≪六節;州の格付け≫

 

 

〔でも、クー・ナ側の一人、ミルディンは・・・〕

 

 

ミ:しかし―――あなたの慧眼にはいつもながらに感服されられる。

  これで今年もジン州は安泰でしょうな。

 

カ:フフ―――確かに・・・以前のままで・・・と、言う条件の下にでしたらね。

 

ミ:(ぅん?)それは・・・どういう意味です?

カ:ナニ―――単純な事です。

  来年の四半後期・・・つまり今頃ですが、そのころには州の格付けも違ってきましょう。

 

ミ:この・・・数年間、つまりあなたが州公に就いて以来、揺らぐ事のなかった格付けの筆頭が変わるといわれるか。

カ:そういうことです―――

 

ミ:それでは、ジン州に成り代わって筆頭となるのは、一体どこの州なので―――・・・

 

 

〔彼、ミルディンは、母国クー・ナに近接しているフ国ジン州の“公”であるカとは交流があったために、

そこにいる誰よりも彼のことはよく知っていました。

 

けれども、そのカをしても、並び称される事を許されない・・・

つまり、それほどまでに有能の士がいることを、暗に仄めかせていたのですが、

次にカが、その存在のことを語るのに際し、その中に衝撃が走ったのです。〕

 

 

カ:それは・・・ガク州―――

 

イ:(ぇえっ?!)ガク州―――って、州の民から六割もの税を取り立て、

  州牧・州官共に放蕩三昧・・・と、聞いたところの、あのガク州のこと?

  何かの間違いなのでは??

 

カ:それは―――いつ頃の噂なのです。

 

イ:・・・え? 確か―――去年辺りの・・・

 

カ:―――でしょうね・・・(フ・・)

 

セ:―――と、言う事は・・・その、新たなガク州公が?

  いや・・・しかし、いくらなんでも旧体制が黙っていては・・・

 

カ:実は・・・その新ガク州公が赴任した経緯についても、中央のほうで失態をやらかしたゆえの“左遷”―――と、言う事のようでありまして。

  いわば州官たちにしても、何も自分たちが手を出さずとも、やがては自滅するだろう―――との考えが、念頭にはあったようです。

 

リ:え・・・それじゃあ―――まるっきり冤罪じゃないの!?

 

カ:そうともいいますね―――ですが、あの方はたとえそうであったとしても、めげずに州政に取り組んでこられました。

  無論、“民”の立場になって―――ね。

 

 

〔『雪月花』の三人も、クー・ナの二人も、ガク州については知っていました。

 

州の民たちには重税を課するのに、州牧並びに州官たちはそのこと知らずの放蕩三昧・・・

 

それが―――そんなところが、どんなに間違っても州の格付けの上位になることはないと思っていたのに・・・

でも、カの云っていた、民側に立っての政のあり方・・・に、再び野衝撃が走り、

次第に新ガク州公に一目会ってみたいと思うようになっていたのです。

 

すると、そんな彼女たちの表情を察したカの口からは―――・・・〕

 

 

カ:―――そういえば、もう少しで年も改まる事ですし、あなた方五名も、ウェオブリへ赴いてみませんか。

  おそらく・・・そのときには、かのお方もいることでしょうから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

あと