≪七節;陽気なヴァンパイア≫
〔それはそうと―――マキに謀(たばか)られたと思って、すっかり頭に来ていたナオミとルリは、
早速、マキへのお仕置きを開始すること・・・と、なるのですが―――・・・〕
エ:は〜い、それまで―――☆
まあ・・・諸々(もろもろ)の事情は判ったからさ、あんたたちの云うことに従ってあげるよ。
公:本当に・・・―――で、ございますか?
エ:そだよぉ〜ん♪
じゃあさぁ―――その前に♪ おめかしとか〜替えのお洋服とか、際どい下着とか〜〜麦チョコとかを準備しないとね♪
ナ:(際どい??)〜にしても・・・麦チョコ―――って・・・
エ:ナニ云ってんだよぉ! 道中おつまみにするには、甘いモノは定番だろ〜〜?♪
あっ―――そぉ〜だ・・・疲れるといけないから、ニンニクを少しばかり常備しとかないとね♪
――は?――
公:あの・・・つかぬ事を伺いますが?
ナ:『帝國の双璧』の≪楯≫であるあなた様・・・って、確かヴァンパイア―――でしたよねぇ・・・。
エ:そだよ〜? どう?あんたたちも食べてみる? 精力がつくよぉ〜♪
もォね・・・今夜寝られないくらいにバッキンバッキンになっちゃって―――・・・
公:(いや・・・ぢゃなくてぇ〜)ニンニクとは・・・太古の昔より、ヴァンパイアの苦手とされておる・・・はず―――
エ:なんだよ―――なんだよ―――そんな大昔の迷信とかいいからさ・・・
ナ:てか・・・そんなことより―――着替えのモノもハンパないっスけど、それよりもおつまみのほうが多くありません?
エ:いちいち小煩(こうるさ)いことを云うよねぇ〜〜あんたは私の小姑?
そんなこっちゃ―――婿の貰い手がないよ?
ナ:ほっといてくださいよっ―――!
・・・って、マキ! お前は・・・この人が詰めている片っ端からつまみ食いしてんぢゃねェよ!!
マ:え゛〜〜? いいぢゃないっすかぁ―――丁度小腹が空いてきちゃったんだしぃ・・・
ル:(今・・・気付いたんだけど・・・このエルムって人と、うちのマキ―――限りなくダブって見えるんですけど??)
〔一体どの辺りで通じ合ってしまったのか、今回の当事者の一人であるヴァルドノフスク城・城主であるエルムは、
パラ・イソ国に行く気満々となっており、早速の身支度を始めているようです。
ですが、どうやらその荷の中身が、問題ありき―――の、ようで・・・
それというのも、艶(なま)めかしい女性であるというのは、その美しい容貌からも判ることなのですが、
それらに伴う着替えの量も半端な量であったにもかかわらず、それらよりも多かったのが、おつまみやおやつの類の量―――
一体どんな風にして詰めれば、かばんの中に収まるものか・・・と、心配していた矢先に、
ナオミたちのなかまであるマキが、小腹が空いたことを理由に、そのお菓子などを食べていたのです。
これでは収拾がつかない―――と、思ったのですが、よく考えてみれば、
自分たちも仲間たちのことを心配していたこともあって、
安心した今となっては、少しばかりお腹が空いてきたように思えたのです。
だから〜・・・と、云うこともなかったのですが―――
出発前の契機づけということで、ヴァルドノフスク城内では、
ささやかながらも間食会が行われたものなのでした。〕
To be continued・・・・