|30章|
【ヱリヤの言う“昔の知己”】
それが、ゼシカの母であることは言うまでもないこと。
但し、作中にもあるように、『度々いさかいを起こしていた』というのは、
いうなれば、それだけ気心が通じ合っていた事を示唆している。
これからも見られるように、ゼシカの母とは、ヱリヤの内でも、
特に砕けていた関係―――シュターデン―――なる人物と、同等であることが伺える。
【その“知己”が家にいない理由=その壱=】
このことを初めは、『(彼女が)優れた技術屋だったから、休む間もないのだろう』とは思っているようなのですが・・・
【ヱリヤが“ぬるめ”を注文した理由】
このことは、作者である者の内での・・・つまるところ『裏設定』になるわけなのですが。
彼女―――実は・・・『猫舌』なんです。(笑)
では、どうしてそうなってしまったか・・・
随分と昔、母に連れられて、ある貴人の屋敷にお呼ばれに与かった幼い頃のヱリヤ。
そこで出された熱い料理(スープやグラタン、フォンデュ系)を冷まさずに、いきなり口に入れてしまって、
そこで口を火傷してしまったのです。
しかも、一緒に出された冷たい料理(サラダ、和え物系)を冷まさせるために吹いていたのを、笑われた・・・
そのことがヱリヤの“心的外傷”<トラウマ>となってしまい、
それ以降は、熱い料理は食べなくなってしまった――――と、いうことなのです。
(いわゆる・・・『羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く』)
【では、どうして『お砂糖』を拒否したのか】
まあ―――・・・これは、この人の設定ではないのですが、
実は、自分の古い仲間内に、『糖分』(・・・と、言うよりか“甘い物”)が好物な人がおりまして、
それで、その人が珍しく体調を崩した折に、かかりつけの医療の担当の者に、
『糖分多過ですから、暫らくは差し控えるように―――』といわれてるのを見て、
ああはなりたくはない―――と・・・
つまり『糖尿』はいつの時代でも怖かったものです。(“痛風”の因ですからね・・・)
【ゼシカを連れに来たバルザック】
この設定、宜しくありがちなのですが、ようは二人は“幼馴染”以外の何者でもないということ。
つまり、それ以上発展しませんし、なにしろ彼・・・敵側にいるんですものねぇ。
【急にヱリヤが“お熱い”のを注文した理由】
いわゆる―――苦手なものを注文したというのは、
その“熱い”のを、そこにいる無頼の者の面体に引っ掛ける・・・の何物でもなかったということですよ。
早い話、結構その男の態度とか気に喰わず、頭に来ていたこともあったので、『ならばやってやろう』
―――と、密かに思っていたわけ。
【ヱリヤ自身の“能力”(チカラ)】
それが『自己発炎能力』通称<パイロキネシス>というわけなのですが、
ただ単に、“炎”を生じさせるのは、彼女自身の制御装置<リミッター>である、≪クヴェル≫“グノーシス”『プロミネンス』
がなくても出来ること・・・
ですから、あの時発生(はっしょう)した際には、その炎とかが周囲に飛び散って、危険というものではなかったらしい、
かくいう、ゼシカの鼻の先を掠めたことが何度か・・・
だから、その噴出する炎を抑え目にし、集約出来うるモノとして開発されたのが、ゼシカの母に貸していたモノだったわけなのです。
【“クヴェル”と“アーティファクト”の違い】
この二つ、性質的には同じなのですが・・・(設定、使用目的等、すでに作品中に出済み)
女禍様が扱っていたのが『アーティファクト』
ヱリヤや、キリエが扱っているのが『クヴェル』
ようするに―――・・・その力の出所とかが根本的に違うわけ、
『アーティファクト』は、持ち主の能力(チカラ)を限りなく凝縮させているモノで、“一般”の人とかは扱えないもの。
(それでも『13章』でアヱカが触れてもなんともなかったのは、彼女が女禍様の“依り代”だから)
それに比べると『クヴェル』のほうは、『アーティファクト』よりかは、出力的にも劣るし、
第一これは、持ち主の能力(チカラ)を抑える目的で作られたモノ。
【“知己”が家にいない理由=その弐=】
まあ―――早い話・・・あそこまで引っ張って行った結果が、もう『故人』・・・
だった~~―――なんて・・・そりゃヱリヤちゃん落ち込みますよ・・・
だってね?彼女―――久しぶりに会って、軽口の一つでも叩きたかったのに・・・
それなのに―――・・・
【慟哭】
≪悲しみに声を上げて泣く事≫『辞林21』ヨリ。
彼女が泪したわけ―――・・・それは・・・
今わの際に傍にいてやれなかったこと・・・
こんなにも淋しい想いをするなら、もっと回数を会って、悔いの残らないくらいお喋りをして・・・・
なのに―――またも・・・自分の知る、古き友人達は姿を消してしまった・・・
ただ―――残っているのは、“ロクデナシ”な自分たち二人だけ・・・
だから、彼女は“靜かに”慟哭していたのです。
【ニルヴァーナ=へカテ=ヴェスティアリの存在】
もう容姿(すがたかたち)はそこにはないけれど、その存在感だけでやっていける・・・と、いう設定も凄いものが。
実は彼女は、ヱリヤも申していた通り、“優秀”という言葉では言い表せないくらい優秀な技師であったらしい。
彼女は―――・・・
この時代背景が、『古代の中国』を模しているにも関わらず、
我等のよく知る“その時代”には似つかわしくないほどの“科学”があり・・・
つまるところ、彼女が携わっていたのがまさに“そこ”だったのです。
まあ―――このことは、ゼシカもこの後ヱリヤからよくよく聞かされることであり、
ニルヴァーナの娘であるゼシカも、また同じ道を歩んでゆくのです。
【ニルヴァーナの携わっていたもの=『魔法術具』】
上記にて、 “その時代”には似つかわしくないほどの“科学” に相当するものがまさにこれ。
―――とは言っても、使用行使されていた場所は限られていまして、一般庶民の類には、『電球』『ポンプ』『蛇口』レベルまで、
それが施政者階級ともなると、『電算』・・・また限られた者達にもなってくると『クヴェル』などがあてがわれるという。
(時たまに、作中に“それ”らしいものがあると、これだと思って頂きたい)