≪六節;姉と妹≫
〔こうして―――旧王族と皇女の邂逅は終わり、せめてもの償いと云う事で、皇女が墓苑の掃除を請け負い、その場に一人残ったところで・・・〕
誰:―――女禍ちゃん・・・
ジ:(・・・はっ!) ―――姉さん?! ・・・あっ―――
デ:会いたかった―――そして、この瞬間をどんなに待ち焦がれたことか・・・!
ジ:姉・・・さん―――
デ:もう離さない・・・もう・・・どんなことがあったとしても、離したりはしないわよ―――!
ジ:・・・私もだよ―――姉さん・・・
デ:(え・・・)女禍ちゃん―――?!
〔姉さんがいなかったこの37年間・・・私一人でどうにかなるだろう―――と・・・そんな私の考えは甘かったよ。
タケルや婀陀那さん達がいながら、私はふと思ったものだ・・・「嗚呼、この場に姉さんがいてくれて、彼らを導くようにしてくれたなら、どんなにか良かっただろう」と・・・
けれどそれは、一生懸命に職務に取り組んでくれている彼らには申し訳ないことでもあったんだ・・・
女禍ちゃん―――嬉しい・・・私は今、とっても嬉しい・・・
今回のことは大お姉様の計画で、カルマの幕僚となったフリをしながら内部から崩していく―――ということだったけれども、
奴らに気取られないようにするには、女禍ちゃんたちとも対立しなければならない・・・
大お姉様の云っていることも判るけれど―――あなたを愛している私がそんなことをしなければならないなんて・・・
だから私は―――幾度となく自分の心を殺した・・・やりたくなくとも、それを成さねば大お姉様の計画を大いに狂わせる結果ともなる・・・
けれどもう―――・・・こんなことはお終い・・・だけどね、私たちがやったことに、あなたが哀しみを覚えてしまうことなんてないのよ。
やはり姉妹は―――姉妹としてあるべきものでした・・・
その場にいなかった者を待ち望んでいた者と、大義のために自分の心を幾度となく殺し、愛しき者に抗ってきた者―――
それが実質上の和解を為し、共に歩むべき再会を喜んでいたものだったのです。〕
To be continued・・・・