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(そして・・・ここで、今回の一件を企てた張本人、ジョカリーヌが、その姿を見せたようです。)

 

 

ジ:ふふ・・・流石じゃのう、エルミナール殿。

  それに、アルディナよ、妾は今回ほど、胸を打たれたことはなかった、お主を見直したぞ?

 

ア:え?!い、いやぁ・・・実を言うとな?

  こいつ、キンチョーのあまり固まってんのか・・・・と思いきや、アレだったろう?

 

  それで、ついつい口が出ちまってなぁ、出過ぎたマネを・・・と、今 悔やんでんとこなんだよ。

 

ジ:それは・・・・そうじゃな。

いや、なにのう、もしこの決議に従えぬ者が、暴動を起こすようであったのなら、

妾がそこで一喝を!   と、思うておったところなのじゃよ。

 

ア:ええっ?!そ、それじゃあ、やっぱ余計な事だったかなぁ。

 

ジ:いや、別に気にはすることはありはせぬよ。

  これで、いよいよここも、世代交代・・・・と、言う事かのぅ・・・。

 

ア:へっ?!そ、そいつは、どういう事だい?

 

 

コ:あの方達・・・あそこで何を話しているのかしら・・・?

 

 

ジ:(ふぅむ・・・) その前に。

  これ、そなたらも、そんなところにおったのでは、聞き取りにくいであろう。

  近う寄るがよい、これから大事なことを聞かせて遣わす。

 

 

(数千はいたハンター達が、半分以上も抜けたその場は、意外と広く感じられるため、

バラバラで聞いていた、タルタロスや、コーデリア、その他のハンター達を、聞かせ易い一点に・・・・

壇上近くに呼び寄せるジョカリーヌ、そして・・・・そこで彼女が発した事とは?!)

 

 

ジ:お主らも、知っているであろう、前長老の側に仕えていた者達の事を。

 

ア:あ?あぁ・・・確か、いつも偉そうにしてた・・・・・

 

ジ:そう、いつも長老の側に寄りて、手となり、足となり、助けていた者達の事じゃ。

  前の・・・・坊主の時には、計八名おったから、妾は“八部衆”と、そう呼んでおったのじゃがな?

 

タ:(え・・・?)は、“八部衆”??

す、すると・・・では、あの伝説の武人達が、ここのブレーンだったのですか??

 

ジ:ほぅ、流石はタルタロス殿、その手の事は、お詳しいようじゃのぅ。

  然様、その八名は、元は妾の腹心の者であったり、猛将だったりしたのじゃ。

 

ア:フ〜〜ン、で?そのお偉いさんがどうかしたのかい?

 

ジ:実はの・・・先日、その八名が、揃って辞表を提出したのじゃ。

 

コ:(え・・・)な、なんですって?? そ、それじゃあ、お父様が今日ここに来られなかったのは・・・・

 

ジ:・・・・そういえば、コーデリア殿、そなたの父も、また八部衆のお一人でありましたの。

  然様か・・・娘のそなたにまで伏せておいたようじゃの。

 

  これも・・・また、運命やも知れぬのぅ・・・・。

 

コ:(ど、どういう事??)

 

 

ジ:よいか、これより妾が、そなたらに話す重要な事とは、

  長老の・・・・エルミナール殿を日向なり、日陰なり支え助けて頂く者達の事じゃ。

 

  まず、その筆頭には・・・・ コーデリア=ルーク=ラヴェーリア!!

 

コ:(え・・・っ?!わ、私?? ア、アダナじゃあなくて???)

 

ジ:・・・・・いかがした?返事がないようじゃが・・・・。

 

コ:あ、は・・・はいっ! し、失礼しました・・・。

 

ジ:うむ、では次・・・・ オルテガ=レシ=シモン!!

オ:ハッッ!!

 

ジ:うむ・・・では次、

ギャラハット=ヴァン=アーブル      ヴォグラフ=ア=ルカール      レオナ―ル=ウォン=ザルフ

ギ:ハッ!

ヴ:ハッ!

レ:ハハッ!

 

ジ:・・・・以上の者達が、これからの、ここの柱となって頂く者達じゃ。

 

 

(そう・・・その時に呼ばれた者達は、計5名。

驚くべき事に、その中には、タルタロス、ましてや、アダナの名はなかったのです。)

 

 

コ:あ、あの・・・・お言葉ですが、ジョカリーヌ様?

ジ:うん?!なんでしょうかな?コーデリア殿。

 

コ:は・・・はい、私も、父同様、ここに重きを仕えさせて頂き・・・感謝の念もありません。

  ですが・・・

 

ジ:タルタロス殿と・・・・アルディナの事・・・かえ?

 

コ:はい・・・・そうです。

 

ジ:成る程のう・・・、然は云えど、勘違いなされては困りますのう、コーデリア殿。

  ただ仲が良い、同じパーティの者であったという理由のみで、

斯様(かよう)な重役を択ぶ(えらぶ)というのを妾は好まぬ。

公私は混合したくないのじゃ。

 

 

コ:(は・・・)そ、そのような深いお考えでしたとは・・・。

  申し訳ございません、差し出がましい事を。

 

ジ:ふふ、いや構わぬよ。

  それでは、各々方、一丸となりて、ここを守り通して下されよ。

バタン・・・

 

(ここで、ジョカリーヌ去る。

そして、壇上には、新長老のヱルムと、その側近達、“五人の支柱”<フィフスメント・ピラーズ>が・・・)

 

 

ヱ:(ジョカリーヌ様・・・・)

  あの・・・何事も、至らない私ですが、これからは、一つ宜しくお願い致します。(ペコリ)

 

コ:あ・・・ああっ、や、止めて下さい、長老様。

  ただでさえ、皆を差し置いて重要な役柄に着いたばかりで、心苦しいのに。

 

  こ、こちらこそ、宜しくお願いします。

 

 

ヱ:いいのよ、コーディ。          あ・・・っ、アダナさん。

コ:(えっ?!アルディナ・・・?)

  あ・・・、も、申し訳ありませんっ! 長老様の、一の親友である、あなたを差し置いて・・・・。

 

ア:よう、コーディ・・・お前、ジョカりんの、何を聞いてやがったんだ?

コ:え・・・・・っ??!

 

ア:あの人はよう、“公私混合は嫌だ・・・”っつったんだぜ?!

 

 へ・・・・っ、まぁしかし、やってくれたよなぁ、ジョカりんも。

 まぁ〜〜さか、こんなおもしれー事隠してやがった・・・・なんてな。

 

 

コ:あ・・・・あの、あなた、怒らないのです?

ア:はぁ??なんに対して?

 

コ:いえ・・・私は、てっきり、長老様のお側には、あなたが仕えるものとばかり・・・。

 

ア:はっ!ジョ〜〜ダンよしとくれよ! 私ぁ、今のままが一番いいのさ。

  だいたいさぁ、さして偉くもないのに・・・ンな大それた役に就いてみろ、頭ン中、パンクしちまわぁ。

 

  それによ、部屋ン中、閉じこもっての事務仕事なんか、私の性には合わんのよ・・・。

 

ヱ:そーれもそうですよね、しかもこういう管理職、遅刻癖のあるあなたには無理な話ですよ。

 

ア:むギっ! イッたいとこ突きやがってぇ〜〜。

  おめー、長老なって、口のワルさ、レベルアップしたんじゃねぇ〜〜かぁ〜〜???

 

 

ヱ:でも・・・でも、本当は、感謝しきれないでいるのですよ・・・アダナさん。

  

  私が、先程この壇上に、上がらさせて頂いた時、無数の白い視線に晒されて、言葉を失った時、

  あなたのあの一言が私を救ってくれた・・・。

 

 

ア:え・・・っ、ええっ?! ま、まぁ・・・そんなんテレくせ〜〜事、言ってくれるなよ・・・・

なぁ?タルタロス?

 

タ:えっ??! あっ・・・ああ、そうだな。

  それよりどうだ? これから、ヱルム新長老様の就任を祝って、エギドナでパーっと、やらないか?

 

ア:おっ!それい〜〜ねぇ〜〜〜。

 

 

ヱ:タ・・・っ、タルタロス様ぁ??!

 

タ:いいじゃあないかよ、今日はヱルムの為の、祝杯なんだからさ!!

 

コ:それも・・・・そうですよね。

それに、就任当初から、気を張り詰めすぎると、中々体が持ちませんですよ? 長老様。

 

ヱ:コ、コーディ〜〜あなたまで・・・。

 

 

オ:それに、ここのハンター達も、いつもの1/4になっちゃった事だし、

  今更ジタバタしてても始まりませんよ。

 

ギ:それに、我ら5人の結束を強める上での、絶好の機会のようだしな。

 

ヴ:しかし・・・ある程度は自制はしておかないと、

  どこぞの誰かのように、大失態やらかしかねんからなぁ。

 

ア:お〜〜い、ヴォグラフ、なにこっち見てやがんだ??

 

レ:ふふ、言われてそういう反応とるとなると、

  少なからず、心当たりがあるようですね、アルディナ。

 

ア:む、グ・・・・ッ、チッキしょ〜〜言いたい事、言いやがってぇ〜〜。

 

 

オ:まぁ、なんにせよ、オレ達は今、ここから始まったばかりだからな。

  今回ぐらいは羽目をはずしてもいいと思うんだが?

 

  そこのところはどうかい?リーダー。

 

コ:え・・・っ??リ、リーダー・・・って、私ィ??

 

レ:あなた以外に誰がいるというんですか。

 

コ:え・・・あはは、よ、よろしくお願いしますぅ・・・。

 

 

 

ヱ:と、ところで ですねぇ。 今回の親睦会・・・・一体誰がその費用を??

ア:まぁ・・・そりゃトーゼン・・・。(ジロ)

 

ヱ:え゛っ?!わ、私ィ??

ア:だぁよなぁ〜〜? なんてったって、今、こン中で一番のお偉いさん・・・ってのは、お前しかいねえこったし。

 

ヱ:し、しょんなぁぁ〜〜。

  (ち、長老になるというのも・・・・良し悪しだわね・・・・)

 

 

(なんと、話はとんとん拍子に進んでいき、うやむやのうちに、今回の『親睦会』という名目の飲み会、

その全費用は、新長老になった、ヱルム持ちだというのです。

(しかし、ヱルムは生来、アルコールの類は苦手でして・・・(第三話参照の事・・・)そんな彼女が、今回の費用、全部自分持ち・・・だなんて、少し可哀想ですね?)

 

そんな中、エギドナにて・・・・)

 

 

 

エ:あっ!いらっしゃいませぇ〜〜!

  (・・・・って、あら?)き、今日はこんなに沢山なんですかぁ?

 

ア:ああ、そうだよ、エリア。

  何しろ、今日という日は、こいつが、ここの長老になった、ハレの日だかんなぁ。

 

エ:へえ〜〜、そうだったんですか、おめでとうございます、ヱルムさん。(ニッコリ)

 

ヱ:はは・・・・ありがとう・・・エリアちゃん・・・。

  でもねぇ・・・今日、全部私持ちなのよ・・・。(なはは・・・)

 

エ:あっ・・・あれ??(^^;;)

  ヱ・・・・ヱルムさん、元気ないようですが・・・・・どうされたんですか??

 

 

ア:いッやぁ〜〜〜気にするこたぁないよ、エリア。

  今日は、一番のお偉いさんの許可もあるこったし、ジャンジャンばかすか 持ってこぉ〜〜〜い!!!

 

 

エ:あ・・・っ、はは・・・・そ、そういう事でしたか・・・。(ヱルムさん、お気の毒・・・(-フ-;;)

 

 

ヱ:ち、ちょいとねぇ!あんたも、ちっとは遠慮ぐらいしなさいよおっ!!(〒フ〒)

 

 

ア:いやぁ〜〜ムリムリ! 他人の金で飲み食いすんのが、いっちばんうめぇ〜〜ンだからさぁぁ!!

  あ〜〜このトリアシ極じょオ!!

 

 

ヱ:ふ・・・む・・・・ググゥぅ・・・・。(オニ!!アクマ!!!)(〒M〒)

 

 

(どうやらヱルムさん、就任当初から災難続きのようですが・・・

この先彼女達は上手くやって、行けるのでしょうか・・・?(少し心配になってきました・・・。(^^;;)

 

 

それでは、この先のギルドの未来に・・・・!!

 

 

 

 

――――了――――

 

 

 

 

 

あと