≪四節;次の局面へ・・・≫
〔そしてもう一方は―――こちら・・・敵国であるカルマ、コキュートス城の一室で・・・〕
――コン☆ コン☆――
シ:いいよ〜開いてるから入っといで―――
ビ:・・・では、失礼を――― おや、丞相閣下もこちらでしたか。
ジ:やめてよ―――ベェンダー・・・今の私はそんな役職に就いていないわ。
ビ:それはどうも―――・・・
それより、吉報をお持ちいたしました。
シ:フフ〜ン♪ キュクノスの奴の排除が完了したかい―――
ビ:お察しの通りで―――・・・
ジ:あぁ〜ら♪ あいつはもう少し長生きできると思ったのにね〜〜―――
ビ:それとあと一つ・・・どうやらエルム様が掛けていた保険が発動しましたようで―――
ジ:・・・と、云う事は―――マグラが?!
あいつ・・・余計なことをしなければいいんだけど―――
シ:・・・ま、それも取り越し苦労に終わるでしょ〜〜♪・・・と―――
ジ:お姉様・・・また何を隠しているんです?
シ:知りたぁ〜い?w でも―――教えたげなぁ〜いw
〔敵の本拠の一室で、あることをするための同志たちが集まっていました。
その同志の顔ぶれとは・・・ここ最近、カルマ総帥サウロンの新しいブレーンともなった、「黒き宰相」とも呼ばれるジィルガ―――と・・・
七魔将筆頭の配下にして、この同志たちの云わばフィクサー的存在であるシホ―――そして、七魔将筆頭でもあるビューネイ・・・
ですがこの三名は、今更云うまでもなく・・・これまでにカルマの埋伏の毒としてこの国に潜んでおり、
この時にビューネイが来たのも、元クーナにおいて展開されつつある事変の報告に来ていたのです。
そして―――七魔将の一角が切り崩されたことを皮切りに、かの方面における局面を、また一段階推し進めようとしていたのです。〕
シ:さぁ〜―――て・・・と、ここからが正念場だよ。
ベェンダー、お前にはちょいと危険な任務を与えよう・・・
お前はこれから、かの地方に赴いて現在そこに居座っているフォルネウスに接触を図るんだ。
ジ:お姉様―――まさか・・・この子に奴らの手助けをしろ・・・と―――
シ:それは表向き・・・今回おっ死(ち)んだキュクノスのお悔やみを述べるとともに、少々皮肉を利かせてやるのさ。
そして・・・ここからが本題だ―――
〔この三名の首謀であるシホ―――こと、ガラティアは、自分に忠実な部下ビューネイ―――こと、ベェンダーに一つの任務を与えました。
その内容とは、この度不慮の戦死を遂げてしまったキュクノスへの悔やみ・・・と、それに伴う皮肉を少々―――とは・・・
なるほど―――これでは東部戦線を管理統括しているフォルネウスにとっては面白からぬ話・・・
最悪の事態を想定するには、七魔将の三傑の一人と真剣に勝負しなければならなくならないかもしれないわけであり―――
そのことを心配したくもなるようですが・・・
実は、ガラティアが言い含めていた 危険 は、この後に残されていたのです。
そう・・・今回ガラティアがベェンダーをクーナ方面に派遣させようとする意図こそ、
かの方面にて自分たちの良き理解―――協力者として働いてくれたあの三人・・・
カイン・ヒヅメ・ギャラハット達の、今後の身の振り方を見定めてのこと―――だったのです。〕
To be continued・・・・