≪四節;決着の行方≫
〔それは凄惨―――・・・
それは憐憫―――・・・
しかしそれは、遍(あまね)く彼らの身に降りかかった運命としか云いようがありませんでした。
テツローが率いる、僅か5000のマグレヴ本隊に―――この度の、初期の援助として加わることとなった、婀娜那が指揮・統括をするパライソ軍15,000・・・
そして折からの―――ジブ・ミレットで展開されていた闘争を収束させて、駆けつけてきたエルム・ヱリヤの両軍・・・
更には―――第二次援軍とも呼ぶべき、「十聖剣」が加わった50,000の加勢をして、カルカノールは未曽有の混乱に陥ろうとしていたのです。〕
敵:うわわ・・・ど、どうしたことだ―――我々の周りには敵しか・・・
エ:フ・フ・フ・フ―――どうしたんだい・・・こいつは、まるでお祭り騒ぎじゃないか・・・。
こう愉しくなると、つい羽目を外したくなるってのは―――人の性(さが)と云うモノかねぇ・・・
――〜我が血の盟約によって 影に組まれし者共よ・・・〜――
――=裏面零式;シャドー・サーヴァント=――
サ:ン・ゲ・・・公爵様―――あんた、なんつ〜もんを・・・
マ:ほえぇぇ・・・このおっちゃん、どっかで見た事があると思ったら・・・
エ:我が影に組まれし、従う者―――キュクノス・・・あんたの出番だよ。
キ:・・・ケッ―――仮初(かりそめ)の身体を与えられたかと思えばそんな事か・・・
だが・・・オレは一向に構わんぜ―――外界(げかい)に出してもらえるだけでも、ありがてぇしなぁ・・・それに、拒んだところで何にもなりゃしねぇし・・・よ―――
リ:あっ・・・あ・あ・あ―――あれは・・・七魔将の一人・・・キュクノス?!
そんな・・・奴はエルム様に取り込まれて―――・・・
〔エルムはヴァンパイア―――・・・だから、数々の強力な魔術を行使できた・・・
そこでエルムが術式の解放を試みたのは、ヴァンパイアが行使する内(なか)でも「極致」に相当する部類でした。
自らの影に潜ませてある―――これまでに調伏し、吸血してきた・・・「従者(サーヴァント」・・・
その内の一つが、近年エルムに存在ごと取り込まれてしまった、カルマ七魔将―――キュクノス=アムド=オズモだったのです。
そしてまた・・・この戦場の別の一角では、ハイランダーの母子(おやこ)が・・・〕
キ:ママーシャ・・・敵・味方とも入り乱れ、まさに戦場は混沌(カオス)と化しております・・・。
ヱ:・・・それが―――? それで私達が、前(さき)を征(ゆ)くのを止める理由の一つになるとでも思っているのか・・・。
キ:・・・では、やはり―――
ヱ:そうよ・・・モーイ・ドーチ・キリエ(我が娘、キリエ)―――この機会を逃す事はない・・・今ここで、完膚なきまでに叩き潰すことだけを考えろ!
〔やはり・・・こちらも、手を抜くと云う事はありませんでした。
「焔龍;ファイア・ドレイク」と「凍龍;デス・バハムート」・・・相反する属性を持てる二つの存在が、自身が持つ最大の奥義を同時に放つ―――
それは凄まじい破壊力を伴って、敵のマルドゥク兵達を限りなく呑みこんで逝きました。
それに加え―――ダニューヴへと回っていた、タケル達の別働隊がカルカノールに参戦を果たした時、大勢はほどなく決まり・・・
ここに、マグレヴ・パライソ連合軍は勝利の凱歌を掲げることになったのです。〕
To be continued・・・・