≪四節;まだ見ぬ同志と共に・・・≫
エ:お〜い―――すんませ〜ん、こことりあえずソーメン十把お願いね〜
あ、あとそれから〜サジの活きのいいヤツ―――飯大盛りに汁(つゆ)だくでお願いね〜♪
ヱ:・・・よく食べるなぁ―――お前は。
エ:そりゃそうだろう〜―――? これからおっきな働きをしなくちゃならないからね〜スタミナは付けとくもんだよ。
・・・っと―――来た来た♪
ヱ:ふむ・・・熱い湯の後にさっぱりとした味わい―――中々ですね、御主人。
主:へへっ―――巧いこと云うねぇ〜お嬢ちゃん。
ほいよ、そちらの丼物、お待ち―――
エ:おほ〜♪こいつぁ―――また、焼きもタレも極上モンだね〜♪ マダラの奴にも見習わせたいよ―――
ヱ:(相も変わらずよく食べること・・・)
ああ、御主人―――私には別に梅干しを・・・道中パテないように常備食にするから。
主:へぇ〜梅干しを・・・ねぇ―――どこへ行くんで?
ヱ:ちょっと北の方へ―――
主:北・・・って云やぁ―――今、戦の真っ最中だって・・・
ヱ:―――だ、としても行かなければならないの。 お使いなんだから・・・
主:そうかい―――大変だねぇ、そんじゃ多めに入れとこう・・・お代の方は負けといてあげるよ。
ヱ:そう・・・ありがとう―――
〔心の温まる一コマ―――滅多と客の来ないであろう定食屋に、客人二人とは云え注文を多く取ってくれたことに、
定食屋の主人は心なしかのサービスをしてくれたのです。
その優しさにお礼を云うヱリヤ―――・・・
そう・・・この何気ないやり取りのお陰で、私たちはまたあなたたちを護ることができる―――
その他は、何もいらない・・・この、ほんの、ささやかなる、心温まるモノ以外は―――
そして、まだ見ぬ同志と共に、か弱き命ある者を守り抜くため、戦場を駆け抜けるのです。
・・・と、ところが―――〕
エ:おんやぁ〜?美味しそうな梅干しだこと―――ちょいと一つ拝借〜。
ヱ:・・・って―――ちょっとあんた?! それ・・・今あんたが食したものと一番相性が―――・・・
エ:ははぁ〜ん? 食い合わせのことを云ってるんだろ〜?
いいんだよ―――別に、一個だけだしそんなん迷信だろ?
ふむ・・・ふん―――いい〜味♪ 酸っぱさも程よくいい塩梅に・・・
―― す・る・と ? ――
ゴロロロ・・・
エ:―――あれ? な・・・なんだかちょっちおかしいよ? お・・・おなかが〜・・・
ヱ:・・・云わんこっちゃない―――迷信を莫迦にするからよ。
エ:う゛い゛ぃ゛ぃ゛・・・しょ―――しょんなあぁ〜・・・ふぎっ―――!
ゴロロロ・・・
エ:お・・・おにゃかのなかで、雷さんが〜〜―――ゴメン! おっちゃん、ちょっと厠を拝借〜!
ヱ:・・・あれわ当分立てこもるわね―――
主:あの・・・それよりお勘定―――
ヱ:どれ見せて・・・(結構食しましたからね―――うわ、やっぱり・・・)
悪いですけれど、この領収書―――シャクラディアの方まで請求して頂戴。
主:シャクラディア・・・皇城―――ってことは、あんたがたはもしや・・・
〔どうやら食い意地を出してしまったエルム女史は、昔から伝わる食い合わせのことを無視して今は大変なことになっているようです。
―――ともあれ、連れの一人が厠へ行っている間に食い逃げをされては敵わないと思った定食屋の主人は、
残った女児に膨大な食事代の請求を行ったのですが、生憎持ち合わせがなかった女児は、食事代の請求を皇城・シャクラディアに回すように云ったのです。
そのことで定食屋の主人は、この客人二人がパライソの関係者ではないかと疑うのですが、
女児からはこのあと一言・・・自分たちはただのお使いの人間に過ぎないと―――
これから屍山血河を築きに征くと云うにも拘らず―――・・・〕
To be continued・・・・