≪五節;連環の計≫
〔ガルバディアの西南からの途・・・幽谷道方面よりの侵攻の抑えに起用されたのは、
「三傑」の一人でもあり、ビューネイに次ぐ実力を保持していると知られているアウナスでした。
その彼は、今まさに陥落せんとしているワコウの救援よりも、敢えてかの地を見棄てると判断したジィルガに対し、激しくも反論を展開させたものだったのです。
ですが・・・カルマを統べる魔皇からの一言が、アウナスを躊躇させた―――
つまりは、それほどサウロンの・・・カルマに対する影響力は甚大だとも云えたのです。
そこの処を―――承服しがたいながらも、理解はした・・・と、述べたべリアスでしたが、
ならば、今回の布陣に割り振られなかった魔将の筆頭や、黒き宰相・・・果ては、この度よりの新加入勢力となった「龍皇」のことを訊いてみたところ・・・〕
ジ:私と―――ビューネイ様とスターシアは、このコキュートスをお守りいたします。
べ:フン―――やはりな! 貴様何を企んでいる、我らが・・・
ジ:但し―――各方面が苦戦をされているようならば、直ちに救援を送るつもりでおります。
ですが・・・そんなことは万が一にも考えられませんよねぇ〜。
何しろ、先ほどかの軍を「脆弱」だと云い切られたことですから―――
ア:フン―――当たり前だ!! 目にモノを見せてくれるわ!!
だが・・・ジュデッカとマディアノでパライソの奴らを殲滅し終えたら―――次は貴様らの番だからな・・・そう思え!!
〔これでいい―――・・・
既に魔将星破滅へのシナリオは、幕を切って落とされたところでした。
彼らを一ヶ所に纏めず―――誘(おび)き出して各個撃破・・・
今回はそれに倣い、まんまと残った二魔将―――アウナスとべリアスを、それぞれジュデッカとマディアノへと分散させた・・・
これで、難攻不落の二大要塞が、彼らの墓標替わりとなるだろう・・・
そしてまた、そのことに関する手配も、総て終わらせている―――
あとは―――・・・
最早、彼らに残されているのは、「滅亡への途」・・・ただ一つだけなのでした。〕
To be continued・・・・