<拾伍>

 

―――――・・・・が、その時・・・・――――

 

 

ピキ・・・・                              ピキ−−−                                              ピキ〜〜

ピキ―――・・・・                                                                     ピキ☆

 

パッシャア              ――――・・           ・ン!

キラキラ・・・・                                                          シャラ・・・・     シャラン・・・・・・

 

 

バ:な・・・ナニ? こ、『氷の結界』??

ス:わ・・・ワシ達は助かったのか??

 

婀:お――― ぉお!バーディー殿に社主殿! ご無事じゃったのか?

 

ス:ああ―――うん、シホさんが創ってくれた、この『氷の結界』のお陰でね。

 

シ:(えっ―――・・・)わ、私は・・・何もしてません。

  それに・・・『壁』(ウォール)並の結界・・・こんなに高度なものも、操るの・・・ましてや、見るのも初めてです。

 

  私は、てっきりそちらのお二方か・・・と。

 

コ:いや――― 私は、どちらかといえば“炎”“雷”系が得意で・・・“氷”“風”系は、右将のほうが・・・。

乃:左将――――お言葉ですが、私のほうも、これほどまでの結界を作るのには、限界があります。

 

ス:え―――・・・? じ、じゃあ――― 一体誰が作ったってェの??

 

 

〔寸でのところで、何者かの造った・・・で、あろう『氷の結界』に阻まれる黒き霧。

 

でも、一番の疑問は・・・この<ウォール>並みの結界を作った主が、誰であるか・・・と、言うこと。

それというのも、彼らの中では一番の術達者であるはずのシホは、『造るの・・・ましてや見るのも初めて・・・』と、言っており・・・

もう一方の、『お稲荷様化』した、コみゅ・乃亜でさえも、首を縦に振ることはなかった・・・・。

 

まさに、ナゾが謎を呼ぶ――― と、そう思われた、次の瞬間――――

このハイ・レベルな結界を作った主が、明らかとなったのです・・・・。〕

 

コッ・・・・・                                 コッ――――・・・                                                       コッ――――

コッ コツッ―――☆

 

キ:フフフ―――・・・ようやく、役者が揃ったところ――― の、ようですね。

 

ス:あぁっ、君は―――

婀:キリエ殿。

 

ア:おいっ!ヱルム! しっかりしろ―――大丈夫か??!

お:ヱルムさん―――・・・しっかりなさって?!

 

婀:姐上に、アルディナ殿・・・それに、お主らも無事じゃったか―――・・・

 

サ:(あいつは―――・・・)

 

 

J:婀陀那ちゃん・・・

婀:女禍様――― 申し訳ござりませぬ、妾がついておきながら―――・・・!!

 

J:いいのよ・・・それよりも、あいつ・・・とんでもないのが、出てきちゃったみたいね。

ソ:申し訳ない―――女禍よ・・・こうなってしまった責の一端も、私にある・・・。

 

J:いいのよ―――ソロン。

  それよりも・・・今は、一致団結して、あいつを追っ払わないと。

 

臾:えっ?? “追っ払う”―――ゆぅて、退治できひんのん??

 

J:今は―――無理、たとえ私の禍剣でさえも・・・おそらく、消滅する間際に、腐食の黒霧を、地域一体にばら撒かれかねないわ・・・。

お:そ―――・・・そんな・・・。

 

オ:ふふふ―・・・さすがは、頂神・女禍、既にお見通しでいらっしゃるとは・・・。(ククク・・・)

  ――――に、しても・・・かつての敵(かたき)同士が、仲良く手を取り合っておるとは・・・(ククク・・・)

 

  これは――― “神”が堕落したのか―――― はてまたは・・・“魔”が折伏されたのか・・・・(ニャニャ)

 

婀:な、なんじゃと―――!!? 無礼者めが!! もう一度いうてみよ!!

 

J:いいのよ―――婀陀那ちゃん。

婀:し―――しかし?! 女禍様???

 

J:半分は、事実だもの・・・。

婀:ぇえ―――?

 

J:私が、堕落しているのは事実。

  だけども、ソロンには関係のない事よ、この者は、この者なりの道を歩んでいる・・・・。

 

  それを――― なんぴとたりとも、邪魔立てする権利など―――― どこにもありはしない!!

 

ソ:(女禍・・・・)

 

 

オ:くっくっくっくっ――――・・・涙ぐましい事よ・・・・。

  頂神に弁護してもらえるとは、光栄の至りということだなぁ―――!? 魔皇よ!!!

 

お:な―――なんという下卑た・・・・

 

 

〔しかし――― ここで、今までにその会話に参加せず・・・・その傍らにいて、事態を静観していた存在が、

その重々しい口を、開き始めたのです・・・。〕

 

 

キ:――――・・・ここには、あなたの気配しか感じられないようだけど・・・・?

  ――――あなたじゃあ・・・ありませんよねぇ・・・・この方に―――― ヱルム様に手出しをしたの・・・・って。

 

オ:なんだ?キサマは・・・・小娘風情が、私と対等の口を利きおるとは・・・・。(フン・・・・)

  それに、何だと? ヱルム―――“様”? あぁ・・・そこのヴァンパイアの事か、

 

  (フフフ・・・)そういえば・・・中々に、いい魔力(あじ)をしておった、このワレが口にした中では、上等なものだったぞぉ?!!

〜ゆらぁ・・・〜

 

ア:な―――・・なんだと?? このや―――・・・(ビクッ!!) あ・・・ぁ・・・

婀:(ぅん?)いかがなされた・・・アルディナ殿・・・。

〜〜ゆらぁ・・・・〜〜

 

ア:あ―――・・・あぁ・・・(ガタガタ・・・)

(あ・・・『あいつ』が―――・・・実体化し始めている・・・ま、まさか―――??)

 

キ:――――手を・・・・・出したというか。(ギリイィッ!!)

 

ア:あぁ―――・・・(ま・・・まずい・・・あいつが・・・撓(たわ)み始めている!!)

  ――――・・・めろ・・・。

 

オ:ああ!出したともさ!! それはそれは・・・この世にもない、まさに甘美そのものだったぞ!!

 

―――どっくん―――

 

キ:成る程・・・そうか・・・。(ヒヒヒ・・・)

  だったらば――――選択させる余地などなさそうだ。

 

                        ・・       

 

 

ソ:(な―――なんだ?)

婀:(あの者の側に・・・実体を持たぬ者が・・・・いる。)

J:(今まで・・・気がつかなかったけれど・・・何かがいる、確実に―――!!)

 

 

キ:この・・・高潔なるお方に、手を出した事を・・・・後悔させてくれる―――!!(くわぁっ!!)

 

オ:なにを世迷い事を!! 寝言は寝てから云え―――!! 小娘風情が・・・

  キサマ如き、この魔界の覇者自らが手を下してやるわ!!

〜我が闇の痛みと、汝が愚かさを、悔いるがいい〜

=ペイン・クロー=

 

 

ぐら・・・                                                                                               

とさっ・・・

 

 

サ:な―――・・・なに??

臾:あっ―――・・・あらら・・・

ナ:よ・・・よけもしないで――― 串刺し??

バ:も・・・モロじゃあないか―――?!

お:ど・・・どうして??

 

 

〔いきなり――― 闇の空間より生じた、槍のようなモノを、身じろぎ一つせずに、その身に甘んじて受け、崩れるように倒れてしまうキリエ・・・・

 

かつての―――・・・その、自信ありげな口ぶりとは、裏腹な事態に、一同が絶句してしまうギルド陣営。〕

――――・・・・が

しかし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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