<六>
清:・・・だったら―――その前に・・・ボクを相手にしなければなりませんね・・・
婀:・・・・そうくるか――――
ま―――いまの清秀・・・というより、あの人から引き返せない片道切符を貰って、
ここに来た時点で、いづれはこうなる事は判ってた事なんだし・・・ね。
で―――どうする・・・私なら今からでも構いはしないけど・・・
清:じゃあ―――お願いします!
〔そして―――賽は投げられた・・・
早速清秀は、自分の防具を身に付け―――いや、しかし・・・婀娜奈のほうは・・・と、いうと、
黒の胴着に、革の胸当て、白の袴に―――同色の鉢巻・・・と、いう、これで剣道の仕合いをするものか・・・と、いう出で立ちだったのです。〕
清:(え・・・)ちょ―――ちょっと婀娜奈さん! 防具はどうしたんですか!!
婀:・・・うちにはね―――そういう甘ったれたもんは、ハナッからないんだよ。
戦場ではいつもこの身一つ―――“生きるか死ぬるか”の瀬戸際なんだ・・・。
それを―――そんな防具で身に纏っているから、少なからずの油断が生じる・・・
けがを負いたくなかったら、避けるか―――またあるいはその前に眼前の敵を斬って伏せればいい―――
ただ・・・それだけの事だろう・・・・。
〔それこそはまさに―――<Dead or Alive>“生か死か・・・”であり、
明日をも続く“生”を勝ち取りたければ、例え日頃親しかろうが、討つしかないのです。
こうして―――清秀と婀娜奈の間で火花は散らされたのですが・・・
結果は今まで語られている通り、清秀は婀娜奈に敗れ、『練武館』をあとにし―――
改めて自分の流派の道場にて切磋琢磨した後、再選を挑みにいったのですが・・・
そこにはもう婀娜奈の姿はなく、残念無念な思いがそこにはあったようです。
―――と、ここでお一つ・・・
いうまでもなく、この時期に婀娜奈がいなかった・・・と、いうのも、もうすでに東京へと上京したためであり、
綺璃惠との対戦も破れた上で―――なので、『逃げた』ともとれなくはないのですが・・・
デモ?その前に―――現在の清秀は、婀娜奈に対して余りいい感情は持ち合わせていないようですが、
それはどうも、彼女に敗れた後、なんとも屈辱的なことをやらされていたから〜〜・・・の、ようで。
まあ―――それは腹が立つでしょうな? もう少しで惚れかけていた女性から、ヘンタイ紛いなことをやらされたようなんですから・・・
――――と、いうことは・・・? 婀娜奈も陣君の如く対異性関係は鈍いの―――??
とも取れなくはないんですが・・・どうなんでしょうね、そこンところは。〕
―――了―――