≪六節;にこやかなる表情の裏で・・・≫

 

 

〔―――するもの・・・と、誰しもが思っていたその時、

ラゼッタの横を通り過ぎた存在が―――・・・

 

でも、それは―――〕

 

 

ラ:え゛?!!

マ:お―――お師様・・・

 

 

ジ:(ニコ)ねぇ〜え?あなたたち・・・今、この私が『昇魂の儀』をしている最中なのだから、

お邪魔なんてしないでくれない?(ニコ)

 

ラ:ジ―――ジィルガ様がが〜・・・この状況で・・・怒ってらっしゃらない?!(カタカタ)

マ:(ゴク・・)いや―――寧ろ笑ってる〜〜・・・っていうか、アレは表情上だけの・・・(わなわな)

 

 

テ:あ゛あ゛?なんだ―――女・・・

テ:お前は――― 一体何者なんだ!!

 

ジ:・・・私? 私は―――そうねぇ・・・

  この度不幸に見舞われた方を、その“遺恨”という穢れを須らく祓い、“昇魂”へと導く者・・・

 

テ:(ち――)判ってねエようだなぁ・・・

  この我等の目があると知りながら、我等に逆らうとは・・・どこの教会の者だ。

 

ジ:『教会』・・・ああ、ここの惑星での、宗教上の偶像を祀る処―――

  及び、秘蹟を行う場所であり、組織の事―――ね。

 

  残念ながら―――・・・私はあなた方が信仰しているものなんて、全く興味がもてないの。(ニコニコ)

 

テ:なんだと―――・・・

 

ブ:“信仰”に“興味がもてない”・・・?

  だが、あなたは現にアレだけの秘蹟を私たちの目の前で―――

 

ジ:(ニコ)だって―――そうでしょう?

『平和』『救済』をうたい文句にしながらも・・・その主義主張を“そういう事”ではなく、

寧ろこういった“武力”にて成そうと思っている・・・(ニコ)

 

―――そんな低次元の信教を、私が認める道理がどこにある・・・と?(重低音)

 

テ:う――おおっ・・・

  (な―――なんなんだ・・・この女、にこやかな顔をしている反面、なんて威圧感のある声で・・・)

 

ブ:(なんなんだ―――このご婦人・・・さっきとはまるで雰囲気が違う―――

  ナニ? あの二人が怯えている??)

 

マ:(や、やっぱ思った通りだぁ〜! 内心ではそ――と―――・・・)

ラ:(アァん〜イヤァ〜ン!! 何でこんな展開になるのぉ〜〜?!!)

 

 

〔まことしやかに笑みを絶やさない表情ながらも・・・さすがにその声だけはごまかしきれませんでした。

 

当初は、まるで舟人達を酔わせるかのような サイレン のような声・・・ながらも、

次第に言葉を費やしていく度毎に、低さ・ドス などの利いてきた声に取って代わり―――

 

最終的には冥府の王が地上に出てきたか・・・のようなモノに―――

でも・・・それでも尚、あのにこやかで涼しげなる表情はそのままで―――

 

すると、その緊張が、ついにギリギリの臨界点に達したところで・・・〕

 

 

テ:くっ・・・そぉおお〜〜―――!! やってしまえ!!

 

ドドドド――――・・・

 

ブ:ぅああっ―――!!

 

キュ―――                   キュキュキュキュン・・・

 

テ:な―――なんだと?? だ・・・弾丸が、逸れていく・・・まるで自分の意思でそうなっていくかのように・・・

 

ブ:これは―――? なんなんだ・・・一体・・・

 

 

〔ディストーション・コート―――『歪曲空間包護』・・・自己の持てる能力の範囲内の時空を捻じ曲げて、

直接的に相手の攻撃が、自己の身に干渉できないようにする“超高等技術”。

この当時、ジィルガたちを襲った銃弾が、彼女の仲間たちを避けるよな軌跡を描いていたのは、

まさにこの技術が具現化した顕著な例であったことでしょう。

 

それと――― 一つ付け加えるには、この範囲は行使者自体の、個々の能力に比例するそうで、

そう―――つまり・・・と、いうことは、その場にいたジィルガに護られた者達は、

誰一人として傷ついてはいないということを示唆しているものであるといっても過言ではないだろう。

 

 

そこで見た―――彼らが信じがたい現象・・・

それは標的を避けるようにして、教会の天井や壁などに逸れていく銃弾・・・

しかし、そのことは、IRAの連中―――いや、この地球上の主戦力ともなりえている武器の類では、

意味を成さないことを物語っていたわけであり・・・

 

でも―――・・・〕

 

 

ジ:――――あら、もうお終い?

 

テ:クソ・・・普通の弾でダメなら・・・アレを使え!!

テ:え・・・アレ―――って・・・

 

テ:ああ・・・(ニヤリ)米の連中から横流しされた アレ だよ!!

 

ブ:ナニ?米の・・・ あ、あれは―――!!

セ:『劣化ウラン弾』?! 連中あんなモノまで・・・

 

ブ:ジィルガ―――あれは危険だ! 例えあなたとて・・・

 

 

〔けれど―――その人は、未だにこやかな表情を崩してはいませんでした。

 

いや、そういう風に見えたというのも、目が“笑っている”ように瞑って見えたから・・・

では、どうして 眼 だけはそういったモノを崩さずにおれたのでしょうか―――

 

それはおそらく―――・・・〕

 

 

テ:ぅ撃てぇぇ〜〜―――っ!!

 

ぼしゅぅぅ〜〜―――

ガシッ!

 

セ:えっ――?!

ブ:(す・・・素手で―――)受け止めたぁ?!!

 

テ:ば―――バカな・・・

 

 

ジ:フフっ―――フフフ・・・・あらあら、可愛らしいことをしてくれるわねぇ。

  私に対しては、もうこんなコトなど・・・無駄だと分かっている――――

のに!!

 

ぐしゃっ〜!

 

ブ:(そ―――装甲車の装甲でさえ貫くという劣化ウラン弾を・・・

  素手で受け止めただけではなく、握り潰しただと?!!

 

  で―――では・・・あの報告書にあった 米 を壊滅させた存在・・・=J=というのは―――)

 

 

ジ:でぇ〜も 無駄なコトだと判っていても、努力をする姿勢だけは褒めてあげないとねぇ・・・。

 

 

〔再びその方の両の眼が見開いたとき―――・・・

それは“凪”の海のように穏やかであった―――と、そう伝えられているのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

あと