〔十七章〕

 

 

【女禍様が、『おかしい―――』と、言った、もう一つの意味合い】

これはセキさんも言ってた事なんですが・・・。

アヱカ・セキが乗り合いの馬車が、ウェオブリの城を出て、5・6時間経った時―――

この二人はそう思ったということ。

 

そう、つまり、その時間には、もうすでにレイ州に着いていなければおかしいということ。

 

でも? そのあとすぐに女禍様は“北に向かっている―――?”と、おっしゃっていましたが、

どうしてすぐに“北に―――”だと分かったのか、それは・・・七万年前にこの大陸のほとんどを統治していたから、

“土地勘”とかはなくなっていなかった―――というところですね。

 

 

【では、ナゼ馬車が“北”に向かっていたか】

これはすでに、前の章の『エンサイクロペディア』に載ってるのですが・・・・

 

そう、つまり――― アヱカの真の赴任先は、『レイ州』ではなく『ガク州』だったという事。

 

早い話、フの中でも一番に評判の悪いところで、危険性においても一番にあるところだから。

なぜなら―――? カ・ルマに程近いから。

 

これで、“目の上のたんこぶ”的存在も排除し、またこれから自分たちのやりたい放題に――――

と、ボウを筆頭とする佞臣たちは思ったのですが――――・・・・

 

 

【古えの、“ガク州”の在り様を知っていたアヱカ】

もうお気づきのように、これを知っていたのは、女禍様。

 

実は、裏設定として――― 元々のこの地方の名称は『テグスニビア』。

七万年前当時は、皇の直轄地があったようです。

 

―――と、これからも見て取れるように、緑豊かで、瑞々しい大地だったここは、

皇であった女禍様の、大層なお気に入りの場所でもあったことが分かる。

 

 

【州城へ着くまで、途中下車したアヱカの真意】

まあ確かに、その足で民達の暮らしがどうなのかを見るのも、目的の一つだったのだろうが・・・

決してそれだけではなかったことを、後の記述で知ることになろうとは。

 

そのために、一緒についてこようとしたセキを、実にやんわりと拒否しているのにも注目を。

 

 

【高い税の徴収に、驚く女禍様】

本来なら、その年の収穫分の、実に五割が作り手である民達の手に渡るはずなのに・・・・

その農民たちからは、それ以上の物資を、税として取り立てていたことに、女禍様は激しく憤慨。

 

そしてその後、ある事をするに至るのですが――――・・・

 

 

【農作業が上手かった、元“皇”】

これは、女禍様自身の口からも語られているのですが―――

 

実際的に、この方は農耕作が好きだった模様。

その証拠に、ここでも語られているように、ご自分の住まいでもあった『皇城・シャクラディア』に、

それ専用のスペースを設けて、その季節季節の作物を作っていたり―――

また、ご自分の直轄の、あの場所に出かけては、日がな農耕作に明け暮れていたようです。

 

 

それと、アヱカのために弁護を一つ―――

実は彼女も、故国『テ・ラ』では、民達に混じり農耕作を手伝っていた事があるもよう。

流石に、血は争えない―――と、言ったところか。

 

 

【泥だらけになりながら、アヱカが嘘を吐いていたことの背景】

どうやら・・・州城に着くまでに、上の立場の者が、あんな事(農耕作)をすると、下の立場の者からは、白眼視される・・・

旨の事を、吹き込まれていた模様。

(でも、すぐに見抜かれてしまったのは・・・・・お約束という事で)

 

 

【新・州公の一言で、静まり返ってしまった州城内】

それまでは、新・州公が、いつまで経っても来ないことに、非難糾合していたのですが・・・・

 

新・州公が着いた途端、自分が治めるべき土地を、須らく把握しており、

どれだけここの州官たちが、民達から搾取していたかを詳らかにしたところで、もう誰も何もいえなかったところに注目を。

 

しかも―――そのあと宜しく、州に設置されてある本蔵を、州公自ら立ち入り検査に入ることにより、

逃げも隠れも出来なくなった―――

 

 

つまり、ここだけを見ても分かるように、税収などから来る収益では、1・2を争えるところでも、

余り評判のよろしくないところに飛ばしてしまえば、アヱカの気も萎えるだろう―――・・・

と、多寡を括っていた佞臣たちの目論みは、脆くも崩れ去り、逆にアヱカと、アヱカの内に存在する、女禍様を活性化させてしまったことが分かる。

 

 

【州兵の二割の削減を提言した新・州公】

確かに―――― アヱカの見てきたところによると、ガク州の田畑は荒れ放題―――

しかも、その民の一人からは、『高い徴税』『きつい賦役』・・・と、愚痴られて、アヱカはその胸を痛めるのです。

 

そして、それを受け、思い余って『兵役の二割の削減』を、申し出たはいいのですが―――・・・

(このあとは、後のお話にもかかわりがありますので・・・・)

 

まあ、このお蔭で、死んでいた田畑も無事甦ることだろう――― と、そこまではよかったのですが――――・・・

(このあとは・・・・以下同文)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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