≪二十六章≫
【特使が“リリア”である事を知って、動揺を隠せない紫苑】
その者は、曲がりなりにも『余所の国』の者なのに、自分の主の事を、この国の誰よりも知っていた・・・
―――と、言うことは、一つ粗を見つけ出されては、あとは芋づる式に、現在の公主様が“影”である事がばれてしまう・・・
そこで紫苑は、どうしてそんな重要な事を、今さら言い出したりするのか―――というカンジなんですが・・・
ルリのために一つ弁護を―――
今回の『特使』の件は、まったくの“抜き打ち”であり、もし“影”を雇い入れていたなら、おそらく尻尾を出すに違いない―――
そうハイネス・ブルグ首脳は思っていたのですが―――
実はこの事を、ルリは前もって知っており、全くの“抜き打ち”であるにもかかわらず、
あわてず騒がず対処出来た―――と、言う事。
【事前に綿密に練られていた、“ある計画”】
それが、今回のお話しの大元(おおもと)―――
“微”なり“細”なり入手しておいた『情報』を、このときとばかり有効活用させ、
イセリアの仕組ませた“策”をも逆手にとって、リリアの疑念を晴らさせた・・・と、いうのは、
『禽』のほうが一枚も二枚も上手だったというのが分かる。
【“カケス”のスキル―――『トレス』】
その・・・マネをしたい人物を、自分がマネをする時は、その『一挙一動』を知っておく事。
それは、僅かな癖や喋りかた・・・色や食べ物の好みはいうに及ばず―――
しかし、こういうものは、生まれついての感性というモノも必要なわけだし、
一朝一夕に習得できるものではない事が分かる。
【大緊張していたルリ】
それは・・・まあ―――ね?? 仕方がない事でしょう。
そこは誰一人として、自分の協力者などはおらず、いわば『四面楚歌』といってもいい状態で、
アレだけの事をしたのだから。
だから、『八節』の前と後では、ある人のルリを見る目が全く違っているのですが・・・(分かりましたか―――??)