≪五節;蘇る黒焔≫
〔ですが・・・ならばヱリヤは、ゾズマからの仕打ちを甘んじて受ける気だったのでしょうか。〕
キ:ああ・・・っ―――もうお止めください、デイアーデイァシャ! このままでは私のママーシャが・・・
それに、そうなってしまったら今度は私があなたの事を―――悪循環となってしまうのですよ?!
ゾ:ならば・・・我がプリミアーニニツァシャよ! お前も負の連鎖に組み込まれるがいい・・・
この・・・呪われた龍の血を―――私もお前も、お前のママーシャも受け継いでいるのだからな・・・。
ヱ:―――・・・・。
〔母の謎の復活と死の事を訊かれてからは、自ら攻撃の手を緩めてしまったヱリヤ・・・
弟からの仕打ちを甘んじて受けていたのには、そこに母への謝罪の念があったからなのでしょうか。
いずれにしても、最後のゾズマからの攻撃を受けて、微動だにしなくなった姉を庇うようにして立ちはだかる自分の姪を前に―――
そんな姪ですら、自分が過去から現在に至るまで背負ってきた負の連鎖を押しつけよるとしている弟の言動に、
今までのダメージが蓄積されて、動けなかったはずのヱリヤが―――僅かながらの反応を示し・・・〕
ヱ:待・・・て―――・・・ゾズマ・・・今お前はなんと云った・・・
私達一族に流れる血が―――神聖龍・ディバインドラゴンであるママーシャの血を引き継ぐ私達に流れる血が・・・呪われているだと?!
今まで私が、黙ってお前からの仕打ちを受けていたのは・・・愛(いと)おしいママーシャをこの手で斃した、その罪滅ぼしのつもりだったが・・・そう云うことだったのか―――?
ならばゾズマ・・・いい機会だから一言云っておいてやろう。
今のお前のそれは、単なる「私怨」だ―――そんなモノ如きで・・・この私を斃せるモノだと思っていたのか!!
だったら―――その目に焼き付けるがいい! そのママーシャが、命と引き換えに私に授けてくれた最凶の奥義を!!
――=メルトダウン・シンドローム;ゲヘナ=――
〔「真紅」でも、「蒼白」でも、「無色」でもない・・・総ての生きとし生けるものの生命を簒奪する―――禍々しい黒焔・・・
今までヱリヤは、弟の云い分の方が正しい―――そう思っていたからこそ、甘んじて仕打ちを受けていたモノでしたが、
弟の深層が曝(さら)け出された今となっては、それは存外にちっぽけなモノであり、だからこそアラケス如きに敗れもしたのだと思うようになりました。
それに第一・・・神聖であるはずの自分達の血が、呪われていいはずがない―――
しかも弟は、母がどんな苦渋の決断をして自分に終極の奥義を授けたか・・・知りもしない―――
だからこそヱリヤは、聞き分けのない弟に、昔したようにお仕置きをしてあげたのです。
そう・・・母であるスターシアが、その命と引き換えに授けてくれた、「黒焔」の御(ぎょ)し方を。
そしてこれで―――マルドゥクのジェネラルであった、ゾズマ=ルクスゥ=アグリシャスは、
マグレヴについたパライソの将、エリア=プレイズ=アトーカシャにより撃破されてしまったのです。〕
To be continued・・・・