<六>

 

婀:――――・・・。

〜ゅらぁ・・・・〜                

―――ひゅっ!

 

慈:え?き、消え・・・(はっ!!) しっ!しまった!!

 

 

〔婀娜奈、先程とは一変して、ゆらりと揺れるような動作・・・をした後、疾風迅雷の如きの動きをして、自分の突きの間合いまで、詰め寄ったのです。

しかし、油断していたとはいえ、慈瑠華も、クロスアーム・ブロックで、防ごうとしたのですが・・・・

 

実は、それが、そもそもの間違いだったのです。〕

 

 

婀:(ふ・・・)――――もらったぁ!!(ガッ!!)

慈:えっ??(つ・・・突いてこないで・・・私の腕を、掴んだ??)

綺:(ヤぁ〜〜レ、ヤレ・・・)あれほど、言っておいたのに・・・

 

 

〔そう・・・綺璃惠ちゃんの言った、『突きの間合いに入るな』とは、この事だったのです。

彼女こと、黒江崎婀娜奈こそは、自分の手の届く範囲でなら、自在に関節技に持ち込めるほどの、名手だったのです。

(でも・・・その 裏 を返す・・・と?)

 

 

婀:そぅ・・・ら!(ぐぃ――――

慈:あ゛ぅ?!(ガク)

 

ガッ・・・ガッッ!!

 

婀:さぁ―――これで、逃げられないよぉ!!?

慈:し―――しまっ・・・! こ、これは・・・片羽絞め!!

ぎゅぅぅ・・・

 

 

〔そう・・・関節の名手―――と、いうことは、うがった考え方をしなければ、“寝技”の名手でもあるのです。

(しかぁ〜〜も、その実は・・・読めてきました?話しの展開・・・)

 

 

慈:うっ・・・ぐっ・・・ぐぐ・・・

 

 

綺:フフ・・・っ、ヤレヤレ、仕方のない・・・。

  おい、黒江崎、お前・・・昨日すでに、戻ってきていたそうじゃあないか?

 

婀:(ピク!)

 

綺:おかしいことだよなあ――――帰ったら、真っ先にここに寄るはずのお前が・・・・

昨日でなくて、今日―――だなんて。

慈:え―――えええ? ど・・・師範?それ・・・って、一体どういう・・・(あ、アレ?絞め方・・・ゆるくなった・・・?)

 

婀:フフ―――んふふふ・・・・いやぁ〜?ここへは、いの壱に、寄らせてもらったよぉ?

昨日の晩のうちにねェ・・・・。

 

慈:え―――?(き、昨日の・・・・晩?・・・って・・・)

 

綺:ああ、すまないが、師範代よ、一言云うのを忘れておいたが・・・

そいつは、寝技が“大の得意”だからなぁ?

 

慈:わ、分かってますよ―――だ、第一、絞めるの緩められてても、抜け出せないくらいに・・・

 

綺:まぁだ分かっておらないようだなぁ・・・。(ニヤニヤ)

  そいつの、専科は“寝技”だ・・・と、言っているんだ。

まぁ・・・それも、ある意味では、寝技ではあるのだがな?(ククク・・・)

 

慈:ゑ゛・・・?

ササァァ――――(←血の気の引いていく音)

 

 

綺:・・・・で、どうだね? 新しい獲物の感触は。

婀:うっうぅ〜〜〜ん 私、この子・・・気に入っちゃった

 

慈:ゑ゛ゑ゛・・・・?

ザザザァァ―――――(←血の気が、マッハのスピードで引いていく音)

 

 

綺:ホい、技あり。

  そうかぁ―――昨晩のうちにかぁ―――・・・

そういえば、昨日・・・ここの浴室で、出歯亀をしていた不届きなヤツがおったそうでなぁ・・・・

 

婀:あっ、それ  ♡♡

 

慈:ゑ゛ゑ゛ゑ゛〜〜〜〜〜っ??!

ドザザザ――――――ッ!(←血の気が、滝の如く引いていく音)

 

 

慈:ちょ?ちょ―――いと、タンマ!!? いゃ・・・私、そんな趣味、ないんだってば!!?

  ねぇ―――、ちょっと・・・婀娜奈さん?聞いてる??

 

婀:い    だってぇ〜〜ん、昨日は、あんなに大きな声出されて、こっちがビックリしちゃったんだよぉぅん?

  さぁさ・・・・(うふふ・・・)怖い想いはさせないから・・・このお姉さんに、まっかせ――な・・・さあぁぁ〜〜〜い?(むふふぅ〜〜♡)

 

慈:あ゛・・・・うわ! こ、今度は、縦四方?!!

 

婀:う゛っうぅ〜〜ん どぉんな技も、思いのまま

あ―――っ、太ももの裏に、ほくろ見―――っけ

 

慈:あ゛・・・・ぎやあぁぁ〜〜〜! し、しょおんなぁ〜〜〜!

た、たしけてぇ・・・・師範ん〜〜

 

綺:あ゛――――その技から、抜け出せれたらな?(しれぇ)

 

慈:し・・・しどいぃ〜〜!  あ・・・・あぁ―――!そこ・・・ダメぇ――――!

 

婀:うっううぅ〜〜〜ん 可愛いこと、言ってくれちゃって♡♡      ちゅっ!♡♡

  もぉっと、いぢめてあげゆんだからぁ♡♡♡

 

慈:は―――はわわ・・・わ、私の・・・乙女の純潔があぁ〜〜・・・

こんなトコで・・・穢されていくぅ〜〜〜!

 

婀:はっふうぅ〜〜ん いいのよぉ〜〜ん あなたも、私の事を、滅茶苦茶にしてぇん

  さぁさ―――心ゆくまで、堕ちて逝きましょぉ〜〜〜う♡♡

 

慈:ヒ・・・・。(ぞわぞわ・・・)(も、もう・・・ダメ?あたち・・・)

 

婀:(フフん―――どうやら、観念したようだわね・・・)

さぁ――さぁ―――どこから行きましょうかしらねえぇェ・・・・(わきわき)

 

 

綺:はい、それまで、一本。

 

婀:――――え?あ、あれ?? もうそんな時間?

綺:そ、時間。

 

婀:―――っっ・・ちゃあ〜・・・しまった、前戯に、時間かけすぎたか?こりゃあ・・・・。

 

慈:は・・・・た、たしかったぁ?あたち・・・・

 

婀:いっやぁ―――それにしても、ひっさびさの獲物だったんで、すっかりペース配分忘れちゃってたよ。

  ま、いいっか、チャンスは、これっきりじゃあないんだしぃ

 

慈:げ・・・。

 

 

綺:ああ―――、どうでもいいが、風呂が沸いているから、先に入れよ。

 

婀:え゛っえ゛ぇ〜〜〜・・・この子と、一緒じゃあダメですかぁ?

 

慈:い゛・・・い゛や゛あ゛ぁ゛ぁ゛〜〜〜〜!!

 

綺:だ ぁ め!     大体、時間内に、落とさなかっただろ?

 

婀:ちぇ・・・・けち。(ぷぅ)

 

 

 

〔なんとも・・・見かけは、スーパー・モデラー級のお顔と、ないすなばでぃを実装している、黒江崎婀娜奈女史。

武道は達人クラスなうえに・・・・(まさか)あっち系(いわゆるところの・・・・レスボス・・・・)の人だった・・・とは。

 

慈瑠華、ただ・・・ただ・・・ボ――然のようでありまつ。〕

 

 

 

 

 

 

 

―――了―――

 

 

 

 

 

 

あ と