≪五節;ハルナ陥落≫
〔そんな疑問よりも、ここまで来てもはや何の前置きもいりませんでした。
そこにいるのは、これから倒すべき敵将であり、今までの屈辱の日々を雪(そそ)ぐべき対象でもあった―――
だからこそ、リリアとヒヅメの二人は、刃の煌めきを持ってフォルネウスを討とうとしていたのですが、
そんな彼女たちよりも迅(はや)く―――彼に止めを刺した者がいたのです。
そう・・・彼に、代々からの怨みを受け継ぐ、ある一族の長―――〕
エ:覚悟しな―――! フォルネウス!!
――=コスモ ディプラプション=――
リ:あ・・・ああっ―――エルム様!
ヒ:(このあたいよりも迅(はや)い!)
それよりも・・・なんて華麗な技―――
〔それは―――グランド・パンツァーのようにしなやかであり・・・フォトン・スパローのように迅(はや)く・・・
フォルネウスを討ちにかかっていた、リリアとヒヅメの脇をすり抜けるかのように追い抜くと、
夜空の星々たちを纏わりつかせたかのような、そんな華麗な連撃を、宿怨のある敵将の身体に叩き込んだのです。
これではさすがに、三傑である魔将も立ち上がれないだろう・・・と、そう思っていたら、
エルムは、これしきの技では、三傑であるフォルネウスが討てないことが判っているのか、彼が立ち上がってくるのを待ち構えていたのです。
―――ところが・・・〕
フ:う・・・ぐふぅ・・・ぐ・ぐ・ぐ―――エルムドアの血を受け継ぎし者・・・エルム―――
そういうことか・・・! あのヤロウ―――どうやらお前とつるんでいたらしいな・・・
エ:(・・・・。)
なんのことを云ってるか判らないけど―――この私が、同じ「帝國の双璧」である=鑓=のあの人と、
私たちの主であった女禍様以外に、他の誰とつるむって云うんだい。
いい加減なことを云って、この子たちを混乱させるのはよしてもらいたいもんだね!
フ:フ・フ・・・フフフ―――愚かな・・・そのような欺瞞、この私が信じるものと思うのか!
ま、まあいい・・・アクター・ネファリウスをヤツに砕かれたとて、私が貴様ら如きに敗けようなどとは思わぬことだ!!
エ:フフン―――そんなこと云って・・・結構無理してるのが見え見えだよ。
昔と同じようなことを云って、私を牽制するのもいいけど・・・もう一工夫してもらいたかったもんだわね!!
〜契約完了〜
――=プロヴァ・ディ・セルヴォ=――
――云いたいことは解るよ 希望に添えぬのは残念だが――
〔意外にも、エルムの技を喰らって倒れたフォルネウスは、息も絶え絶えでした・・・。
古き過去には、同じような技でもダメージ一つ負わせられなかったのに・・・現在では、挨拶代わりの技でも虫の息―――
そのことにエルムは訝しみを感じながらも、二度と自分たちに抗う事が出来ないようにするため、止めを刺したのでした。
けれども―――・・・エルムの耳に残っているのは、散り際のフォルネウスのセリフ・・・
満更負け惜しみなど云いもしない者が、この時に限ってそんな意味とも取れることを云っていた・・・
自分の味方は、自分しか知らない筈なのに・・・自分も知らない味方がいる―――と・・・
古き過去からの友人に―――やはり、古き過去からの盟主・・・
その二人が、自分の知る味方・・・
それなのに・・・自分も知らない味方―――?
一体誰なのだろう・・・そのことにエルムは、フォルネウスのその言葉の意味を噛み締めていたのでした。〕
To be continued・・・・