≪四節;ある―――秘匿の報告≫
〔一方その頃―――・・・フ国はウェオブリの、タケルと『禽』は・・・
総ての情報の披露が終わり、また各地へと散らばっていく『禽』たち・・・
―――と、そこへ、任地に赴かずに、その場に留まっていた一羽の『禽』が・・・〕
タ:――――どうしたんだ、ユミエ・・・
ユ:・・・・実は―――このことはタケル様にだけ、お耳に入れておいたほうがよい・・・かと―――
タ:・・・なんだ―――
ユ:今回・・・ここに来る以前に、敵方の<ゴモラ>なる砦に立ち寄ったのですが―――
そこには、現在ヴェルノアに潜入している“あの者”と、同じ容姿をしている人物が―――・・・
タ:(―――!!)
そうか・・・判った―――
〔それは・・・=鵺=のユミエ―――
その彼女が、主と二人きりになりたかった理由とは、何もお互いが傾想しあっている仲だから―――
と、いう様ではなく、他の『禽』たちには聞かれたくはない・・・知られたくはない―――
いわゆるところの、ある種の『最重要機密事項』<トップ・シークレット>であったから・・・
では、その情報とは――――
以前―――ユミエが、『東方の雄』である列強に、入国した際に出会っていた存在・・・
その国の最重要人物である【ヴェルノアの公主】――――
でも・・・実は、その時のその存在は、自分達『禽』の同胞である=カケス=という人物だった・・・
では―――公主本人は今どこに―――??
それを暗に示していたのが、ユミエのこの情報だったのです。
すると―――やおらしてタケルは、今回出していたユミエの任務を取り下げるとともに、新たなる指示を出し、
また・・・自らも動く事となるのです。〕
To be continued・・・・