≪七節;御旗の下に―――≫
タ:(ス――・・・)(・・・来たか―――)
〔男は・・・大きく縫い付けられた『帥』の旗の下で・・・
悠然とある“存在”を待っていました―――・・・〕
はぁ はぁ はぁ はぁ
婀:(まだか―――・・・まだ、『帥』の旗は見えぬのか・・・!)
〔女は―――無謀とも思える“逆落とし”を決行し・・・
ただ、その“存在”を見つけようとしていました―――〕
はぁ はぁ はぁ はぁ
婀:(見当たらぬ―――わ、妾としたことが目測を誤ったというのか!!?)
〔婀陀那は、坂を駆け下りてはみたものの・・・どうやら完全に目測を誤ってしまったらしく、
未だに『帥』の旗を見つけられずにいたのです・・・
――――が・・・・
焦らずあまり熱くならないよう一つ深呼吸をし、立ち位置も一歩引き下がって辺りをくまなく見渡し、
その“目印”がどこにあるのか・・・を見定めていたとき―――
早朝の・・・霞の狭間で・・・悠然とはためく――――〕
婀:ぁあ・・・・!(み―――見つけた!!)
〔そして―――その場所を十分に確認し、単騎で襲い掛からんとする騎兵・・・・
しかし、その旗の下で悠然と待ち構えたる存在は・・・そのことなど気づかないままなのか―――
巨躯を床几にゆだね、“なにか”を待ち臨んでいたのです。〕
ガ カカッ―――☆ カ カ カッ―――☆
―――そこな者・・・敵軍総大将とお見受けいたす・・・
お覚悟召されいっ――――!!
タ:(騎馬の・・・蹄の音―――!) やはり・・・こられましたか―――!!
婀:ちぃえやああ―――――っ!!
タ:ヌ・・・むぅうん―――ッ!!
ガ☆ キャシャィィ――――ン・・・
婀:(フ―――・・・・)
タ:(ニィ―――・・・)
カ カッ――― カ カ カッ――――・・・
〔やにわに―――腰に佩いていた クロス・クレイモア≪ジグムンド≫ を、その旗の下にいる者に斬りつけた・・・・
しかし、『帥』の旗の下にいた者も、その騎馬武者が何処(いずこ)より来たりて、ナニを為そうかということを“識”っていたかの如く、
自己のスキル『晄盾』を展開させて、彼の騎士の斬撃を防ぎきっていたのです。
でも―――・・・そのことを、まるで確認しあうかのように、二人は微笑みあい・・・
“白銀の騎士”は、亜麻色の髪をたなびかせ・・・朝もやの中に消えていったのでした。〕
To be continued・・・・