[39章]
【『魔将』たちが愛用する武器】
今回のワグナスは、エストックの『スクリーマー』なる武器を実装。
この武器の特性は、今回見られたように、その剣自体から奇怪な音を発生する事により、
相手の戦意を喪失させ、その隙に倒したり、自らの脱出を図ったり―――と、するもの。
これを見ても判るように、かの七人は、普通の武器とはまた違う・・・
いうなればエンチャント(付与加工)されたものを持っていると考えてよい。
【今回の戦役の意味】
今回のグランデル戦役は、実はコキュートス内で試作された験体の使用が、主な動機と思われる。
つまり―――あの趣味悪なゴートサイクロップスが、どこまで運用できるか・・・と、
魔将の一人の退屈しのぎに、今回の戦が起こされた可能性が大。
【今回も使用された、『禽』の啼き声】
実は―――以前にも使用されたことがあるのですが・・・覚えていますか?
それはどこかといいますと、ガク州公であるアヱカが、供のキリエと、とある林に差し掛かったときに、
その到来を知らせるために放った=鳳=の“鏑矢”がそう。
ここで―――『鏑矢』とは、リアルな世界での“鎌倉時代”に、
その戦の開始などを知らせるべく、弓の上手い武士が放ったもの。
またはこれの応用として、『屋島の戦い』では、
かの名手、那須与一が、棒の先に括りつけられた扇を落としたのは、この矢を使用したものといわれている。
【ちょっと今回マジックなようなアレ】
いきなり木立から人が―――・・・とは、ちょっとばかりでなく、大いなるミステリーのような感じがしますが、
とどのつまり―――のカラクリは、本篇に書いてあるのと同じ。
まあ・・・これがSF映画の特殊効果ともなると、『ワープ』とか『ボソンジャンプ』とかの説明が付くところ・・・
なのですが―――まあそこは愛嬌というところで・・・(苦笑)
【知られてはならない秘密を、知らせるより他はなかった者の胸中】
自分が―――『蒼龍の騎士』と同じだと知られてはならない・・・
今までもそう振舞っていたのに―――でも、このときは仕方がなかった・・・
自分の片腕である副将の身に迫りつつある、巨人の鎚―――
イヤ・・・自分の片腕―――? そんな存在ならば、この世に吐いて棄てるほどいるはず・・・
なのに―――その人を弑させたくない・・・と、いう自分のこの感情は―――なに・・・?
その時のキリエの思考回路は以上のようになっていたと思われるが、例えそうであるにしてもないにしても、
今、ヒを失うのはガク州の・・・自分にとっても大きな痛手であると感じ、
無論、あと先の計算などはそこにはなかっただろう―――・・・
だから――――彼女は――――
【その胸中を知ろうはずもない者の思考】
確かに―――あの時はさすがにヤバイと思っていた・・・
頭上高々と掲げられたその巨鎚を目にしては、さすがのヒも硬直せざるを得なかっただろう―――
でも・・・彼は助かった―――そう、またも『蒼龍の騎士』・・・・
いや―――自分たちを欺いていたガク州司馬に・・・
的確な指示―――、全州兵たちへの士気の鼓舞―――、おそらく自分をも凌ぐ武の練達―――・・・
ただいただけなかったのは、肝心なときにいなくなったり、ベソを掻いてたことだけ・・・
そんな――――少しお茶目なところのある、州司馬を・・・自分たちは心のそこから信頼しつつあった・・・
なのに、アレは自分たちを欺くための芝居だったのか―――!
だ・・・と、したら――――この人を州司馬に推挙した、州公はどうなんだ・・・
これが、おそらくヒの頭の中で渦を巻いていた疑念だったのだろう。