≪三節;処遇≫

 

 

〔一方その頃―――・・・ウェオブリにて、統北将軍・録尚書事であるイセリアと対面した婀陀那は・・・〕

 

 

婀:さて・・・折り入って妾に話があると云うのは―――

イ:実は・・・あなた様の旦那様に関してのことなのです。

 

婀:タケル殿の―――

イ:はい・・・。

  それに、彼を凡庸な官職で終わらせてしまうのは、国家において重大な損失である―――との声も浮上しております。

  それにつきましては・・・こちらを―――

 

婀:これは・・・推挙の連判状―――

イ:はい・・・。

  北を固める諸将や諸官は、皆この意見に賛同してございます。

  それより・・・この意見、誰からのものだと―――?

 

婀:北部総督・カイン殿か―――!

イ:あの方の云われによると、元々敵だった自分たちが国家の忠臣より位が高いと云うのは、いかなる理由からか・・・と、こう云うことでして。

  そこをセシルは、ならば自分も―――と・・・

 

婀:フム・・・なるほどな。

  元々パライソの国としての成り立ちは、フ国を礎にして―――で、あるが・・・

  ならば妾達は、元はどのような存在であったか・・・

イ:はい。

  御身もヴェルノア公国の出なれば、私たちも不肖はフレンスブルグ王国の出―――

  そのような者が、女皇陛下の忠臣を差し置いて、大将軍だの録尚書事であってよろしい道理がない・・・と―――

 

婀:フフ・・・そこはそこもとの脚色であろう―――

イ:恐縮でございます・・・。

 

婀:フム、判った。

  妾もかねがねタケル殿の処遇には疑念があった処じゃ。

  だが―――この書状があれば、そのような愚図を申し述べる者を抑えることが出来る。

  あとのことは、妾に任せられよ。

 

 

〔ある時突然―――北部をまとめる総督職にあるカイン某より、一石を投ずる意見がなされました。

そのことに呼応して、彼の実妹であるセシルや―――彼女の同志であるリリアやイセリア・・・

また、彼女たちの伴侶であるミルディン・ギルダス・ハミルトンなどなど、錚々たる面々が賛同する証しともなる連判状に名を連ね。

その要として、タケルの奥方である婀陀那の賛同を得ようとしたのです。

 

かくして―――その連判状を一読した婀陀那は、彼女自身が以前から抱いていたことでもあるとし、

加えて、この度交わした密約のことも話し合わなければならないとしたことで、急遽―――愛馬イキズキの手綱を取り、一路シャクラディアを目指したのでした。〕

 

 

 

 

To be continued・・・・

 

 

 

 

あと