≪四節;誰に対しての謝罪≫
〔とは云え・・・ルリはそこで申し訳なさで一杯になり、急いで謝ろうとしたところ―――〕
ル:あの・・・っ―――も、申し訳ございませ・・・
ア:・・・何に対し、また誰に対し謝っているのかは判りませんが・・・余りご自分を卑下するものではありませんよ。
それに・・・本当の意味で、皆さまに対しお詫びしなければならないのは―――わたくしの方ですのに・・・
〔おかしな―――奇妙なこともあるものだ・・・
自分がしてしまったことは、もしかすると「大逆」にも匹敵する事かもしれないと云うのに・・・
それをアヱカは否定し、逆に自分が皆に謝らなければならないと云うのです。
・・・皆―――?
それにしても「皆」とは・・・?
パライソ全国民に対し―――?
それとも、今回出撃した全諸官諸将―――?
そんな不特定多数に、どうしてアヱカは謝罪をしなければならないのか―――
するとアヱカは・・・ルリの方を振り向くと、こう告げたのでした。〕
ア:わたくしは・・・これからある場所へと行かなければなれません―――
そこで、ある方と正面から向き合い、これからの事を話しあわなければならないのです・・・。
そして、そのある場所とは・・・かつては、わたくしの巡宙艦(クルーザー)であった―――カルマのコキュートス・・・
それでは、あの事をよろしく・・・頼みましたよ―――
〔衝撃の事実だけを残し、アヱカはその場より去りました。
それより・・・彼女の言動の前後から鑑みてみれば、カルマの本拠であるコキュートス城へと転移をした・・・?
そんなことより、アヱカがそんなことが出来る人間だとは思ってもいなかったのに―――
それが、現実として出来てしまっている・・・
加えて―――敵の本拠へと乗り込んで、総大将以外の何者に会おうとしていたのか・・・
そも、なぜ敵の本拠を、あたかも自分の持ち物であるかのように云ってしまったのか・・・
今回のアエカの言動を見る限りでは、それこそが最大の「謎」であったのです。〕
To be continued・・・・