≪六節;シャクラディア宣言≫
〔皇城・シャクラディアに、屍騎士<デス・ナイト>が侵入せり―――
その報告は、瞬く間に軍部に奔り、間をおいて二刻あまり、
全武官が作戦会議室に集うこととなったのです。
―――するとそこには・・・
世界屈強の軍事国家 ヴェルノア公国 の雄将たちや、
“雪月花”の三将に、白騎士<ホワイトナイト>・・・
果ては、旧フ国のジン州公やギ州公と云ったような、
いづれも戦巧手の手足(てだ)れが、こぞって顔をそろえていたのです。
そして、ざわつきのある中、女皇陛下の入室を宣下する声に、
議場は水を打ったように静まり返り・・・〕
ア:皆さん・・・お忙しい中お集まりいただき、まことに恐縮に存じ上げます。
それに、かの黒き国カ・ルマが、軍備の強化を図っていることも、すでに耳にしていると思います。
それゆえ―――戦火は各地に飛び火するものと、そう心得ていただきたいのです。
けれども・・・なるべくならば、住民の方々には、なるべく迷惑にならないようにしてもらいたい・・・
つまり、それだけ柔軟な対応で望んでくれることを、私はみんなに願うのです―――
〔軍部の作戦会議の冒頭で、女皇であるアヱカが述べたとき、
よほどの覚悟をして、これからの戦に臨もうとしていることを、
諸将たちはうかがい知ることとなったのです。
その後―――新たなる将軍位 大都督 に婀陀那を任命し終えた女皇は、
作戦行動を決める会議には、然して興味を示すでもなく、
その結果だけを報告するように言い渡し、議場をあとにしたのです。〕
To be continued・・・・