≪七節;未来(あす)への希望の光≫
〔その様子を見ていたビューネイは、またもや一計を案じ・・・〕
ビ:私が探しているモノは、あなた達の内には見えません・・・
だとしたならば、先行させた二人のうちのどちらか・・・そうですね―――女の方が持っていそうですかな・・・。
〔そこでベェンダーは、騙(かた)りを使わなくてもいいのに、敢えて使ってみようと思いました。
その理由は・・・「なんとなく」―――
「なんとなく」だけど、今ここで使用すれば、見つかるかもしれない―――・・・
なぜかそう云う予感がしてきていたのです。
そして事実、その騙(かた)りを使った事で、ある者の反応が今までとは違ってきたのです。〕
リ:(!)お前―――・・・婀娜那様をどうしようというの!
〔以前から―――ヴェルノアの公主時代から敬愛し、彼女の最も近い場所にいたいとさえ思っていた人物・・・リリア=クレシェント=メリアドール。
もし―――この世が混迷した時代へと突入せず、以前のままの状態だったら・・・
リリアの願望は、叶う事は難しかったことでしょう・・・。
けれど、今まさに世は混迷を極め、公主婀娜那のヴェルノア公国や、リリア・イセリア・セシル達三人のハイネスブルグは、
今やパライソに統合されている―――・・・
そう、事の経緯(いきさつ)はどうであれ、リリアは自分の願望を・・・
婀娜那に最も近い場所に身を置く事が出来ていたのです。
でも・・・そんなリリアのささやかな願いでさえも、蹂躙(ふみにじ)ろうとしている奴がいる―――
そんな事は赦されない・・・赦されていいはずがない―――!
だからリリアは、満足に動かない身体を、無理矢理にでも動かそうとしていたのです。
しかしこれを見ていた、同じ十聖剣の一人である紫苑は―――・・・〕
紫:待ちなさい・・・いくらなんでも無茶よ―――
私達が束になっても敵わなかったのに・・・それが、あなた一人で立ち向かった処で、何がどう変わると・・・
〔実力の差をまざまざと見せつけられた―――
それは、8人の殆どがそう感じていたことでしょう。
けれど―――・・・
けれど、今のリリアの耳に、そんな言葉が入る筈がありませんでした。
だからこそ云えたのです―――リリアの・・・渾身が籠った「言の葉」が・・・〕
リ:実力の差・・・なんて判っている―――
けれど・・・だからと云って・・・私達は、負けられないのよ―――!!
〔この・・・リリアが発した、毅然とした「言の葉」に、ビューネイは一瞬たじろぎました・・・。
―――なんと云う輝き・・・
未来に・・・更なる可能性を秘めた、「輝き」―――
それを見るとビューネイは―――いえ、さある賢者の忠実な助手は、急に嬉しくなったものでした・・・。
そして―――そう・・・この「輝き」こそが、ベェンダーが探していたモノ・・・
創主が探している―――更なる「輝き」を秘めた者の、その「輝き」を、ベェンダー自身が眼に収める事が出来たことで、
この時代における、彼の役割が終わりを告げようとしていたのです。〕
To be continued・・・・