≪四節;近付く者≫
〔一方その頃―――作戦に失敗し、辛酸を舐めさせられたこともあってか、
部隊を一時的に解散させ、自分は人里はなれた場所にて、
自分にこんな惨めな思いをさせた、あの女戦士に一矢でも報いようと、
特訓にいそしむカレンの姿が・・・〕
カ:やっ―――たぁああっ!!
〜どうっ☆〜
カ:ぐ・・・うわぁああっ―――!!
――ドサ ドサッ☆――
カ:(だ・・・ダメだ―――こんなのでは・・・やつらには、歯が立たない!!)
〔枝や木々が入り組んだ森の中―――そこを目隠ししながら、人とは思えぬ速度で疾走をし、攻撃を仕掛けるカレン・・・
しかも、彼女はまだこの場所にトラップを仕掛けており、それを避けられて―――と、云うようでなければ、
あの不敵な存在と対等に渡り合えないものだとし、幾度も幾度も試みるのです。
ですが・・・いくらどうやっても、最後のトラップで引っかかってしまい、悔しい思いをしていた―――
すると、そんな彼女の有様を、今まで見ていたか―――の様に・・・〕
――フフ・フフフ・・・――
カ:ナニ―――? 誰だ―――!!
誰:これは失礼・・・覗き見をするつもりはなかったのですが―――
何分にも面白いことをなされているものだと思い、つい見入ってしまったのですよ。
カ:・・・お前は―――
ビ:ビューネイ―――そう呼んでいただければ結構です、マドモアゼル・・・。
〔カレンが、自分がまとめていた部隊を解散し、秘密の特訓をしていた―――
そこを、何者かが突き止め、見ていたことに・・・“何者か”と、詰(なじ)ったときに現れたのは、
あの―――ビューネイだったのです・・・。〕
カ:・・・何の用―――
ビ:あなたの許可なく見ていたことは、素直に謝りましょう―――
カ:それはどうも・・・だが―――
ビ:・・・どうやら、あなたは―――ご自分のもてる総ての力をしても、全く歯が立たない相手に出会ってしまった・・・
カ:ど―――どうしてそのことが?!!
ビ:しかも・・・今までのを見させていただいた限りでは、
例え最後のトラップを潜り抜けられたとしても、彼の者に一撃を与えられるかどうかさえ・・・
あなたは、不安に思っている―――
カ:―――!!
ビ:フフフ・・・・そこで―――いかがなものでしょう・・・。
そんなあなたに、この私達の主人から、心尽くしのプレゼントがあるのですが―――・・・
〔彼の言葉は―――絶望に打ちひしがれている、現在のカレンにとっては、まさに救いでした・・・
けれども、こんな正体も判らない者からの誘いに・・・
“黒衣の未亡人”からの甘い誘惑の言葉に、
カレンが素直に応じたというのも。
“彼ら”―――ラゼッタにマグラ憎しで燃えていた自分があったからこそ・・・だったのかもしれません。
だから・・・カレンは、その場に差し伸べられた手を、握ってしまった・・・
そう―――ここに悪魔との契約は交わされてしまったのです。〕
To be continued・・・・