≪四節;奪われた光≫
〔ところが―――・・・〕
――うぐあぁっ――
女:―――ブリジット!!
カ:ラゼッタ―――お前、どういう・・・
女:―――待て!カレン!!
ラ:―――・・・。(ふらぁ〜)
ドサ・・
カ:ラゼッタまでも?! どうなっているんだ――― 一体・・・
女:・・・それより、大丈夫か―――ブリジッ・・・
ブ:・・・直接―――あなたの頭を狙おうとしたようだが・・・それより先に私が気付いて・・・
盾になることが出来たから・・・無事だったようですね・・・女禍―――
カ:ブリジット―――!(なんてこと・・・左の眼球が抉(えぐ)られて・・・完全になくなってしまっている!)
女禍・・・どうする―――女・・・(はぁあっ!!)
〔女禍を襲おうとしたラゼッタの手刀は、寸でのところで何者かに阻まれ、直接的に女禍に危害は加わることはありませんでした。
―――が・・・その代わりに、この異変にいち早く気付いたブリジットが、女禍を庇うために彼女の前に出たことにより、ブリジット自信が傷ついてしまった・・・
そう―――このときブリジットの左目が、ラゼッタによって潰されてしまったのです。
その余りもの激痛と、出血により失神してしまったブリジット―――
この凄惨なる場に、さしもののカレンも躊躇(ためら)いを覚え、女禍に指示を仰ごうと彼女のほうを振り向いてみれば―――・・・
そこには、憤怒の表情をした女禍の姿が―――・・・
そして、一方のこちら―――ラゼッタの操り人であった者は・・・
今回の肝入りであった、ラゼッタという“プレゼント”がものの見事に外され―――
また、操り人形も操り糸が切れてしまったかの如く、その場に打ち崩れてしまった・・・
そのことに、舌打ちをしながらその場を去ろうとしたのですが―――・・・〕
オ:チッ・・・存外に役に立たなかったようだな―――あの“牝人形”・・・
誰:―――おい、どこへ行くつもりなんだ・・・
オ:―――むん?
マ:見物料無料(タダ見)でお帰りとは・・・感心しねェな―――おっさん。
オ:フン・・・何者かと思えば、ヴァンパイア・ロードか・・・フロンティアの飼い犬めが―――
マ:お前みたいな野良犬よりはましだよ―――
手前ェ・・・ラゼッタばかりでなく、ブリジットにまで―――許せねェ・・・許せねえぞ!!
オ:フフ・・・何をそう感情的になっているのだ―――
お前も、純粋な魔の眷属ならば、駒の一つや二つ失ったとて代わりがいくらでも利くのは判っていよう。
マ:―――うるせぇ! 騙ってんじゃねえ!!
〔しかして―――かの操り人こそ、ウィドウは=ディアブロ=の長であるオーギュストなのでした。
その彼が、この場から去ろうとしたとき、そこにはマグラの姿が―――・・・
でも、確か彼は花粉症でダウンしていたはずなのですが・・・
けれど―――そう・・・確かに彼は、このときも そう だったのですが・・・
実は―――マグラが花粉症で寝込んでいるとき、ある人たちの訪問を受けていたのです。
全宇宙の・・・理(ことわり)を修め―――その決断は、天体の運行そのものを左右する・・・とまで云われた、あの姉妹の―――
だから、そこでマグラが憤慨して、オーギュストに飛び掛ろうとしていても―――〕
――お待ち――
マ:・・・なぜ―――なぜ止めるんです!
ジ:・・・その理由―――云わなければダメ? マグラ・・・
マ:(ゾクッ〜!)くっ・・・くっそぉお〜っ!!
ジ:フ・・・ごめんなさいね―――?
でも、順番が違うと思うのよ―――私としては・・・ね。
オ:これはこれは―――“初めまして”・・・と、云うべきですかな、マドモアゼル・・・
ジ:ふざけてんじゃないわよ―――この下衆が。
こっちが下手(したて)に出ていれば、好き勝手してくれて・・・そんなのはね―――強姦魔と同じなのよ!
オ:フフ・・・おやおや―――まさかあなたのような淑やかな女(ひと)から、そのような世俗的な言葉が聴けるとは・・・
冥利に尽きる―――とは、このことですな・・・。
〔憤ったマグラを静止させた人物こそ、ウィドウたちのこのトラップを看破した上で、
シャクラディアの誰もが存在に気付かなかったオーギュスト・・・その彼でさえ気付くまもなく間合いに侵入を許していた、
“裁きの獄吏”<エクスキューショナー>としてのジィルガだったのです。
しかも―――マグラは静止させられたことが非常に不満だったらしく、珍しく師に反論を試みていたのですが、
たった一言―――それだけで十分でした・・・
その一言の裏に秘められた“負”の感情は、魔の眷属としてのマグラですら怖気(おじけ)を感じた・・・
以前―――この惑星の英国という地域で、“秘蹟”を行っていた際に邪魔をされ、そこでも感じた怖気・・・
いや・・・今回のそれは―――そのときとは比べ物にならないくらいの・・・悪寒―――
ここは従わなければ・・・否応なく眼前のゴミ同様に処理されてしまう・・・
そのことが本能的に判った―――からこそ、マグラは口惜しながらもその場から手を引いた・・・
引かざるをえなかったのです。〕
To be continued・・・・