・・・。(オニ!!アクマ!!!)(〒M〒)
(どうやらヱルムさん、就任当初から災難続きのようですが・・・
この先彼女達は上手くやって、行けるのでしょうか・・・?(少し心配になってきました・・・。(^^;;)
それでは、この先のギルドの未来に・・・・!!
――――了――――