<29章>
【“州公”としてのアヱカが、庵主宛てに書いたもの】
作中にもあるように、これまでの『怨み』『辛み』などではなく、
行き詰まりを見つつある州政をどう立て直したらよいか・・・
どうか力になって欲しい―――などという、いわば嘆願めいた文言を連ねていた様子。
【それとは別に、アヱカが、中央に出したモノ】
これからは各州ごとに独立して難事に当たるのではなく、
州政の苦しいところがあったなら、一致協力をしてこれに当たるべきではないか―――
という件の文言を書き連ねたものを、国政の最高顧問である『録尚書事』と『司徒』に、
相談を持ちかけた―――と、いうこと。
【ガク州城に赴いたユミエ】
実は・・・彼女は、自分の裁量だけで、アヱカたちを試すために・・・ウソを言っているということ。
なぜなら、この庵主である者は、未だにあるところから帰ってはおらず、
戻ってくるには、あと五日は要しなければならないから。
では、ナゼ―――彼女は・・・
【庵にいた―――『禽』】
その庵には、ユミエの弟のラクシュミしかいるはずがない―――・・・と、思っていたら、
もう一人、髪留めの飾りがとても印象的な女性が・・・
その彼女こそ、『禽』のうちの一羽=鳳=ことレイカだったのです。
ではナゼ彼女がこんなところに・・・?
それが、たまたま―――ではなく、=鵺=であるユミエに呼び戻されたらしく、
その理由も、“ここを何度も訪れている可笑しな者がいるから・・・”という、かなり不確定要素の多いもの、
それでも、“上司”の命は無視するわけにもいかず・・・辛いところではあったようです。
【女禍様の回顧録】
今回はなにげに重要な事がかなり出てきています。
ですから―――さらりと流さないように。
中でも、今まで“姉”としか語られていなかった存在が、『ジィルガ』と判明しただけでもよしとしないと・・・
しかも、アヱカにしか宿らない自分の“魂”を、『百年に一度の割合で甦る』と吹聴しておいて、
全世界を謀(たばか)っていたのは、さすがといいましようか―――・・・
【州公を襲った=鵺=・・・その真意】
彼女には―――・・・余所の国の“州”の施政官が、度々他国であるこの『庵』に来るのが不思議でならなかった・・・
しかも、目立った供はキリエのみ・・・という―――
だから“現実”という事を思い知らせるために、フ国内にある自分たちのねぐら(つまるところアジト)に潜伏中の、
レイカに戻ってくるよう伝え、誘った・・・
そしてユミエは、レイカには合図役だけを頼み、自分は州公乗り合いの馬車が通る路を押さえておき、
不意を持って襲撃する―――はずだったのですが・・・
【断ち切られた“縄目”】
これは、ごまかしついでのキリエの温情というべきもの。
よくよく考えてみれば、彼女たちの言い分も当てはまっており・・・
ですが、“州公”のように、少なからず身分のある者に狼藉を働いてよいものか―――
そこで、女禍様も、彼女たちの覚悟を汲み取り、キリエに促したのですが、
そこはそれ、キリエも良くそこのところは心得ていたようです。
【本当は死ぬ気でいたユミエ】
その心情が汲み取れるのが、以前の仲間の一人の名を言っていた場面と、
『もう・・・これ以上仲間が死んで逝くのは―――』・・・と、うなだれている場面。
実は、これとよく似た台詞と場面を、以前に出しているのですが・・・覚えているでしょうか?
それは―――やはり『禽』の一羽で、=鵙=のマキが、クー・ナにいたとき、そこの将軍の養女に対して言っていた事。