≪五節;お為ごかし≫
〔それと云うのも、外のパライソ軍の様子をモニターで確認していたカルマ兵たちが・・・〕
魔:・・・むっ? な、なんだ―――これは・・・どうしたんだ??
魔:う、うひゃぁ〜〜! た、大変だ―――ショートしやがった。 ・・・って、なんで??
ア:―――どうしたのだ。
魔:え? ああ―――いえ・・・はい、アラケス様。
ジュデッカに配備されているコンピュータが、原因不明のオーバーロードを起こしまして・・・
魔:ひ―――被害状況拡大中! 現在確認されたところで、オートファージ・システムの沈黙と、拡散波動砲の各システムに異常発生が確認されました!
魔:なにぃ〜? ・・・元に戻るのにどれくらいかかる―――
魔:は、はあ〜・・・部品の調達日数を考慮に入れると―――最低でも数週間は見てもらわないと・・・
ア:なんだと? ええい―――愚図愚図している暇などない! なんとか要塞に備蓄してある部品で間に合わせろ!
それと・・・最悪、拡散波動砲は使えるようにしておけ、オートファージの方は使えなくともよい・・・。
〔意外なことに、ジュデッカに配備されてあるマザー・コンピュータが、原因不明のオーバーロードを起こし、各システムに異常を発生させてしまったのです。
それにしても原因は・・・?
謎が謎を呼ぶばかりでしたが、一つ幸いだったことは―――この異状がパライソ側には知られていない・・・と、云うこと。
もし知られてしまったら、この巨大な鉄の塊に人が殺到し、やがてはジュデッカの難攻不落伝説が終(つい)えてしまうことにもなる・・・
それだけは、絶対避けなければならないことでした。
それにしても・・・なぜ、この要塞のコンピュータが、オーバーロードを起こしてしまったのか・・・
その原因を、どうやらアラケスは気付いたようでした。
それも―――スターシアからのこの科白で・・・〕
ス:フフフ・・・これは大変なことになってしまったようだな。
どうした―――お手伝いでもしてやろうか。
ア:スターシア・・・まさか、貴様―――!
ス:おやおや、どうしたと云うのだ・・・そんな怖い顔をして。
ア:ええい!白々しいわ!! これは・・・貴様のやったことなのだろう!
ス:だ―――と、したら・・・?
ア:赦してなどおかぬ・・・それと、丁度いい機会だ。
長年の因縁―――ここで終着としてくれよう!
ス:フフフフ―――奇遇だな・・・この私も、同じ考えだ。
〔スターシアは、「龍皇」と呼ばれる前は「雷帝」と呼ばれていた時期がありました。
そう―――つまり、微弱な電流を帯びることなど、彼女にしてみれば造作もないことだったのです。
そのことを前もって知っていたアラケスは、今回の事故もそこに結び付け、そのことを理由にしてスターシアに決闘を叩きつけてきたのです。
かなり以前からお互いを敵視をしていただけに、何を間違って自分達の味方になるなどと・・・
アラケスにしてみれば、本当の処を云ってしまえば―――スターシアの顔を拝んだだけでも、すぐさま彼女を殺してしまいたい衝動に駆られたモノでした。
けれど、彼女を味方に承認してしまった魔皇の手前もあるからか、敢えての無関心を装っていたまで―――・・・
しかし、今となっては・・・今のこの場で、この女を殺してしまうことが出来れば、あとは「死人に口なし」―――理由づけはどうにでもなる・・・
だからこそアラケスは、スターシアとの決着に躍起になっていたのです。
その一方で―――外のパライソ軍は・・・〕
ノ:ヱリヤ様とエルム様の攻撃―――今ので何回目になります・・・。
チ:今ので、丁度50です。
ノ:そうか―――・・・(まだ・・・なのか。)
紫:私達―――って、こんなにも無力だったんですね・・・。
あの方たちが一生懸命に頑張っていても、私たちは見て励ますことしか・・・
チ:なにを云うのでござるか―――紫苑殿! そのような負の感情を抱いてしまっては、士気にも係わってまいりますぞ!
ノ:(左近の奴め・・・しかし、良い心がけだ。
それにしても気になるのは―――向こうからの反撃の手が緩くなりだしたような・・・)
〔間断なくヱリヤとエルムの攻撃は繰り返されていました。
けれど、肝心の扉には何の変化もなく・・・そのことで指揮官の紫苑が、つい弱音を吐いてしまいそうになるのですが、
以前から彼女に好意を寄せているチカラが励まし、なんとか彼女を立ち直らせたのです。
しかし・・・とある異変を、ノブシゲは微妙ながらにも感じ取っていたのでした。
それと云うのも、先ほどまでは―――反撃にも粒子加速砲が見舞われていたのに、今では弓矢や投石が主となっていた・・・
この理由づけに、ヱリヤとエルムの両人からは、砲のエネルギー充填に時間がかかっているのだろう―――と、するのですが・・・
実のところ、彼女達にもそのことは怪しいと映っていたのです。
けれど、真相を暴くには、なんとしてもこの鉄壁の扉を打ち砕かなければ始まらないとして、
飽くことなく突撃は繰り返されたのです。〕
To be continued・・・・