≪九節;議題検討―――国の行く末を・・・≫
〔それはそれとして―――今回の朝議であがった議題を検討するべく、
それら総てを公主様の部屋に持ち帰る、婀陀那とルリと紫苑。
すると―――当然であるが如く、ある者からは非難の声が・・・〕
紫:・・・・全く―――二人ともおフザケが過ぎますッ!!
あれでは、他の者が哀れでなりませんっ―――!!
公:はっはっはっは――――まあ、そういうな紫苑。
あれはあれで傑作だったではないか―――
紫:もぉぅっ・・・・ルリ??
ル:(うふふっ―――)どうも―――。
でも、これで紫苑さんを除く総ての官僚に対し、牽制の形となりましたことですし―――
また、こうするために、敢えてあのような形を取られたのですよね、婀陀那様―――。
婀:うむ・・・・・(パラ)まぁ―――そういったところか・・・(パラ)
(ふうむ―――)中々よい議題があがってきておるようじゃが―――
一つ、“外交”に関しては、『修正』を加えねばなるまいなぁ・・・。
紫:は―――? “修正”・・・を、とは、この案件に関しましては、これで十分のように思われますが・・・
婀:(フ・・・)ここを―――――(スラスラ〜)こう―――――・・・・(シャッ―――☆)
紫:(え・・・ぇえ〜〜―――っ??!)
あ・・・婀陀那様――――これは?!!
〔そのことは、自分がその職についているからなのか、諫言に近い言葉でした。
(諫議大夫の“諫議”とは、『諫める』ことであり、その役職に就いている者の主な役割は、君主に対し『諫言』を行うことである。)
それはルリにしても―――婀陀那にしても・・・官僚たちを惑わせるような悪ふざけをした事に対して。
すると、ルリからもすかさず―――婀陀那の声色ではない、彼女自身の声と言葉で語った、
『どうして公主・婀陀那の姿をしたルリを、婀陀那本人がいるのにもかかわらず、官達の眼前に晒したのか』
その理由を述べたのです。
そして―――そのことの同意を婀陀那に求めたとき、すでに婀陀那は朝議の議事録に目を通していたのでした。
朝議の議題―――それは、現在のヴェルノア公国の国力を示しているかのごとく、
力強くもあり、安定しているものばかり・・・ゆえに、『修正項目』など付け加えようもないはず―――なのですが・・・
婀陀那本人からしてみれば、まだ物足りなかった―――・・・
だから、たった一つだけ、『修正』という筆を加えたのでした。〕
To be continued・・・・