≪十節;魔将星墜つ―――≫
〔そして―――この闘争も佳境に入り・・・〕
ワ:ぬぅぉおりゃあ〜〜――――!
キ:≫けぇりゃあ――――!!≪
ビュゥゥ〜〜―――ン・・・ ドブオォ―――――ッ・・・
ガ☆キイィ――――・ ・ ・ン
ギッギッ・・・ ギシギシ―――・・・
ワ:むううっ・・・こ、これほどとは―――しかし、なぜなのだ!!
キ:≫フン―――永らく惰眠を貪っていた貴様らとは違うのだ!!
確かに私たち二人は、未だにレベルが低かったために、こうして居残りをせざるを得ない事を強要されられた・・・
けれども―――私たちは、この7万年という時の流れに、ずっと人知れず鍛錬し続けてきたのよ!!≪
ワ:フン―――フフフ・・・そうか、そうだったか・・・。
お前ら二人―――ヴァンパイアの子爵とお前・・・たとえ異種族とはいえ、仲が良かったものなぁ・・・。
キ:≫・・・・何が云いたい――――≪
ワ:なぁに―――言葉通りよ、互いに傷を舐めあうほどに仲が良かったというなあ!
それが何万年鍛錬を積もうが、決定的な実力の差というものは埋めることはできん!!
さぁ・・・化けの皮でも剥がしてくれるわ―――!!
〔互いに押し合い、軋む音がすぐ耳元まで響いてきそうな、『凍てつきの画戟』と『尖莉剣』・・・。
この闘争の中で、彼らは正面向き合い往時からのことを語らいだし、
遠い昔には彼の存在である二人は、魔将の足元にも及ばなかった事を知らしめようとしたのです。
けれども―――忘れたという事ではなかったけれども、
姿が見えなかった事で油断をしていたことは否めなかったようで・・・〕
カ:ああっ―――龍の騎士のほうがだんだんと押され始めて・・・
コ:あの存在をしても魔将には敵わぬと申すのか―――!
紫:・・・だめか―――(うん?) ・・・・まだ、なにか―――いる??
ヒ:(キリエさんよぉ――――)
ワ:フッフフ―――・・・どうしたぁ・・それまでか?
所詮お前は、まだまだオレの敵う相手ではなかったのだあ!!
それに・・・もう一人の片割れはどうしたぁ―――あのヴァンパイアの子爵は・・・
まぁたあの時の様に、戦場の隅で震えて縮こまっているのじゃないか?!!
フッ―――フフフ・・・・
キ:≫・・・何を勘違いしている―――わが戦友(とも)が、いつまでも不甲斐のない戦士(ひと)だとでも思っていたのか!!
だとしたら思い違いも甚だしいところよ・・・あの人は、最初からずっと―――
私と貴様が戦戟を交わらせていたときから、ずっとここにいるのよ!!≪
ワ:な―――ん・・・だと??!!
キ:(クワ!!)≫今――――!!≪
ズ ズゥゥ――――・・・
サ:ぬぅぉりゃぁあああ――――!!
ズ ド シユウゥゥ―――・・・ ・ ・ ・
ワ:う゛・・・が―――ごお゛ぉ゛・・・っ?!!
カ:(ハッ――!)あの龍の騎士の影からもう一人?!!
紫:い―――いつのまに・・・いや、最初からいたとしたら、この状況になるまでずっと・・・??
コ:それにしても髪が銀色をしているとは・・・何者でござろうか。
ヒ:・・・・<ビーストライダー>・・・。
コ:なんと―――?
カ:<ビーストライダー>・・・あれが――――
〔戦戟を交わらせたとき、鍔迫り合いになるときがある―――
そこが彼女たちの狙い目の一つでもありました。
古えのころには、明らかな実力差があった・・・
そこを埋めるべく、永い年月・・・気の遠くなるような時間を費やし、
魔将の一人と恥ずかしくならないような戦戟を交わらせられるようにまでなった・・・
それは―――キリエの戦友とて同じこと・・・
昔にはただ震えるばかりで、戦場においては足手まといの代名詞であったあの人が、
今では縦横無尽に疾駆する存在となっている事を・・・。
そして―――二(ふた)の存在が一番近接した状態を見計らい、胸部下方から咽喉元にかけて突き抜けた切っ先―――・・・
ハイランダーの巨体の陰から突如として出てきた、銀色の髪をたなびかせた存在を、
ヒは“魔獣の乗り手”<ビーストライダー>だと云いました。
魔獣―――トウテツの背に跨った、銀の長髪をなびかせるヴァンパイアの子爵・・・
その存在こそ、 ビーストライダー だ・・・と―――〕
サ:一人・・・弑ったあ―――!! 止め―――頼むよっ!!
キ:≫はあぁぁ・・・≪(キュピーン☆)
ザミルザーニィ・インパクト
{凍結の衝撃}
=ホー・ロドニー・スメルチ=
〔急所を突いたとしても油断がならない―――この者達はその事を知っていたからなのでしょうか・・・
魔将の星の一つが、潰えようとするときでも―――畳み掛けるようにして、
ハイランダーの凍結の奥儀の一つにより、止めを刺したのでした。〕
To be continued・・・・