≪六節;頑な態度≫
ビ:―――いかが・・・な、モノです。
ブ:・・・残念ながら、やはりこちらとしては、あなた方と契約しようなどとは、さらさら思いません・・・。
ビ:・・・なぜなのです―――こちらがこれほどまでに譲歩しているというのに。
オ:・・・おやめなさい―――ビューネイ・・・
どうやらこちらとは、反りが合わないようです。
ビ:・・・主上―――
ブ:・・・どうやらご理解いただけたようですね。
度々足を運んでもらって申し訳ありませんでしたが―――・・・
オ:いえ・・・(ニコ)
お互いに貴重な時間を費やして、得られたものは何もなかったのですから・・・
それよりも―――
ブ:―――なにか・・・
オ:・・・あなた方の、もう一人の事業主の方に、“ごきげんよう”と申しておいてください。
〔品位も人格も、実に清楚そのもので、やもすれば事業の最上のパートナーとしても申し分ない・・・
もし―――シャンバラ商会が、その辺にある普通の企業だったなら、この契約はすぐにでも締結されていたでしょう。
でも・・・このシャンバラ商会が、その辺にある普通の企業ではなかった事―――
それは、宇宙規模で展開している開拓事業団体<フロンティア>・・・
そこに所属している女禍の所有している艦、シャンバラのクルーザー・シャクラディアと次元融合しているから。
それに、ブリジットも、彼女一人だったら契約を締結していたかもしれない・・・
ブリジットが容易に首を縦に振らなかったわけ―――
それは、シャクラディアが、この者達を“危険”とみなし、ある種の信号をブリジットに送り続けていたからではなかっただろうか・・・
ところで――― 一方のこちらは・・・〕
ビ:・・・ヱニグマ様、良かったのでしょうか、こうも簡単に手を引かれて―――
ヱ:ウフフフ・・・まあ、よいではありませんか―――
正面が無理というならば、別方面からのアプローチというのもございます。
ビ:はあ・・・ですが―――
ヱ:それに―――・・・(フフ・・・)
噛 め ば 噛 む ほ ど
無駄な抵抗をしてくれるほど―――
一層味わいが濃くなろうというもの・・・
〔また―――・・・今回も自分の予測通り、コトが運ぶものと思っていた・・・
けれども、現地人の思わぬ抵抗により、その予測は“想定外”となり、
やむなく自分が出なければならなくなった・・・
―――だというのに、その現地人は頑なに、こちらから申し出ていることを拒んできた・・・
――ならば――
いや・・・だからこそ、彼女、ヱニグマは怪しい笑みを浮かべたのです。
そう、あたら自分の思い通りになるものだと思っていたのに、
自分好みの・・・無駄な抵抗をしてくれる者がいることに。
そしてそれは・・・声にすらならない、女のドス黒い執念として顕在化してくるのです。〕
――フフ・・それにしても面白くなってまいりました――
――宙外より覗いていたときには、二・三日あればわたくしの掌中に収まるものと思っていましたが・・・――
――やはりこうでなくては・・・――
――さあ・・・あなたたち、精一杯、生命の続く限り、このわたくしに抗って御覧なさいな・・・――
――わたくしは・・・虫けらのような、あなた達の足掻きこそが見たいのです――
――あなたたちの・・・その、無駄な足掻きが・・・・――
To be continued・・・・