〔十八章〕
【思わず笑いがこみ上げるタケル】
本編にも書かれている通り、それは“失笑”などではなく、むしろ愉快さが先行するものである事は間違いない。
その証拠に、これから必要なことをするために、この草庵を空けることとしており、
そのことを伝えに―――まづは、ユミエを使って、旧友ノブシゲのところに・・・
そして、その帰りに実家によって、実弟のチカラにも、そのことを触れておいたのです。
しかも、あることを前提に、新・州公アヱカが、今までにどういった経緯で、ガク州に至ったか―――
を、=禽=のリーダー格、“梟”であるナオミに洗わせるなど、細部にも余念がないようす・・・。
――――と、いうことは・・・・もはや彼の思うがまま?
【旧友に会する、ノブシゲの胸中】
今、新・ガク州公の施政は、隣国でもあるラー・ジャでも持ちきり・・・
そんな中――― 一番に危惧していた、旧友の“出奔”の知らせ―――
この二つの出来事を、ノブシゲは無理にくっつけようとはしていたけれど、
それはもれなく間違いだと、旧友本人から諭された―――・・・
でも?本当のところは――――・・・・???
【タケルの旅先を聞いて安堵するノブシゲ】
この、『文通相手』を、迷うことなく“女性”としてしまったのは、所詮男の“性”というべきか・・・(ノブシゲ・男・24歳・独身)
でも・・・実は、このときタケルが会わんとしていた人物が、後のこの物語を、左右していく人物である事をここで告げておこう。
【タケルの実弟、チカラ】
本編では、タケルより一回り背の低い―――としているのですが・・・
実はチカラの上背は、現在で言うところの185cmあり、とても背が低い・・・・とは言い難いのですが、
それは、兄であるタケルの上背が、210cmと、極めて大きいから言えること。
【西の列強、ラー・ジャの官職『若年寄』】
以前の『九章』でこの説明が欠落していたので―――ここでその補填を・・・
この役どころの、直接の上役である『老中』の補佐をしつつ、国政の枢機に参与する一方、
旗本や御家人の支配統轄に当たっている。
定員は複数。
(現在、ノブシゲがこの役どころに収まっている。)
【西の列強、ラー・ジャの官職『老中』】
ラー・ジャの国政で、『大老』の次に高い位の執政官。
この国の国王たる『将軍』の直属でもあり、国政一般を統轄している。
定員は4・5名
(タケルは、元々この地位にいた。)
【西の列強、ラー・ジャの官職『大老』】
実質上、ラージャの国政を一手に引き受ける、最高執政官。
政治・軍事の総てをまかされており、この官の出来如何によっては、この国が良くも悪くもなってしまう役どころ。
定員は一名
(尚、現在では、タケルの父が任じられている。)
【西の列強、ラー・ジャの官職『大目付』】
『老中』の下にあり、各武将・各官僚に眼を光らせる、主に監察などを任務とした役どころ。
定員は十余名。
(タケルの実弟、チカラがこの役職に就いている)
【州公アヱカが、夜ノ街を知っていたことで、広がりつつある波紋】
当初――― 侍中であるセキは、アヱカが、ヴェルノアの公主の紹介付きで来た事は知っていた―――
だから、当然彼女が、そちら方面から来たものと思っていたのですが・・・
それが、なぜか、アヱカは、このガク州からも近い、盗賊たちの町の事を話していた―――
これはおかしい―――と、セキが思うのは当然なのですが・・・依然として、ギルドの頭領各である婀陀那(生死不明)は、
自分の(本当の)身分を明かしてはいないし――― アヱカも、その内には、“古えの仁君”が宿っている―――とは明かしてはいない・・・・
つまり―――ここでは、様々な思惑が交錯してしまったために、出来てしまった、“空間の穴”のようなもの。
【少しやつれたかのようなキリエ】
ご苦労さんです――― アヱカの真の任地が、ガク州だと知らされなかったばっかりに、その噂だけで彼女たちは、ウエオブリから真南のレイ州に・・・
そして、そこでようやく、アヱカがここに来ていない事を聞かされ、右往左往していく間に、偶然聞きだした『ガク州』の地名・・・
その間―――約一日と半、彼らは休みなしに歩き回ったといいます。
【州公の知り合いを、足蹴にしていた者の処分】
これが不思議と――――お咎めナシだったという事。
それというのも、彼の弁護に、州公であるアヱカから、
『職務に忠実であるというのは、士たる者の鏡である、皆もよく彼を見習って、実践して欲しい』と触れており、
また、被害者のはずのキリエからも、
『職務を忠実に行っていたからこそ、アヱカも無事でいられるのです。
もし私が、真に不貞の輩だったらばどうなっていた事か・・・どうか、彼を責めないでやって欲しい』
といっていたから。
【意外と甘えん坊だったキリエ】
コみゅや乃亜たちが、アヱカ(ここでは女禍様)に、抱擁してもらっていたのを、傍らで物欲しそうに見ており・・・
それを女禍様に、『仕方がないからお前もおいで』といわれつつも、何の臆面も・・・衒(てら)いもなく寄り付いて、
その思いの様甘えているから。
しかし――――このあと、その彼女の口からは衝撃的な事実が、語られようとは・・・・