紆余曲折(うよきょくせつ)あり―――“彼”と“彼女”は結婚しました。

 

とは言え、未だ『警察』と『泥棒』の関係は、保たれたまま・・・

なので、大っぴらに『式』を挙げる事も出来ず・・・。

 

けれども、一緒に生活をする―――と言う事で、カインの自宅に引っ越してきたマリアなのでしたが・・・

 

 

 

マ:えええ〜〜〜っ??

  あ―――あなた・・・って、()()カイン=ロックフェラー??

 

カ:そうだけど?

 

マ:(『そうだけど?』・・・って)き・・・聞いてないわよ??

 

カ:聞かれもしてないし、だから言わなかったんだけどもなあ〜?w

 

マ:(・・・てより―――)そ、それじゃなんで・・・泥棒(こんな事)してるワケ?

 

カ:ん〜〜言ってみりゃ、“趣味”かなあ?ww

 

マ:(趣味・・・って―――)

 

 

 

そう・・・言わばカインは、成り上がりとは言えセレブの一人・・・と言う事は、その自宅もちょっとした豪邸なのに、驚きを禁じ得ないマリア。

 

ですがしかし、それ以上に驚くべき事実が、カインが泥棒をしているという理由も、彼の“趣味”で―――と言う事に、

これが中々、生真面目なマリアからすれば、頭の痛かったところのようだったのです。

 

 

 

マ:あの〜〜カイン? 一応私の仕事って―――・・・

 

カ:(わ〜か)ってるよ。

  だから今度からは、“基本的”警察のご厄介にならない仕事をするつもりさ。

 

マ:(あはは・・・)でも、盗みは続けるのよ―――ねえ?

 

カ:まあねw

  ホレ―――

 

マ:(・・・?)なに、USB(コレ)―――

 

カ:聞かねえ方がイイと思うぜえ〜〜?w

  なにせ今度からは、ちょい“ヤバめのモノ”を狙うようにしたからなあw

 

マ:(・・・)その時点でUSB(コレ)が何なのか―――怖いんだけど・・・

 

 

 

しかも、まだ頭の痛くなる事実(コト)に―――w

どうやらカインは、マリアとの結婚を機に、“基本的”には警察にはご厄介にならない―――

つまりは、金品や古美術品―――等と言った様なものではなく・・・

少しばかりその取扱いに注意を要する“モノ”―――

 

何が言いたいのかと言うと、いわゆる表沙汰に『してはならない』―――そう言った類の“黒い噂(情報ネタ)”を中心に、標的(マト)を絞って行く・・・

そう言う事だったのです。

{*ちなみに・・・ではあるが、マリアに手渡そうとしたUSB(ヤバイブツ)は、現職大統領の過去の“黒い噂”だったのだとか。}

 

 

*      *      *      *

 

 

それはそれとして、話題を転換させる為に、()()()を話してみると―――

 

 

 

マ:あ―――あの・・・さ、カイン。

  あなた、[例の『Odysseia−OnLine』て言う]今流行りの“オンライン・ゲーム”の事・・・

 

カ:ああ、あれならオイラもやってるぜ?

 

マ:ホント―――!?

 

カ:ホント―――ホント―――

  それに、そのUSB(ネタ)・・・どっから手に入れたモンだと?w

 

マ:―――へっ?

 

カ:ほい―――じゃ、ま、結婚初のログインと洒落込むかw

 

 

 

所詮は“ゲーム”・・・と言う事で、少々(はばか)られもしたようですが、何と蓋を開けてみると。

この度夫に成った者も、自分と同様そのゲームのプレイヤーだった・・・しかも、このUSB(ヤバイブツ)出元(元ネタ)が、そこからのモノだったとは。

 

そして、ログインしてみると―――・・・

 

 

 

ドゥルガー:あっ・・・『クリューチ』―――

 

ク:おっ・・・

  新婚カップルさん一組、ご案内(あんなぁ〜い)〜〜w

 

ド:んっ、もう―――揶揄(からか)わないでッ!

 

カリギュラ:よッ―――す、この度はドーモw

 

ク:ドーモw

  “アレ”お役に立ちましたァ?w

 

ド:えっ? へっ??

 

カ:残念(ざぁ〜ンねん)―――w 断られちまったww

  つーーーわけで、あのデータ消去()しとくわw

 

ク:まいど〜〜www

 

ジ:あっ―――あっ―――あなた達ィ? 付き合って・・・

 

ク:なぁ〜に言っちゃってんスかw 人妻つき狙うほど、ヒマしてねぇ〜ンすよww

  そーーいやドゥルさん、そこの旦那からプレゼントされたUSB(ヤバイブツ)あったっしょ?

 

ド:ええ―――それがどうかしたの?

 

ク:“アレ”―――アタシからの『ご祝儀』。(ニヤニヤw)

 

 

 

新婚ホヤホヤの“彼ら”を待ち受けていた者とは。

マリアのプレイヤー・キャラクターである『ドゥルガー』が所属するクラン・・・DIVAの一員である『クリューチ』なのでしたが。

どうも自分の夫と成った者と、自分のクラン・メンバーの間で交わされたやり取りが、結婚早々に夫婦の関係に破綻を訪れさせるかのようなモノだったので、

ドゥルガーはそのことでクリューチを問い詰めてみると、例のUSBの出所が判ってしまった・・・

 

そう、ドゥルガーは、このクラン・メンバー(クリューチ)が、自分の仲間だったから、その危険性が希薄になりつつあったのでしたが・・・

 

実は“彼女”―――ジゼル=オーチャードこそは、世界屈指の『ハッカー』でもあった・・・

その“足跡”を遺した処だけでも―――FBI本部・CIA本部(ラングレー)国防総省(ペンタゴン)・ホワイトハウス・・・だけに留まらず、

“北”の核開発疑惑の半島の国・アジア最大の国家・ロシア大統領府(クレムリン)・・・と、まあ挙げればキリのないほど―――

そんな“彼女”が、どうしてDIVAに―――? いや、そも・・・“彼女”の現実(リアル)は今どうしているのか・・・?

 

とまあ、その(くだり)は“また別の話し”となるのですが―――

 

そこから三々五々、クランメンバーは集まり・・・

 

 

 

クルセイダー:ほお〜〜こいつがあんたの“相棒(パートナー)”か。

        ヨロシク・・・私は『クルセイダー』、リアルでは『賞金稼ぎ(バウンテイ・ハンター)』をしている。

 

バンディッド:んで、このオレが、こいつ(クルセイダー)の相棒―――『バンディッド』、リアルじゃ『運び屋』をしている。

 

ワスプ:その節は色々―――『ワスプ』だ。

     リアルでは『警察特殊部隊(SWAT)に所属している。

 

バジリスク:そしてこのボクが、このクランのサブ・マスター『バジリスク』だ。

       リアルは・・・まあ、『陸軍大佐』とでもしておこうか。

 

バーディ:そしてこの私が、このクラン『DIVA』のマスターである、『バーディ』だ。

     リアルでは『州警察本部長』だ。

 

 

 

今度はカリギュラが、そのクラン・・・『DIVA』の個性的すぎる面々を見て、驚きを禁じ得なかった―――

 

 

業界裏サイトで見た事のある、この『賞金稼ぎ(バウンテイ・ハンター)』って・・・基本金銭に糸目がなく、交渉次第じゃ敵にも味方にもなるヤバイヤツ・・・

それに、『運び屋』にしても、取扱ってる(モン)も基本“ヤバめ”の上、金遣いが荒いって言うし・・・

今回取り引きした『クリューチ』てのも、噂に聞いた処じゃ、周りに敵ばっか作ったから、今じゃ仮想内(こっち)でほとぼりが冷めるまで大人しくしてるんだとか・・・

そんな犯罪者あがりの連中と、軍警察の関係者皆さんが、仲良くお仲間〜〜〜って、どゆ事???

はは・・・なあ〜〜んかオイラ、ヤッベエ〜〜処に足踏み込んじゃってね?w

 

 

今までが今までだけに、現実内のバルディアやマリアしか知らなかったカインではありましたが。

仮想内では彼女達の方が、自分よりもヤヴァイ領域に、ドップリと漬かり込んでいた・・・

 

まあ、マリア不遇の経歴を知ってからと言うモノは、いつかどこかで“ガス抜き”は必要であり、

このオンラインゲームが、いい機会となっていたと言うのは、ある意味幸いと言えたことでしょう。

 

それよりも・・・まだ更に驚かされた事実(コト)とは―――

 

 

 

カ:はあああ〜〜? 今からコイツ(レイドボス(中級))倒すぅ〜?

  たった・・・こんだけ(8人)で??

 

クル:そうだけど―――なんか問題でも?

 

カ:いや、大アリだろうよ??  大体レイドボス―――って、16人いなけりゃ・・・

 

クリ:あ〜〜〜ちなみに言っときますけど〜うちらヒーラーいないんでw

   てめーの傷は、てめーで回復しろなw

 

カ:お・・・オイオイ―――もうこれ、既にレイド戦やる前から破綻してね?w

 

ド:大丈夫よ、カイン♪

  ダメージ受ける前にブッコロしちゃえば♪

 

カ:(・・・)なぁ〜に言ってらっさるんすか―――このお嬢サン・・・

 

バ:まあ、信じられん話だろうが、あいつが受けてきたこれまでの不遇の経歴が、あいつをあんな風に変えたのさ。

 

カ:“あんな風”・・・?

 

[≪真空波動拳≫―――!!]

=波動烈風覇=

 

クル:(ヒュ〜♪)ほほお〜〜―――こいつはまた派手にブッパなしやがったなw

 

カ:(・・・)ナニ? アレ―――

 

バ:カイン? 一つ忠告しといてあげよう・・・。

  決して浮気なんかしたら、ダ・メ・だ・ぞッ−☆

 

 

 

自分の“常識”としている概念(ヤツ)が、根底から揺らぎ・・・そして瓦解して逝く音がする―――

 

その日、珍しくクランメンバーが全員揃った・・・と言う事で、記念に中級のレイドボス討伐をする事にしたようですが・・・

ご存知のように、レイド戦とは“総勢”16人で、レイドボスを討伐すると言うコンテンツ・・・

それが?   半分の8人で??

しかも聞けば、このクランにはサポート役はいても、タンク役やヒーラー役が一人としていない・・・

これは既に、レイド戦を始める前から破綻をしているのではないか・・・と、疑問に思うのですが。

 

まだ更に信じれない事が、自分の目の前で起こってしまった―――

それが、自分の可愛い新妻の口から出たセリフに―――行動・・・

 

まあ確かに、“理論的”には間違った事は言っていない・・・がしかし、それは所詮理論上での話し―――

実際の話しともなれば、戦闘になれば傷つかない訳がない―――で、あるのに・・・

 

可愛い新妻の掌中から放たれた衝撃波は、一瞬でレイドボスの体力の9割を持って行ってしまった―――

そしてクランマスターからのこの一言・・・

 

 

いや・・・そんなニコやかな表情(かお)で言われても??

 

 

とは言え、愛しき夫の前で自分の活躍ぶりを見てもらい、顔を紅潮(あから)めつつも身体をくねらせ、褒めてもらいたいとでも言う様に擦り寄って来る、

可愛い仕草をする『ドゥルガー』・・・

 

その“存在”こそは、とある宗教上の最強を誇る、武闘の女神の名―――それが由来なのでした。

 

 

 

[EX2−4;武闘の女神達 〜真説・DIVA〜]

#4;DIVA降臨(降り立つ武闘女神)

 

 

 

つづく