≪七節;情報交換≫

 

 

〔それから―――彼らは、互いの所有している情報を交換し合い、今後の対策を練ろうとしたのです。

するとそこで明らかになったこととは―――・・・〕

 

 

紫:どうも―――私が当面での西部戦線の維持と管理を任されている 紫苑=ヴァーユ=コーデリア です。

 

ノ:紫苑―――・・・するとそこもとが、有名であるヴェルノアの 疾風の将 ・・・

 

紫:はい・・・けれど、お恥ずかしきことながら、当方面に甚大なる被害を及ぼさせてしまいました・・・。

  故に、このお役目も御免となることでしょう。

コ:何を気弱な―――紫苑殿が指揮を執らねば、誰がこの軍をまとめると云うのでござろうか!

  それに、戦の勝敗は兵家の常と申す、たった一度や二度の失敗でそのような弱音を吐かれては、今後の士気にも係わりまするぞ。

キ:その通り―――コウ殿の云う通りです。

  それに、今回の被害は指揮官である紫苑卿だけのものではありません。

  その所は大将軍様も判ってくれましょう。

 

チ:然様でございます―――それに、これよりは手前らも微力ながらお力添え申し上げる。

  申し遅れました、手前は チカラ=左近=シノーラ ・・・すでにこちらの国に仕えてござるタケルは手前の兄にござる。

コ:おお―――なんと・・・あのタケル殿の弟君にござるか。

  さぞや賢明なのでござろうな。

 

チ:はは―――いえ、ただ手前は兄が家の籍を抜けたが故に家名を継いだに過ぎませぬ。

  世間では・・・後ろ足で砂をば掛けおる痴れ者―――として通っておりまする。

ノ:はっはは―――左近、そなたがそう云うのであれば、さしづめそれがしは国の名を貶めた者・・・であろうな。

  まあ、それほどタケルの奴が出来たのだから、仕方がないのではあるが・・・

 

 

〔もののふの国―――ラージャの漢たちは、非常に気持ちのいい連中でした。

 

今、紫苑が自分の拙い指揮の所為で、当面においてのこちらの戦線の維持管理が苦しくなるであろうことから、役目を免ぜられることを覚悟すれば、

取り巻きであるコウやキリエが励ましてくれたのもさることながら、あたら他国の人間でもあるノブシゲやチカラからも励ましてくれたこともあり、

次第に紫苑の自信も回復できつつあったのです。

 

そんな―――情報交換の場で、ペクトポリスのことが話題に取り沙汰されてくることとなり・・・〕

 

 

ノ:そういえば―――こちらに向かう道中、カルマの先遣隊がそれがしたちの国の民とそちらの町の一つを襲うため、出ていたようなのだが・・・

紫:なんですって―――私たちが南下するカルマの相手をしている間にそんなことが・・・

  でも―――“ようなのだが”・・・?

 

キ:(・・・あの人たちだわ―――)

 

チ:ええ―――何者かは存ぜませぬが、すでに殲滅させられた後にござりました。

コ:・・・よもやそれは―――蒼龍の騎士・・・?

ノ:―――あの存在が? ・・・いや、しかしそれはありえるか―――

紫:・・・ちょっと待って?! 蒼竜の騎士―――って、一体しか確認されていないのでは・・・

  それが同時期に、コーリタニでも・・・その町でも存在が確認されているなんて―――・・・

 

チ:―――そう云えば、手前たちが見たカルマ兵の状態は、或る者は焦されていたり、或る者は互いを傷つけあっていたり・・・

  あとそれと、何かの強い衝撃で身や骨が砕かれていた者達までおりました。

 

キ:(うわ・・・また随分とはっちゃけてんなぁ〜―――)

 

紫:ふぅん・・・でもそれはそれで妙な話ね―――

  だって、私たちが知っている蒼竜とは、それとはまた別―――・・・

  相手を凍結させたり、斬り―――薙ぎ倒したりするのが主だもの。

ノ:ほう・・・・では、一体何者が―――もしやするとあのような存在があと数体いるとか・・・?

 

 

〔ラージャの将官であるノブシゲやチカラから、そちら方面であったとされる小競り合いでのカルマの被害状況を見聞するなり、

キリエは誰と誰の仕業か―――すぐに判りました。

 

今ここにいる者達の―――その誰よりも上級位の将校であるあの二人・・・

 

その二人が、本気でないにしろカルマの先遣隊を殲滅させていたことに、

キリエはさらなる不安に駆られたものなのでした。〕

 

 

 

 

 

To be continued・・・・

 

 

 

 

 

あと