≪六節;『鉄の女』の“恋煩い”≫
〔それから後にあった“ヤルタ”での会合でも、やはりどこか上の空のブリジットが・・・〕
サ:どうしたのかね―――ブリジット、君ほどの才女が・・・。
ブ:――――はあ・・・。
ギ:ここの所まるで上の空ですな。
誰か“想い人”でも出来たのかな?
ブ:“想い人”――――・・・(フフ・・・)あるいはそうかもしれない。
私は―――ある謎めいた・・・私の顧客に惹かれているのかも知れない・・・。
ル:ほぉ〜〜―――『鉄の女二世』でも恋をすることを知っているのかね。
ブ:(・・フフフ――)なにを勘違いしているのかは知らないが・・・顧客は女性なのですよ。
ト:ほう―――ところで、その顧客の名は・・・?
女禍=ユピテール=アルダーナリシュヴァアラ
サ:『女禍』・・・中国人かね?
ブ:いや―――そういう風には見えませんでしたが・・・
小豆色の髪をしていて、瑠璃色の眸をした・・・一言で言えば綺麗な女性です。
ギ:(ふぅ〜む・・・『女禍』―――)(スラスラ〜) ぅん・・・?こ―――これは!!?
ト:どうしたね―――ギュスターブ。
ギ:今・・・何の気なしにそのスペルを書いてみたら―――・・・
ル:(ぅん?)な―――なんと??!
〔常日頃は気を張り詰めている感じすらあり、何事においても一手先を読んでいるその姿勢は、
まさに『鉄の女二世』と呼ぶに相応しかったでしょう・・・。
けれど、ここのところのブリジットは、以前の彼女からは考えられないほど何かにこだわり、
それゆえにボ〜ッとしていたのです。
そのことを、同じ会の人間にたしなめられたブリジットは、
そうなった原因を、この会合に来ている人間たちに話してみたら・・・
そのうちの一人が何の気なしに走らせたペン―――するとあることに当てはまるのに驚いて声を上げてしまったのです。
そう・・・あの超大国 米 を、一瞬のうちに滅ぼしてしまったと伝えられる・・・
=J=
『女禍』は、英語の字体に直すと JOKA と、なる・・・
その、偶然の一致には、その場にいた誰もが眼を見張ったものでした。〕
To be continued・・・・