≪七節;運命の交錯―――≫

 

 

〔香ばしい焼き上がりのパンをいくつか購入し、店から出てきた女禍一向と―――・・・

今度は先程よりかは速度を落とし、町へと下りてきたブリジット―――・・・〕

 

 

女:さあ―――・・・それではシャンバラへ戻って食べるとしよう。

ラ:そうですね―――それに、創り方も教わったことだし、色々と研究してみなくては。

マ:え゛〜〜っ?!またなんかヘンテコなモノを食わされるのかよ・・・

  ボクは君が作ったモノより、女禍さんが作ったモノの方がいいな。

 

ラ:ナニよ゛っ―――!もうっ!! 成功しても、絶対あんたなんかには食べさせてあげないんだからね゛っ!!?

マ:いいよ〜〜それでも―――

 

ラ:ま゛あ゛っ?!           むっきぃぃ〜〜―――っ!云わせておけばあぁ〜〜っ#

 

女:(はは・・・)これこれ―――

 

 

 

ブ:(バタム――☆)・・・まだ―――この町にいてくれればいいのだが・・・

 

 

〔ただ―――惜しむらくは、まだお互いが面識のない者同士・・・

でも、少しばかり分があったのはブリジットのほうだったのです。

 

何しろ彼女は、女禍の特徴を、城の守衛から聞いていたのだから・・・

 

 

そして今―――女禍が、入店のとき外しておいた、帽子とサングラスを掛け直した時―――・・・〕

 

 

ブ:(ぅん?!)あの女性は―――?

 

 

〔しかし―――このとき・・・両者の前に、またも“運命の悪戯”が立ちはだかったのです。

 

そう―――その町にある路地の一つから・・・恐らく取りこぼしたであろうものと思われるボールと・・・

それを追いかけてきた子供――――・・・

しかし、車道にはトラックが―――――!!!〕

 

 

女:(ピッ――ピピピ・・・) あっ―――!!危ない!!

 

ダッ―――

 

マ:あ・・・女禍さん―――!!

ラ:きゃあぁ〜〜ッ!!

 

 

ブ:ああッ―――子供と女性が・・・

 

 

〔視覚的に捉えたのはほぼ同時―――しかも、トラックの運転手も、気付いたときには『目の前に子供』・・・

そういう状況下だったので、まづ誰もが助からないとは思っていたのです。

 

ですが―――城の守衛が言っていた特徴に、似通わせた女性は反射的に動いており・・・

だとしたら、このままでは犠牲者がもう一人増えるのでは―――と、危惧したのですが・・・

ブリジットはそこで信じられない光景を目撃してしまったのです。〕

 

キ・キィィ〜〜―――ッッ・・・

 

運:ば・・・ばっけろぉ〜〜〜い! 急に飛び出してきやがンな!!

 

ブ:(バ―――バカな・・・?)ナゼ・・・あのタイミングで―――二人とも助かっている・・・?

 

 

〔誰しもが―――・・・タイミング的に見ても、子供―――は、もとより、

飛び出した子供を助けようとした、あの女性まで助からないものと思っていたのに・・・

 

それなのに―――次の瞬間に見たときには、その女性は元いた路地より反対側の路肩のほうに、

あの子供を抱えたまま蹲(うずくま)っていた―――・・・

 

そう―――彼女たちは、“奇蹟的”に助かっていたというのです。

 

そのことに驚いてしまったブリジットは―――自分の城を購入するためにここに訪れたであろうと思われた人物と、

恐ろしく特徴を似通わせているその女性に、事情を伺おうとするために、声を掛けたところ・・・〕

 

 

ブ:あ―――あの! あなたは一体―――!

 

女:―――・・・・!!(クル・・・)

 

ブロロロ・・・・

 

 

ブ:ええっ―――? き・・・消えた―――・・・?

  一体どういう事なんだ・・・これは・・・

 

 

〔少し大きめの―――その女性に聞こえるように呼びかけたところ、件の女性はこちらを振り向いたときに、

少々気まずそうな表情になった―――かと思うと、またも自分たちの前を車が過ぎり・・・

 

すると―――子供を救ったあの女性も、女性が元いた位置にて途方にくれていた二人の子供も・・・

いつの間にか忽然と姿を消していたのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あと