〔三〕
〔そしてそしてお昼休み―――
この貴重な時間を、騒がせるような出来事が、慈瑠華の身にふりかかったのでぃす。
一体何事か―――― と、いいますと?
廊下にて、ジルを引き止める あの人 ありき・・・・〕
慈:(フン・フ・フ〜〜ン♪)あ〜〜ッ!ようやくお昼! のんびりできるわぁ〜〜!
婀:あ・・・・高坂さん、ちょっとよろしい?
慈:あ、はい。
なんでしょ―――お゛っ?! (って・・・)あ、婀娜奈先生っ?!!(ギク!)
婀:おっ、私の事、ちゃんと『先生』と、読んでるようねぇ〜感心感心。
それよりもさぁ〜〜私、この学校に赴任してきたばっかだから・・・何がどこにあるのか、さっぱりなのだよ。
でね? あなたに、ここ案内してもらいたいんだけど・・・いい?(ちょっぴり上目遣い・・・)
慈:(で・・・・)え゛っ?! わ、私ぃ?!ですかぁ?!! い・・・・いえ、いいです!いいです!!(注;断りの意味です・・・念の為。)
婀:えっ?!いいのぉ〜? よかったぁ〜〜(注;言うまでもなく、こちらは“了承得た!”の意味でつ。)
いやね?ここで知ってる人・・・って、ジルちゃんしかいないから・・・・
慈:あ・・・あの、今、私断ったんです!
それに、何も私じゃあなくても、誰か他の人に、お願いすればいいじゃあないですかぁ!!?
婀:え・・・・ぇえ〜〜!?(ちょい不満げ)
何で・・・・どしてそゆこと言うのぉ〜〜? 私の事・・・散々玩(もてあそ)んだくせにぃ〜〜・・・・(うりゅうりゅ・・・)
慈:(はあ゛あ゛?) って、わっ!わっ! 一体ナニを言い出したりすんですかっ―――?!!
婀:あぁ〜〜・・・あなたの左腕を・・・そっと、私の後ろに廻し、そして抱き寄せ・・・・
『今夜は帰さないよ・・・』って、言ってくれたくせにぃ〜〜
慈:ほぎゃぁぁ〜〜!! わっ!わっ!! ウ、ウソですっ!! 私、そんなこと、でったいゆってません―――って!!
婀:あぁ〜〜―――・・・昨夜の情事で・・・・私の、身も心も奪ったあなたが・・・にっくいわぁぁ〜〜〜〜ん♡
慈:(んが・・・)わ―――わっかりました・・・わ、私が案内しますっ!!
婀:おぉんやぁ〜〜? イヤイヤ言ってんだったら、今の話、尾ひれに背びれくっつけてもいいんだよぉぉ〜〜ん?♡
慈:わ―――私に・・・・どうか・・・案内させて下さい・・・・・。(声・・・・震えてまふ)
婀:んっ―――! 中々もって、よろすぃ―――!(ポムポム――!)
にゃ〜〜〜――――っはっはっは!
慈:(お・・・・オニだ・・・・悪魔だ・・・この人・・・でったい・・・)
〔ま・・・・まあ・・・今、そこに他人がいなかったから、よかろうモノを・・・・
婀娜奈さん、今、あんたがやったこと、犯罪ぎりぎりですよ?!
でも――― 皮肉な事に、現実はそうではなく・・・・
この美人教師を案内している慈瑠華には、半ば嫉妬と羨望とも取れる視線が・・・・〕
男:お―――おいおい・・・見ろよ、高坂のヤツ・・・・今日赴任してきたばっかの、婀娜奈先生・・・案内してるぜぇ?!!
男:いいよなぁ〜〜〜うっらまやしいよなぁぁ〜〜〜
冴:あ゛あ゛〜〜・・・どうして、婀娜奈先生、ジルでなく、私に白羽の矢を立ててくれなかったのぉ〜?
慈:(い・・・いいよなぁ〜〜チミ等は・・・この人の真の正体、知らないだから・・・・
それよりも――― 婀娜奈さん、このままネコかぶり通すつもりなんだろうか??
まぁ――― それは、それで別にいいんだけどね――――? まっ、いいっか・・・犠牲者、私一人・・ってことで。)
はぁぁ〜〜〜あ・・・短かったなぁ・・・私の、幸せなるキャンパス・ライフ・・・・。(はぁぅぅ・・・)
〔ど・・・・どうやら、そこには、様々な思惑が交錯してたようでありまふ。〕