〔24章〕
【アルル・ハイム城、裏門から入ってきた存在を、見咎められなかった者達】
ナゼにこういう明記の仕方になったか・・・と、いうと、
その存在―――紫苑は、常に『公主様』の傍に仕えていて、
どこへ行くにも、ナニをするにも、紫苑は『公主様』の傍を片時もは慣れることがなかった・・・。
それが―――例の二・三年前の失踪事件では、『公主様』だけが城へと帰還しており、
彼女・・・紫苑はそのまま行方知れずか、既に亡くなったと見られていたから。
【ナゼ自分が、“自分の部屋”に横臥されているのかが、判った理由】
それはどうして―――と、いう疑問も少なからずあるだろうが・・・
自分が公主様と、一緒に“失踪”してしまったとき、“そのまま”の状態で出奔したのだから・・・
でも、今現在は―――と、いうと、“あの時”と全く変わらないままで~~―――・・・だから。
【数々の“一芸”を披露する=カケス=】
ま・・・まあ、<しがないヤクザ者><気弱な中年通行人><ヤリ手のお役人>のネタや、
<妖艶な花魁の姐さん>までは、まだ納得していただけたかと思いますが―――・・・
トドメが<アニメ声の萌え娘>(しかも妹属性)とは・・・・(完全にウラをかかれました? ^^;;)
【ルリの代金、100万】
これが―――いわゆる『人身売買』ではないか・・・と、言う点に、抵触する部分ではあるが・・・
要は―――婀陀那がわざわざ紫苑を連れて、この劇団に来たというのも、
他人のモノマネをするのが上手い―――と、讃えられているというルリを、
自分の目の前で、その一芸を披露させる・・・つまり、これが、自分の“影”として使えるかどうか―――の『試験』だったというわけ。
そして、この試験に見事合格してしまったから、(ムリヤリにでも)ルリを城に連れて帰ろうとしていたのである。
つまり―――この時支払われた金額というのは、その劇団の“花形”が消える・・・という痛手を払拭させてしまえるような“価値”であるということ。
【婀陀那が、『妾になれるか』―――と、ルリに質問したとき、何気なく背後に立った紫苑のしぐさ】
じつはあれ―――・・・ルリが断ると言った途端、『バッサリ』ヤる気でいたのですよ。 ^^;;)
だって―――そうでしょう、いわばこちらは、城中の者でさえ知らない事を、外部のルリに話しているのだから・・・
だから、『100万』という大金をはたいたとはいえ、自分と公主様の二人しか知らない秘事を、漏らされたら大変――――と、思い、
紫苑が、自身で考えた最良の措置だったことが、ここでは見て取れる。
【その胸の切なさを語った、公主・婀陀那】
ここでの彼女の言の通り、彼女には味方が少なかったことが見て取れる。
そう―――・・・並べて上級層の、(良心的な)『姫君』『公主』『王子』たちは、こういう心の問題を抱えていた事が判る。
つまり、ここで将来、『暗君』となるか、『名君』となるか・・・決まるといっても過言ではあるまい。
【婀陀那と紫苑が、ルリの事を勘違いしている―――共通点】
実は・・・ここまででは、ルリは自分の正体―――『禽』の一員である事を明かしてはいない・・・。
だから、当然のように、婀陀那も紫苑も、ルリの事を『モノマネ』の上手い“芸達者”ぐらいにしか思っていない―――と、いうこと。
【佞臣に抑えられていた良臣】
しかも―――このとき、かの二官がグゥの音も出なかった背景には、『補章Ⅱ-4』で、ルリがユミエに話していたことの裏づけでもあり、
それを、このとき、最高政務官である者の口から漏れている・・・と、いうことにも注目されたい。
【ルリ扮する“公主”が、須らく下した断―――】
この大した計略―――今は婀陀那の姿を模しているルリのモノか・・・と、思いたくもなるのですが、
実はこの案というのが、婀陀那が国を出奔する際に、『もし万が一、こういう事態に陥る事があれば、こういう風にするがよい』
と吹き込まれていた事であるのが判る。
―――と、この計略を見ても判るように、婀陀那は稀代の策略家であったというのが分かる。
【安瑠鄭四阿・玖留津・筮屡拿・肆牟厨】
ただ一言――――どうもスミマセン(謝)。
いやね・・・ただ、『婀陀那』『紫苑』『葵』『茜』までは赦せたとしても―――
今回のこの四人のは、サスガに読めないだろ~~~―――???
―――と、いうわけで、ただひたすら陳謝なのです。
*
)ちなみに・・・『アルテイシア』『クルツ』『ゼルダ』『シムズ』と読みます。
(なんだ・・・カナ読みの方がしっくり来るぢゃないか―――
でもね?あっち(漢字表記)の方が、名前ダブらない・・・っていうのもあるのよ、
それにね?ヴェルノア・・・って国、そういうところ―――
つまり、『夜露死苦』みたいに<当て字>を頻繁に使うところだから・・・ ^^;;)
【この当時の官職『諫議大夫』】
光禄勲の属官で、主に『帝』や『王』を諫める任務を持つ顧問官。<七品>
【この当時の官職『公軍司馬』】
衛尉の下に置かれている、いわば下っ端の官職。<七品>
【この当時の官職『太史令』】
太常の属官、天文・暦法・史書の編纂を行い、吉日や禁忌の日を奏上するのを役目としていた。<六品>