<八>

 

婀:(あ〜〜あ・・・あんなこと、おおっぴらに宣言しちゃったもんだから―――

  ジルちゃん警戒して、授業中でも目ぇ合わせてくんないんだもん・・・)

  つぅ〜まんないの―――っ!(ぶちぶち)

 

  しぃ〜〜―――かもさぁ? アレから稽古すんのにも、さっさと陣君と組んぢゃうしぃ〜〜

  なぁんかさびし―――(ほぅ)

 

  (こんなときに・・・私にでもどうにでもできるのがいればいいんだけどねぇ・・・。)

 

 

〔それはあなたの自業自得でしょう―――と、いいたくもなるのですが・・・(しかも、自分でもどうとでも出来るのが―――って・・・)

 

そう、今そこに偶然通りかかった人物こそ、あの 黒江崎婀娜那 そのひとだったのです。

でも、ならどうして婀娜那が、隣り街のこんなところに??

 

そのわけは――― 一つには、ジルが相手をしてくれなくなった・・・ということもあったのですが、

何よりも、彼女はこの街に用があって来ていたのです。

 

 

そして―――この公園に差し掛かり・・・あの光景を目撃してしまった婀娜那は・・・〕

 

 

い、いや―――離して!!:小

 

婀:あぁ〜ら・・・やっだね―――まだ日も高いうちから、 いちゃいちゃ やってくれちゃってぇ〜〜

  一体、どこのどい――――っ・・・(あ・・・!!あれは―――)

 

 

〔よくある―――今時の若いカップルの、“若気の至り”・・・と、思っていたようなのですが・・・

よく見れば、ガラの悪そうな男が、女子高生にのしかかっているのを目の当たりにしたとき―――・・・

すでに先ほどまでの彼女はいなくなってしまっていたのです。〕

 

 

暴:へっ―――!じたばたすんじゃあねえぜ!!

  待ってろよ―――今からうちにいる連中呼び出して・・・言う事をきかせてやる!!

 

小:い、いやっ―――やめて!!許して!!

 

 

〔そしてそこには、すでに臨戦態勢に入り、まるで野獣のような目をした男と―――

いつもの威勢はどこへやら・・・すっかりと怯えきって、まるで生まれたての子山羊のように打ち震える女子が・・・

 

すると―――その時・・・〕

 

 

婀:

玄ェェン米ィィフレェィ〜〜―――ク!!#(小ジャンプキック)

 

暴:うごっ?!

小:(え・・・っ?!)

 

暴:っっ〜〜―――ってぇ!# なにしやぁがる!!

  (って)なんだ・・・てめぇは―――こいつの連れか!!

 

婀:じゃっかぁしゃい!# こんのハゲ頭!!

  あんたこそ―――か弱い女の子押し倒して、何しとるんじゃい!##

 

暴:あんだとぉ〜〜―――このパン助が・・・

  それよりなぁ!これは剃ってんだ、初めっからハゲじゃああるかい!!

 

婀:だぁぁ〜〜れがそんなこと聞いてんのよ゛っ!#

  ン〜〜な事より・・・全くかわりゃあしないねぇ〜〜あんた等のそのやり口。

 

暴:あ゛あ゛?!なんだと―――・・・

 

婀:(フ・・・)力の弱い者を―――自分の思い通りにしたいがために、暴力(チカラ)を使う―――って事がさ!!

暴:ケッ―――・・・なに知ったような口を!! この・・・乳魔人が。

 

婀:に゛ゃにぃ?!乳魔人―――だとぉう?!##

 

小:(あぁ―――ッ・・・こ、この女(ヒト)・・・まで??)

婀:(ぅん?)ナニしてるの―――早く逃げなさい・・・!

 

小:えぇっ・・・に、逃げる―――って、それじゃああなたはどうするんです??!

婀:私の事は―――心配しなくてもいいわよ・・・。

  それより――――・・・(フフフ・・・)

 

小:えっ――――?

婀:心配してやるんだったら、あっちの・・・あのつるっパゲのほうをするんだねぇ・・・。

 

 

〔なんとも、ど派手な登場をかまし、一女子高生の危機を救った婀娜那。

しかも、彼女の口ぶりからは、どうもこういった者達との因縁めいた何か・・・が語られていたわけであり、

だから―――何も知らないアカの他人でも、救出に割り込んだ・・・と、いうところのようです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>>