≪五節;「けじめ」のつけ方≫
〔それに・・・タケル自身が過去に、ほんの少しばかりとはいえ剣の手解(てほど)きを受けたと云う事は、或る意味でも「師弟対決」になっていたのです。〕
ガ:それじゃ・・・遠慮なく征(い)くとしようかねぇ!
タ:お待ちになってください。
どうも先程からの、気になるやり取りを伺っていると・・・ワシらは対峙すべきではないのではないのですか。
それに第一、ワシにこの貮漣の本来の使い方を教えてくれた・・・だから―――
ガ:だから・・・こんな野蛮な行為はヤメにして、もっと穏便に―――且つ平和的に行こう・・・ってかい。
あんたなら、もう少し理解してくれるものと思ったんだけどねぇ―――坊や・・・いや、タケル。
さっきも云っただろう、「けじめ」なんだよ―――これは!
あんた達が希(のぞ)むと希(のぞ)むまいと、人類に仇なす存在は後世に残ってはいけないんだよ!
さあ・・・判ったならさっさと剣を取りな!!
〔その黒衣の魔導師の言葉を聞くと、タケルの背後(うし)ろで、その場に塞ぎ込んでしまった気配を感じるのでした。
もう―――どうにもならない・・・
この人は―――覚悟を・・・腹を括った上で、この場に立っている。
自分が―――斃される・・・そのことが前提で、この戦場に臨んでいる実の姉を・・・
アヱカの精神の内(なか)で、未だ存在し続ける「古(いにし)えの皇」女禍―――・・・
その彼女も、最初の内は・・・カルマ総大将、魔皇サウロンを討伐することだけを念頭に置いていました。
だから・・・自分の存在を消してまでカルマに潜み、内部から切り崩していく姉達の存在を捉える事は出来なかったのです。
それに・・・今にして思えば、ここ数年のカルマの衰退ぶりが判るようでした。
確かに、カルマのクーナ侵攻は鮮やかだった―――・・・
あの地域をカルマに占有されれば、他の列強は食に関して大いに困る事になるだろう・・・
そして事実、そうなってしまった―――
そこで女禍は、本来そうするつもりなどなかったのに、決起する気持ちを固め、自身の身の栄達ではなく―――人間達の生活を勝ち取るために立ちあがったのです。
その結果、またしても「女皇」などと云う最上の位に就いてしまったのは、ほんの成り行きだけの話しで、
総じてカルマを平定してしまえば、退位すらも彼女の計画の内に入っていたのです。
しかし―――こうしてガラティアの計画の一部でも聞かされたからには、協力をせざるを得ない・・・
それが例え、「姉殺シ」と云う最悪のシナリオだったとしても・・・
なぜならガラティアは、女禍やジィルガの年長者であり、ある組織の内(なか)での彼女達の上司でもあったのです。〕
To be continued・・・・